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海外ビジネス コラム

法律・制度 2022年08月16日

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電波法(技適)に関する基礎知識 | 技適マークを表示するために必要なこと/WiFi・Bluetoothを使うもの、4Gのものは電波法が必須

堀 雄太(INSIGHT WORKS株式会社)

前回記事で、PSE(電気用品安全法)について事業者として必要最低限知っておくべきポイントをご説明いたしました。今回は電波法(技適)についての知っておくべきポイントをお伝えします。

最近では、スマホに接続するBluetoothイヤホン、Bluetoothスピーカーなどに代表されるようにスマート家電などが話題になっています。

また、クラウドを利用したサービスを行うためにWi-fi機能を搭載した製品も増えています。そうした製品の多くは電波法認証が必要になってきます。

 

電波法とは?


画像_01



【昭和21年に電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的として制定された法律。前身は、大正4年制定の無線電信法。
総務省管轄。
免許を取得しないで電波を発射(電波法取得していない機器を使用)すると、不法無線局を開設・運用したとされ電波法違反となる。1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金の対象】

 

電波法はユーザーが罰則対象になる法律、事業者は要注意!


勘違いされている方も多いのですが、実は電波法というのは、PSE、PSCのようなユーザー保護の法律という側面よりは、国の電波行政保護の法律という側面が強くあります。

また、電波法に関するどこのページを見ても、使用すると上記の罰則があると謳われていますが、決して販売していた事業者が罰せられるとは書かれていません。

おかしな法律なんですが、以前にそのことについて、総務省関連機関の担当者に電話で問い合わせたところ、「電波法はザル法ですからね」と自嘲気味に言っていたことよく覚えています。

たまに、無線トランシーバーを無許可で扱って店員同士で連絡を取り合っていた店舗が警察に摘発されたというニュースがありますが、この法律が根本となっています。あくまで、販売事業者ではなく使っていた人間(ユーザー)が罰則となります。

極論を言うと、取扱事業者は無許可で電波法製品を扱っても法的には罰せられることはありません。

しかし、ちゃんとやっていないと社会的信用(コンプライアンス)の問題があったりするので、基本的にはしっかりと認証する必要はあります。

また、販売モールなどで違法無線商品は販売差し止めになることが多いです。

 

国の電波法規制が強まっている


図_02


この広告は2019年6月くらいから2021年にかけて撮影したものですが、同じ体裁の広告が大々的に展開されていました。

当時はオリンピックがあり、世界中から人が集まる際に不法電波がないということをアピールしたい目的があるそうです。

本題から外れるのであまり何回も言っても仕方ないですが、こういう風に呼びかけるくらいなら法律を改正して違法無線商品の販売事業者を取り締まれるようにすれば良いと思うのですが、何か障壁があるのでしょうか。

 

そもそも電波法(技適)認証を行う意味とは?


波法認証をしなければならない、ということを繰り返し述べています。がそもそも電波法の認証が必要な意味とは何でしょうか? その部分について言及されている最近の記事を引用したいと思います。


【電波を発する外国製の機器が出回り、航空機などの通信装置が妨害を受けるケースが起きている。電波法で定められた基準に適合しない機器をインターネットで購入し、気づかずに使用している例が目立つ。総務省は「規格外の機器の使用は多くの人の命を危険にさらしかねない」と注意を呼びかけている。】
引用:
遠く離れた飛行機に影響するとは」…規格外の海外製カメラや無線機、知らぬ間に電波妨害 」読売新聞オンライン


日本では、航空機や医療機器、救急車、人工衛星、など数多くの電波使用機器が存在しています。それらの電波を妨害するものが存在すると、上記の重要電波機器に障害が及び、それによって社会に混乱が起きる可能性があります。

例えば、航空機で誤作動があったり、医療機器に計測ミスなどがあれば人命に関わる問題です。

その為に、お互いの電波が干渉しないように、一般ユーザーが使うような無線電波機器にも割り当てられている周波数帯域があり、その中で使用されていれば特に問題ないということになります。

