市場動向 2013年10月01日
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ブラジルでの日本の存在感は? 進出成功のカギは「信頼性」
ブラジルで日系人が代々築いた「Japones garantido」
先日の日経新聞に、ブラジルで開催された「日本ブラジル経済合同委員会」にて、2カ国間の経済連携協定(EPA)の締結を目指すことで一致されたという記事の掲載があった。2014年後半を目処に調査報告書がまとまる意向とのことで、少し先の話ではあるが、日本とブラジルの関係強化、特に経済面での関係強化が期待できるニュースだ。
日本とブラジルの関係について言及する際、日系人の存在が第一に挙げられる。世界には約300万人近い日系人が存在すると言われているが、ブラジルにはその半数の約150万人の日系人が現在生活をしている。
日本からブラジルへの移民の歴史は古く、1908年に神戸港から出発した笠戸丸で781人の日本人を乗せてブラジルのサントス港に入港したのが、始まりといわれている。
2008年には移民100周年を記念する「日本ブラジル交流年」として、日本、ブラジルの各地でイベントが開催された。かの有名なリオのカーニバルでも、日本の移民100周年をテーマにしたサンバチームがあり、日本移民、日系人のブラジルでの存在感を示していた。
過去100年以上に渡って、日系人の先祖の方々が築いてきてくださったブラジルでの信頼性が現在にも引き継がれており、「Japones garantido」直訳すると日本人保証という意味の言葉もある。日系人、日本人や日本製品などに対する安心感、信頼感を表す言葉として、ブラジルでは浸透している。
日本がブラジルで改めて存在感を示すための転機が訪れている
日本文化もブラジルには浸透しており、ブラジル人が農業を諦めていた不毛の地であったセラード地帯を開拓し、世界有数の農業地帯に変えることに貢献したが、その際、多くの日本の野菜や果物もブラジルに広まった。また、最近ではマンガやカラオケなどの娯楽関連の文化や、日本食レストランも多く街では見かけるようになった。今では、日本食レストランが1,000軒以上あると言われており、日本の食材店も100店以上ある。
現地での日本食に対する印象はヘルシーで健康的というものであり、日本食=健康というイメージが根付いている。サンパウロ市の一角にはリベルダージ(東洋人街)という場所があり、日本食や日本製品が多く販売されており、観光地としても有名で、週末は日系人だけでなく、現地ブラジル人も多く訪れている。
日本企業のブラジル進出は中国(約26,000法人)やインド(約700法人)に比べても少ない、約400法人といわれており、決して多い数とは言えないが、最近では自動車関連メーカーなどの進出も増えてきている。
2014年サッカーワールドカップ、2016年リオデジャネイロオリンピックを控え、インフラ整備も加速するブラジル。過去ブラジルの発展に貢献してきた日本がもう一度ブラジルで存在感を示す転機が現在訪れている。
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