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法律・制度 2022年07月27日

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PSE(電気用品安全法)に関する基礎知識 | PSEマーク表示に必要なこと/モバイルバッテリー・充電器などの電化製品はPSE対象

掘 雄太(INSIGHT WORKS株式会社)

こんにちは。INSIGHT WORKS株式会社の堀と申します。

当社では、日本国内のPSE、PSC、電波法、JIS、計量法、食品衛生法、医療機器など様々な認証代行を行うとともに、ヨーロッパ・アメリカ・ASEAN・中国・インドなど世界各国の認証代行を展開しています。

当社の考え方として、事業者の方にとって一番重要なことは認証はできる限り時間・費用などのコストはかけずに合格して、ご自身の事業に専念していただくことです。法律的な知識を吸収することを目的にされるお時間もないと思うのですが、やはり必要最低限知っておくべきポイントというものもあります。今回はPSEについて知っておくべきポイントをコンパクトにお伝えさせていただきます。

日本で流通している家電製品のほぼすべてにPSEマークが表示されています。つまり、ほぼすべての電気用品においてPSE法(電気用品安全法)が該当します。さらに最近では、モバイルバッテリーのPSE法制化などもあります。日本の消費者のほとんどが知らないPSEですが、取り扱う事業者には様々な法律の壁が存在しており最低限の知識は必要となってきます。


PSE(電気用品安全法)とは?

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PSE(電気用品安全法)とは、昭和36年に制定された電気用品取締法が平成11年に現行法に改正された、経済産業省管轄(制定時は通商産業省)の法律です。平成11年以降も、対象製品の拡大など逐次改正されています。

PSE法が制定された背景には、高度経済成長期における急速な家電の普及がありました。当時の粗悪な電化製品による火災事故が多発したことで、先述の電気用品取締法が制定されたとされています。

対象製品を大まかにお伝えすると、経産省が指定する電気用品について、電源コンセントを使用する家電製品、モバイルバッテリー、一部のLEDランプ、LED電灯器具、照明器具などが対象となります。特に、電源コンセントを使うものはほぼ100%でPSEマークの表示が必要となってくると覚えておきましょう。

なお、PSEマークを表示していないものを販売や販売目的で陳列した場合、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、あるいは懲役・罰金の両方に課せられます。さらに条件次第では1億円以下の罰金も課せられます。

また罰則のほかに、違法品を販売したということで社会信用の失墜につながることとなり、こちらについても損失は大きくなってきます。

ちなみに、PSEとは、Product Safety Electrical Appliance and Materialsの略称です。

「経済産業省が指定する電気用品」とは、すでに経産省の中で該当する電気用品が網羅されており、それに該当する電気用品の販売を行う際は、検査機関による製品検査及び、同省への申請が必要になります。

こういう言い方をすると、自身の扱いたい製品が「該当しない電気用品」になるのではないか、と言って期待される方もいらっしゃるのですが、基本的に99%レベルで該当します。

一部業務用(店舗用)の美容器、医療用機器、業務用大型機械などが該当しない場合がありますが、経産省もかなり綿密にリスト化しています。


PSEは特定電気用品と特定電気用品以外の2つに分類される


では、どういったものがPSE対象になるのでしょうか?


経産省のウェブサイトから引用した図をご覧ください。

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出展「電気用品安全法 / 電気用品安全法の概要」(経済産業省ウェブサイト)


特定電気用品(通称、菱形PSE)全116品目、特定電気用品以外(通称、丸型PSE)全341品目とあります。なお、簡単に言うと、特定電気用品というのは構造がより複雑、危険具合が高いもの、配線器具など、特定電気用品以外はそれ以外というイメージです。ただ、決して特定電気用品以外の試験が簡単という意味ではありません。あくまで両者を比較してという認識が正しいと思います。


特定電気用品の検査が難しいポイント


特定電気用品と特定電気用品以外の違いについて、もちろん個別の商品は違いますが、両社の一番の違いは、特定電気用品は検査機関による生産工場検査があることです。

また、電気用品の区分によって各検査機関できるものとできないものが存在するので、そうしたことを調べるのも事業者の仕事となり、かなり厄介でもあります。

認証を考えている製品が特定電気用品だった場合、生産工場に検査員を派遣しなければならず、製品検査以外の項目も増えるので自身が何の検査をするのか把握する必要があります。

