Digima〜出島〜

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外ビジネス コラム

市場動向 2013年07月05日

  • share

中国進出時の出店先選びは? 上海の商業モール事情 その1

川添 英起(株式会社リバーサイドシンク)

上海最大の商業モールがオープン!

上海の中心から北西部の金沙江路という駅のすぐ横に月星球港という上海最大のモールが近々オープンする。

その規模は、48万㎡にも及ぶ巨大なモールである。中世ヨーロッパ風の荘厳な建物と美術館を思わせるような壁画、豪奢な内装は目をみはるばかりのものとなっている。

中国の商業モールは建物先行であり、オープン時100%テナントがついているケースは少ない。いわゆる見切り発車で、長期に亘るものは半年以上空きテナントがある場合も少なくない。そんな中でこの月星环球港モールはオープン前からほぼ100%のテナントが決まっており、その前評判も高い。

月星环球港

そこで本コラムでは、2回に分けて上海の商業モールについて少し考察してみたい。

私はいくつかのモールで、日本企業の出店をお手伝いしているが、出店支援当初はモールの良し悪しの判断がまったくつかなかったと言ってよい。当初、集客が期待できないであろうと判断したモールが、数年たった今は、上海でも屈指のモールになっていたり、期待していたモールの集客が思いもよらず不調であったり。試行錯誤を経て、ようやく一定の「モール感」ができてきたような気がする。

思いもよらぬ集客状況

私が一番初めにかかわった商業施設のテナント誘致は、上海浦東陸家嘴地区に位置し、日本でも有名な東方明珠テレビタワーの真向かいにある、タイ資本CPグループの正大広場であった。この商業施設は地下に大型スーパーマーケットが入り、地下3階、地上10階、総面積24万㎡の大型商業モールである。しかしながら、オープン当初まったく人の流れがなく、薄暗く、また、前述のように、ところどころ未入居の店舗が散見される状況であった。私は日本型の商業モールの尺度をもって、このようなモールは失敗だと思い、このモールへの誘致話が来てもすべて断っていた。しかしどうであろう、1~2年経過した時点で、陸家嘴区の地域開発とも相俟って徐々に集客力を伸ばし、今はおそらく上海浦東地区では最も人が入る商業モールになったのではなかろうか?

日本の場合オープンして少なくとも1~2か月の間に集客ができないと、失敗モールのレッテルが張られるであろうが、中国のモールはさにあらず。気の長い話だが、モールの成否判断は、かなりの時間経過が必要である。したがって、新規モールへの出店を考える場合には、かなり周到な分析と予見性が必要となってくる。

陸家嘴 正大広場

 

混在型のモールは失敗?

上海浦東地区の中心地、地下鉄2号線、4号線、6号線、9号線、が集まる世紀大通駅と直結(現在工事中)する場所に96広場がある。この商業モールは浦東地区にある、地下1階地上3階約3万㎡の中型モールである。レストラン、ファッションなどの複合ショッピングモールであるが,フロアごとに業態が分かれておらず、混在型のモールとなっている。

私はこの96広場の合点寿司1号店の出店をお手伝いした。この店は、合点寿司が上海でもっとも有名な回転寿司となる基礎となった店と言える。しかしその環境はベストとは言えず、実は、合点寿司の隣は女性下着の店舗となっている。同じフロアには飲食もあるが、H&Mなどのアパレル店舗も存在し、飲食専門フロアのような目的別顧客を集客はできない環境である。

このモールはオープンから5年経過した今も私の期待していたほどの集客はできていないように思える。合点寿司のように特徴があり、品質で勝負し、ブランディングできた店舗にとっては問題ないが、この商業モールの中には苦戦している店舗もあるのではなかろうか?

そんな状況を改善する方針を取っているのか、最近このモールはアパレル店舗⇒飲食に入れ替えが行われているケースが多くみられる。モールのロケーションは複数の地下鉄路線の乗換駅に隣接し、近々、地下鉄駅と直結する予定で(現在工事中)であり、これにより乗降客の動線も変わることも予想される。モールの内容を工夫すればより多くの集客ができるのではなかろうか?

九六広場

 

このコラムの著者

このコラムニストにメールで問い合わせる

川添 英起

(株式会社リバーサイドシンク)

コラムニスト詳細

関連記事

ジャンル別 新着コラム

検索

Digima~出島~からのお知らせ

海外進出白書

注目のコラムニスト

  • コラムニスト一覧