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海外ビジネス コラム

生活・文化 2016年03月25日

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スリランカビジネスにおいて知っておきたい「文化・歴史的背景」

渡辺 智也(ランカクリエイティブパートナーズ株式会社)

スリランカの文化・歴史的背景を知ろう

ビジネスは「人」であり、人の特徴や文化、そして歴史についても理解しておくことが大切だ。しかも、私たちは異文化に身を置く存在である。数字だけ眺めていても、スリランカビジネスはうまくいかない。

スリランカは、7割がシンハラ人、2割がタミル人、そして1割がスリランカ・ムーア人といった構成である。

仏教を国教としながらも、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教(ローマ・カトリック教)といった信仰を持つ国民がおり、宗教も多彩だ。他国と同じく、宗教ごとに住む地域が分かれており、それぞれコミュニティーが形成され、それぞれ独自の文化が育まれている。

また、ジャフナやヌワラエリヤのタミル人の間では、カースト意識があったり、シンハラ人は結婚時だけ階級意識が強く同系の階級間でしか結婚が許されない家族文化が存在したりなど……、インドのような階級制度の存在はないと言われているが、「階級意識」は少なからず存在する。

さらに、スリランカは2009年まで国内では民族紛争が起こっていた。26年間に及ぶ、シンハラ人とタミル人との間の内戦であった。結果、タミル人に対する民族差別問題すべてが解決されている状況だとはいえないが、恒久的和平状態が続くよう、スリランカ政府も積極的な支援を行っている。事実、現大統領であるシリセーナ大統領はシンハラ人であるが、タミル人の生活安定のためいくつかの保護政策を打ち出し、2015年の大統領選挙で前大統領を打ち破り、政権を獲得した。

スリランカビジネス成功の秘訣はパートナー

また、言語にも注目したい。公用語はシンハラ語、タミル語が使われており、それぞれの民族のコミュニケーションのつながりを保つために「英語」を連結語として採用している。英語は、5、6歳から勉強をすると聞く。

しかし、私は、スリランカに来て、「英語を話せる人が多い国」という印象は持たない。「スリランカは観光地だし、教育も熱心だから、英語が通じる」と思われがちだ。しかし、案外英語が通じないことを実感するであろう。英語を話せるのは、大卒程度の学歴を有するスリランカ国民、特にIT業界で働く人材に偏ってくる。

普段の生活で、スリランカ人が英語を話す機会は少ない。したがって、英語ができる人材は限られるのが正直なところだ。ただし、「英語を話す」ことが難しくても、「英語を聞く」ことは大方のスリランカ人ができるという。これは幼少期から学校教育で英語を学習しているからであろう。

こうなると、やはり現地企業との商談では、スリランカの公用語を知る人材をパートナーとして持つことが大事になる。

通訳、もしくはビジネスパートナーにそういう能力を持つ人材を据えることが肝要である。私は幸いにも、シンハラ語はもちろん日本語と英語が話せるトリリンガルのスリランカ人を見つけた。英語も日本語も通じない方には、シンハラ語の通訳も担ってくれる心強いパートナーとなっている。スリランカでは、どんなに有力な商品・サービスがあっても「言葉」を持つことが欠かせない。

まずは、シンハラ語(もしくはタミル語)と英語ができるバイリンガルか、シンハラ語と英語と日本語ができるトリリンガルな人材を探すことを目おすすめする。スリランカでは、言語能力が高いスリランカ人とのパートナーシップ作りが、ビジネスを軌道に乗せるために絶対欠かせないのである。

このコラムの著者

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渡辺 智也わたなべ・ともや

(ランカクリエイティブパートナーズ株式会社)

<スリランカビジネスの専門家>

<HP>:http://lanka-creative-partners.co.jp/

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