市場動向 2013年05月14日
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<アジア・クロスボーダー戦略> 経済特区 タイ(2)
現在タイでは17ヶ月ぶりの高水準で通貨バーツの上昇が続いています。
インラック首相はじめタイ政府や中央銀行は、急なバーツ高への対応に苦慮しています。
しかしながら、1月30日のキティラット財務相と記者団とのやりとりの中では、タイが開かれた国を目指す方針に変わりはなく、資本規制の措置や課税強化策などは行わず、中央銀行の通常の金融手段により、その対応を行うことに言及しています。
この発言からも、タイが引き続き諸外国の投資を受け入れる姿勢がよく見てとれます。
日系企業もタイへの投資が相次いでおり、タイ投資委員会(BOI)の集計によると、2012年の対タイ海外直接投資は、日系企業が投資件数・投資額ともに他国を大きく引き離し、第1位となっています。
日本からの投資が海外投資のけん引役となっていることから、前回お伝えしたように、今後も両国間の経済連携は益々強まることが予想できます。
ご存知の方も多いと思いますが、タイは日系の自動車産業が相次ぎ進出を果たしており、東洋のデトロイトと呼ばれています。
タイ政府が、今回の対ドルのバーツ高で輸出産業の収益悪化の懸念を示している理由がここにあります。
ちなみに、タイ工業連盟(FTI)自動車部会によると、タイ国内の全自動車メーカーの2012年の自動車生産台数は前年比68.3%増で、過去最高245万3717台の世界第10位とのことです。
輸出台数は39.6%増で、過去最高102万6671台の第世界7位となっています。
この先、タイが目指す国家像として、経済の面では5つの戦略的産業を掲げています。
(1)自動車産業
(2)食品産業
(3)ファッション産業
(4)観光産業
(5)ソフトウェア産業
自動車等の輸出産業のより一層の投資受入れにより、特定産業の生産基地能力を高め、その結果、雇用者所得の増大を図り、
その旺盛な消費力と文化発信力を増大させることで、内需の拡大を目指してゆく、このようなシナリオが見えてきます。
皆さんはどのように感じられますか。
本日の本題にうつります。
今回はチョンブリ県およびラヨーン県内にある主要工業団地の詳細を見てゆきます。
今回も弊社「アジア・クロスボーダー戦略コンサルティングチーム」が
まとめます情報を、以下の通り発信させていただきます。
++++++++++++++++++++
日系企業が最近特に注目をしている工業団地は、アマタナコン工業団地、イースタンシーボード工業団地、アマタシティ工業団地、である。
チョンブリ県とラヨーン県内にある工業団地は、以下の恩典を受けることができる。
ただし、IEAT管理の工業団地もしくはBOIの奨励認可を受けた工業団地であり、2009年12月31日までに奨励申請が受理されていることが条件となる。
(1)
法人所得税が3年間免税され、条件付きではあるが、7年間まで免税措置を受けられる。
(2)
機械・設備に関する輸入税が10%以上のものについては50%減税で、条件を満たすものは免税措置を受けられる。
(3)
輸出製品用原材料輸入は1年間免税で延長措置もある。
(1)アマタナコン工業団地(チョンブリ県)
バンコク市から約57km、スワンナプーム国際空港から約42km、レムチャバン深海港までは約46kmの所に位置している。
総開発面積は2,652ha(工業区1,440ha)である。
付帯施設は、病院、レストラン、本屋など豊富にある。
インフラ面では、電力は、地方電力公社から供給されている。
給水は、首都水道公社およびアマタ・クオリティー・ウォーター社が給水している。
進出企業業種は、自動車部品、電機、消費材、軽工業関連企業などである。
進出企業数は300社以上で、そのうち60%以上が日系企業である。
(2)イースタンシーボード工業団地(ラヨーン県)
バンコク市から約117kmのところに位置している。
総開発面積は1,061ha(工業区778ha)である。
電力供給および給水や工業用水などのインフラ面も整備されている。
進出企業業種は、自動車関連企業、一般消費、軽工業などである。
進出企業数は210社以上である。
(3)アマタシティ工業団地(ラヨーン県)
バンコク市から約114km、スワンナプーム国際空港から約99km、レムチャバン深海港から約27kmに位置している。
付帯施設は、銀行、病院、レストランなどがあり、整っている。
インフラ面では、電力は、地方電力公社から供給されている。
進出企業業種は、自動車部品、電機、消費材、軽工業関連、化学関連、食品などである。
進出企業数は90社以上で、そのうち30%ほどが日系企業である。
(文責)
ホープウィル・グループ
アジア・クロスボーダー戦略コンサルティング・チーム
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