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海外ビジネス コラム

市場動向 2013年09月24日

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日本経済が以前のようなアジアの中心的存在であった時とは様相が変わっきた!? 『円安の表裏』

堀 明則(Hopewill Group)

「過去1年のIPO、6割が公募価格超える」
5月中旬のあるメディアの見出しです。
内容は次のようなものでした。

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香港で過去1年間に新規株式公開(IPO)で上場した銘柄のうち6割の株価は公募価格を上回っていることが分かった。
5月15日付『香港経済日報』によると、過去12カ月 にIPOで上場したのは47銘柄。
うち6割に当たる28銘柄は株価が公募 価格を上回り、累計平均伸び率は73.8%となっている。
また今年に入っ てから上場した銘柄だけでは12銘柄で、うち株価が公募価格を上回ったのは5銘柄、累計平均伸び率は167.4%に達した。
5月中にも4社の IPOが進められており、合計で300億ドルを調達する予定だ。
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新規株式公開における資金調達能力で、世界的に定評のある香港市場、その勢いが戻ってきました。
これまでアジアの隆盛の中、蚊帳の外であった日本の証券市場も、アベノミクスの影響から大活況ですね。
日本株が世界から注目されるということは、実にバブル崩壊以来20年ぶりというところでしょうか。
元々かなり割安に評価をされていた日本株ですから大躍進もうなずけるはずですが、ご祝儀相場的現状には十分な注意も必要ですね。

株式市場の影響を直接受ける上場企業はどうでしょうか?
弊社では日本企業の香港でのIR(Investor Relation)活動のサポートをさせていただいております。
今年に入り時価総額の大小問わず、日本国外の機関投資家へのアポイント依頼が急増しており、まさに「日本の熱」を実感しているところです。
投資家側も以前よりは好意的にアポイントを了解してくれ、投資家サイドの日本への関心の高さもうかがえるところです。
リスクマネーが大量流入する投資家サイドも、妙味ある投資機会を貪欲に物色しているので すね。

この現状の醸造には「円安」が実に大きく寄与しているわけですが、
この株式市場好調の裏側にある、もうひとつの側面も見過ごすことはできません。

それは、円安による資産の目減りです。

日本は今、少子高齢化が進み、また、インフレターゲットを設定してもデフレマインドに浸された人々の心は「安くて良いもの」を見抜く力をすっかり身につけてしまいましたので、なかなか机上の計算のようには経済調整は進まないことが予想されます。
このような社会で活用されている円が高くなってゆく要素は少なく、やはり円は安め安めに進行をしてゆくと考えたほうが良いのかもしれません。

「通貨安」と「デフレマインド」が日本の今を表現するキーワードであるならば、
「通貨高」と「インフレ」がこれから 躍進をしてゆくアジアのキーワードになります。

安い通貨をインフレ市場に投じてゆくことは、投下リスクを必然的に押し上げてゆきます。
日本市場が右肩上がりであったときには考えられない現象ですね。
一昨年の円の史上最高値以来、高い水準の円高が続き、多くの円が日本から流出をしてゆきました。
1米ドル=100円前後の今でもその流れに大きな変化があるわけではないのですが、これは円高が一息ついても、日本国内に投資を吸収する力がだんだんと弱くなっており、できる限り円が高いうちに投資効果の高い地域を目指して、円が流出を続けているのでしょう。

香港は引き続きアジアの投資ハブとしての地位を保持しています。
最近ではシンガポールへの関心も高くなっていますが、その力は依然香港に軍配というところでしょうか。

株式市場は活況を呈していますが、一方で円安は進んでいます。
客観的にみるならば、株式市場の伸びを円安が吸収しているとも言えるかもしれません。
日本経済が以前のようなアジアの中心的存在であったときとは様相が変わっており、アジア諸国がまだまだこれからながらも大いに勃興し、
まさに今アジア経済のイニシアティブを握ろうとしています。

バブル崩壊以来の空前の株式景気にある表裏を客観的に把握し、あくまで日本をアジアの一部として捉えた対応が個々人にも求められるときがきた、連日の日本のニュースにそのようなことを強く感じる次第です。

このコラムの著者

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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