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海外ビジネス コラム

生活・文化 2016年09月26日

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オーストラリアでの就職活動の実情とは?

永井 政光(NM AUSTRALIA PTY LTD)

オーストラリアで就職する。こんな目標を持っている人はかなりの数いらっしゃいます。ただ現実は厳しく全員が全員、希望通りオーストラリアで働けるわけではありません。

私の手元に一つ興味深いデータがあります。弊社内には人材部門があり、「日本からオーストラリアに就職したい」 という問い合わせ数を、月別、年別で集計しています。それによると、年間を通して一番問い合わせが多くなる時期は、3月、4月で、この時期は社内での人事発表などがあるので、それが影響を及ぼしていると考えられます。

その他にも日本の景気が悪化したり、求人倍率が落ちれば落ちるほど、それに反比例して 「オーストラリアで働きたい」 希望者の数が激増します。希望者の転職動機をお伺いしてみると、日本で就職先がなく、先が見えない。だから海外でどうにかならないか。環境を変えたい、などの声を多く聞きます。オーストラリアの状況を教えてほしいと言われれば、私も過去に苦労した人間なので、判ることはできるだけ包み隠さずに伝えています。ただ、こちらの状況を説明すると、そんなに大変で難しいのですかと驚かれ、ほとんどの方がそこで諦めてしまいます。

厳しい言い方で恐縮ですが、海外での仕事探しは日本の3倍は大変だと思ったほうがよいです。日本で就職できないのであれば、海外での就職のチャンスはほぼ無いに等しいです。「日本がダメでも、海外があるさ」 といった安易な考えでは夢を手に入れることはできません。

例えば、スポーツの世界でも野球、サッカーに問わず現在では多くの選手が、海外でプレーをしています。ただ大抵の選手は1,2年で生活習慣や文化なども含めた、分厚い壁に跳ね返され、日本に帰国してしまう事実があります。長期間滞在し続け、レギュラーとして試合に出場している選手はほんの一握りです。

また世界的な景気低迷の影響もあり、近年ではオーストラリアだけではなく母国の雇用を守るために、年々外国人が就労するに辺り必要なビザ(就労ビザ)取得条件が厳しくなっています。オーストラリアのケースですとそれまで移民局から就労ビザ申請者に対して、英語力の証明を義務化する事はありませんでしたが、現在では申請者のポジションに応じて、ある一定以上の英語力(IELTSでの点数)が必須になりました。

この他にも国内で適任者を探したが見つからなかったので、外国人を採用したとの証明や、将来的に外国人雇用者に頼らず会社運営が行えるように、現地人への教育を行っている証明。その他にも保険や現地人に比べてより高い最低給与設定など、様々な条件をクリアする必要があります。

これらの条件をすべてクリアし、無事に就労ビザを手に入れたとしても、将来は安定ではありません。定期的に移民局からのモニタリングが入り、もしビザ申請時と異なる条件で就労していたなどの事柄が露出しますと、ビザが取り消しになる可能性もあります。また会社の経営方針次第ではビザが取り消しになる場合もあります。

厳しすぎる、と思われる方もいるかもしれませんが、日本のスポーツ界に助っ人外人として来日している選手を思い浮かべれば、納得出来るかもしれません。彼らも日々厳しい目を向けられ、仮に長期契約を結んでいたとしても、所属チーム側が求める成績を残せなければ、契約期間中でも解雇&帰国の憂き目に合う可能性があります。海外で就労する我々外国人は契約期間や給与は異なれ、ある意味助っ人外人なのですから。

海外で必要なのは運

どんな人が海外で就職するチャンスがあるのか。一番必要なものは何か。海外で就職を希望する方々から質問を受けます。「語学力がネイティブと同等。資格、職歴共に問題なし。さらに特殊技能まで持っている」 こんな人であれば、オーストラリアに限らず、アメリカだろうが、ヨーロッパだろうが引く手数多。何の心配もなく就労ビザのサポートを受けることができるでしょう。でもこんな人は本当に一握りの人たちだけの話で、私も含めてほとんどの人は、「誰と競り合っても負けないズバ抜けた力」 などありません。そして実際には、海外で働いている人は、ズバ抜けた能力の持ち主ばかりではありません。

では、語学力、職歴、特殊技能も大事ですが、一番の決め手となるのは何か。ずばりそれは「運!」これを聞いてしまうと、「な~んだ、身も蓋もない話だ」 とお叱りを受けてしまうかもしれませんが、私が言いたい運とは、人事を尽くして天命を待つほうの運を指し、棚から牡丹餅的な発想の運とは異なります。

運は誰にでも公平にやってくるものだと私は考えています。 ただこの運と言うのは非常に見つけづらく、また見つけたとしてもツルツル滑り中々捕まえずらい物です。 運をいち早く見つけるのには常にアンテナを立てて、チャンスを捕まえたら離さない体力も必要になります。

それでは、どのような人が運を味方にすることが出来るのか。次回はより深く掘り下げて書き進めていきます。

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永井 政光

(NM AUSTRALIA PTY LTD)

<オーストラリアビジネスの専門家

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