なお、工場検査とは日本工場であろうと中国工場であろうと、PSE該当製品を生産するにあたって、工場が費用な生産設備などを保有しているかどうかなどを検査機関が確認するものです。

工場が何回もPSE検査をしているところであれば問題ないでしょうが、仮に初めてPSE検査を受けるとなれば第三者のコンサルティングなどがないと厳しい部分があるのも否めません。

せっかくサンプル検査が合格したのに、工場検査で不合格ということもあり得ます。

ちなみに、当社では、日本工場・中国工場と問わず、工場検査前指導というサービスも行っています。


PSE対象品と非対象品の見分け方、USB商品はPSE対象外?


世の中にある電気用品のほとんどがPSE対象です。ご家庭にある電気用品を観察していただければ、必ず、PSEマークが表示されています。むしろ、無いものは違法品です。

ちなみに、ノートパソコン、コードレス掃除機など電源供給にACアダプターを使用するものは、ACアダプターへのPSE表示が必要となります。


Image of Black Electric power adapter isolated on white backgrou

基本的に家電量販店などリアル店舗で販売されている商品は問題なくPSE表示がある正規品でしょう。ああいったところでは、正規メーカーしか扱ってくれませんし、店舗側も信用問題になりますので、業者の選定はかなり厳しく行っています。


一方、PSE非対象商品としてUSB充電のモノが挙げられます。例えば、夏場に流行している携帯型の扇風機はUSB充電タイプですのでPSE対象ではありません。

近年、PSE対策の為に、USB充電製品が多く出回っており、小容量電力であればそれで利用可能になっています。また、車のシガーソケットに接続して使用する製品もPSE対象外となります。PSE認証費用を払うくらいであれば、USB充電商品を扱うのも一つの手かもしれません。また、(リチウムイオン電池を使用していない)乾電池を使う製品もPSE対象外です。


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【重要】モバイルバッテリーのPSE法制化と対象品の考え方


リチウムイオン電池を搭載したモバイルバッテリーが、2019年2月よりPSE法制化となり取り扱いが大変厳しくなっています。
法制化した背景として、リチウムイオン電池の発火事故が多発していることなどがあります。

概要については経産省のこちらのページをご覧ください。

巷でよく見かけるモバイルバッテリーはもちろん、少し専門的な内容としては、ワイヤレスイヤホンのスタンドなども対象となる点です。この商品は小さい商品でありながら無線の電波法認証と、スタンドのPSE認証の2つが必要だったりするのです。

ただ、一点ご留意いただきたいのは、あくまで他者への給電を目的としたモバイルバッテリー(リチウムイオン電池仕様)がPSE対象ですので、例えば、ACアダプターを利用した充電式のコードレスクリーナーなどはPSE対象ではありません。その場合、PSE対象となるのはACアダプターのみになります。


悪質な違法品にご用心!PSEマーク非表示などの違法例


最近、Amazonなどのインターネットモールで販売されている電気用品にPSE表示がない、もしくはPSE表示が正しくない、ものが非常に多くあります。つまり
きちんとPSE検査を行っていない違法品であると推測できます。

安すぎる電気用品というものには注意が必要でしょう。PSE違法品の問題点として、①電気を使う製品の安全性が公的に証明されていない、②万一、その製品で事故があった際に責任所在の不確かなどです。

自社で電気用品を扱われる際、そうした違法品となってしまわないように十分に気を付けて販売をしていっていただければと思います。


PSE検査に合格するための最短ルート


一方、経産省などのホームページなどを見ても、制度の説明ばかりで、結局PSE試験・認証をする為にどうしたらよいかわからないことがほとんどです。それをイチから調べるのも時間的な損失となってしまうことが想定されます。

この記事をご覧になっていらっしゃる方は、海外ビジネスをされる方が多いと思います。生産は中国などの海外で行っていることでしょう。

その場合でも、PSE試験は、中国の生産工場の協力が不可欠ですし、特に海外と日本では安全基準が違うので、検査をしてもすぐに合格にならないことも多いです。また、そもそも工場との言語の壁もあります。

細かいことを言い出したらキリがないので今回は割愛しますが、海外電気用品をPSE検査をする事に興味がある、または必要に迫られているなど、そうした場合はまずは一度お気軽にお問い合わせいただければと思います。

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掘 雄太

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