ただ、製品が本当に割り当てられた周波数帯域の中にあるかどうか、検査しない分かりません。特に、海外製品では日本の周波数帯域を考慮していないものも多くあるので、それを確認するためにも電波法(技適)試験があるのです。

大量の製品のみならず、1~2個の少数だから関係ないということではありません。数少ないものでも検査をしていない製品には、どんなに危ないものがあるかわかりません。

 

電波法対象製品、非対称製品


世の中にある無線を発するものほとんどすべて、Wi-fi○○、無線○○、コードレス○○、スマート○○、Bluetooth○○と呼ばれるものは電波法対象と考えられます。


例えば、

・ワイヤレスプレゼンター(PSCレーザーと混合)
・ワイヤレスマイク
・ワイヤレスイヤホン(PSEバッテリーと混合)
・ワイヤレスマウス
・トランシーバー
・スマートカメラ
・バイクタンデム(インカム)
・ワイヤレスマウス
・ワイヤレスキーボード
・携帯電話
・ワイヤレスプリンター
・Wi-fiプロジェクター
・自撮り棒(のリモコン)
・ワイヤレスステレオスピーカー

などなど。


図1_03

ワイヤレスプレゼンター(付属のUSBレシーバーをノートパソコンなどに接続して操作すると、無線電波を利用してスライドが切り替わる)


図_04

ワイヤレスマウス


一つ注意点としては、コードレス・ワイヤレスだからといって必ず電波法ではなく、電波を発する無線が電波法対象という考えになります。

充電式の電化製品は電波法とは無関係ですし、テレビやエアコンなどのリモコンは赤外線通信ですので、これも電波法とは関係ありません。

試しに、リモコンを手で覆いながらスイッチを押しても作動はしません。


図_05

 

4G認証はとても高価


なお、スマホなどの電話や最近流行りの翻訳機、wi-fiルーターなど4G搭載したもの無線機器は認証費用がとてつもなく高価です。

問い合わせは結構あるのですが、(もちろん当社では4G認証も可能です)認証費用を聞いただけで諦めてしまうお客様が大半です。

ただ、それでも中国の検査機関を使えば比較的安く認証することは可能ですので、ご興味ある方はお問い合わせいただければと思います。


図_06

電話機の裏に電波法マークが記載


図_07

携帯電話(スマホ)の「認証マーク」に記載されている電波法マーク


図_08

Wifiモデムに電波法マーク

 

電波法合格モジュールを製品に利用するやり方もある


技術者などがチームにいないとなかなか判断ができない方法でもありますが、電波法検査に合格した電波モジュールを購入して製品に組み込めば、製品そのものの電波法認証が不要となる場合もあります。こうした点についても当社ではご相談に応じています。

 

電波法認証をする為に必要な最短ルート


電波法については、総務省や日本を代表する電波法の検査機関・TELEC(一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター)のウェブサイトにいろいろ詳しく載っていますが、結局のところ、事業者の方にとっては何をどうすればよいのか初めての方には少しわかりづらいかもしれません。

わかりづらいというのはあくまで主観ですが、当社でも初めての電波法認証の際に、仮に一から自分で検査機関などを活用していたら、いつまで経っても成功できなかったかもしれません。

ちなみに、当社では、中国生産品で電波法認証をする際は、中国で検査をしてアメリカの認証機関で証明書を発行しています。自分で言うのもなんですが、なかなかグローバルな手法で、社会をよく表しているのではないかとも考えています。

また、認証は生産工場の協力が不可欠ですが、事業者の方が技術的なことを理解していないと、工場に話をする事が出来ませんし、そもそも相手が海外(中国)工場であれば言語の壁もあります。

電波法認証に興味がある、実は緊急で電波法認証しないといけない、そういった方は一度お気軽にご連絡ください。

このコラムの著者

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堀 雄太

(INSIGHT WORKS株式会社)

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