市場動向 2013年10月18日
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<アジア・クロスボーダー戦略> 経済特区 フィリピン(5)
フィリピンが総額25億ドル(約2,500億円)の大規模鉄道プロジェクトを始動させます。
このプロジェクトは、同国運輸省と官民連携事業(PPP)を管轄するPPPセンターが主導する「ルソン島鉄道総合計画」で、当事業の可能性について調査段階に入ったようです。
ルソン島鉄道は首都マニラを基点に、同島北部ラウニオン州に達する北方線と、同島南部アルバイ州まで伸びる南方線の2路線からなり、1800年代後半の着工から1940年まで総延長1,100キロメートル超が建設された歴史ある路線です。
この計画は、ルソン島鉄道の老朽化が進んだ既存設備の改修や路線を拡張する内容で、北方線の支線を再開し、同島最北部のカガヤン州まで延長することなども視野に入れた大型事業となります。
フィリピン政府は、国内のインフラ整備を成長の柱の一つに位置づけており、好調な経済を背景に、屈指の難事業とされる同計画を進めていく予定です。
もちろん日本もフィリピンのインフラ整備に協力をしています。
今年3月、日本政府は国際協力機構(JICA)を通じて、フィリピン政府との間で2件(総額540億3,400万円を限度)の
円借款貸付契約を調印しました。
今回の円借款は、日本企業の海外事業展開支援と、フィリピンにおける産業空間形成を目的とし、現政権が進めるPPPスキームを通じたインフラ整備の支援を行います。
調印された円借款事業は、日本の鉄道技術や環境保全技術の活用が期待されています。
各事業の概要は以下のとおりです。
(1)マニラ首都圏大量旅客輸送システム拡張事業
目的:
マニラ首都圏における大量輸送システム導入による道路混雑の緩和措置
概要:
深刻な交通渋滞が発生しているマニラ首都圏においては、道路混雑の緩和を図るために、軌道系の大量輸送システムへのモーダルシフトの促進が大きな課題となっています。
主要幹線道路2路線を延伸することにより、両路線の輸送力の増強を図り、道路混雑の緩和、ひいては大気汚染の削減および気候変動の緩和を支援します。
また、本事業で調達する車両に高効率のインバータ等の日本の優れた技術を導入することにより、省エネルギー・省メンテナンス化を図ります。
(2)新ボホール空港建設及び持続可能型環境保全事業
目的:
環境に配慮した新空港建設による航空需要への対応
概要:
中部フィリピン地域のボホール州において、航空需要の急速な増加に対応するため、
現空港に代わり国際的な安全基準を満たし、かつ十分な処理能力をもつ新空港を整備することで、航空輸送に係る利便性・安全性の向上を支援します。
本事業では、「エコ・エアポート」のコンセプトの下、太陽光発電システムの整備や、施工中の空港からの排水による
環境悪化を防ぐために浸透池へのジオテキスタイルシートの設置など、日本の優れた技術を活用することにより、環境に配慮した新空港を整備します。
フィリピンの経済発展を日本の技術力が支えている構図により、親日的な土壌ができあがり、対日の投資優遇措置が施され、国内での商機が順次生まれていく流れがフィリピンにはありそうです。
このことはフィリピンに限ったことではなく、今後ASEAN地域に益々多く見られることになるでしょう。
日本企業は企業の大小をとわず、今こそアジア企業へと、変貌・躍進ができる好機なのかもしれませんね。
それでは、本日の本題に入ります。
今回も弊社「アジア・クロスボーダー戦略コンサルティング・チーム」がまとめます情報を、以下の通り発信させていただきます。
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機能拠点別の投資優遇措置
(1)マクタン経済特区
1979年1月に従前の制度である輸出推進特区として開設された。
セブ国際空港から約500メートル、セブ港から約14キロメートルと交通の便が非常に良い。
150ヘクタール(=東京ディズニーリゾート約1.5個分の広さ)の開発面積を持つ。
進出企業数は約160あり、約6万人の雇用が創出されている。
PENTAX、NECなどの日本企業が進出している。
(2)セブ・ビジネス・パーク(CBP)
不動産開発大手アヤラ・ランド(ALI)傘下のセブ・ホールディングス(CHI)が開発を行った。
開発面積は約50ヘクタールで、情報技術(IT)産業向けの経済区(IT経済区)として認可されている。
CBPで操業する企業は、企業所得税免除(6~8年間)などの優遇対象となる。
海外のIT、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)関連企業が進出している。
アクセンチュア、ウィプロBPOフィリピン、レックスマーク・インターナショナルなどが営業している。
文責)
ホープウィル・グループ
アジア・クロスボーダー戦略コンサルティング・チーム
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引き続きフィリピンの各経済特区の情報をお届けします。
お楽しみに。
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