市場動向 2013年11月08日
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<アジア・クロスボーダー戦略> 経済特区 フィリピン(8)
今回はフィリピンの海外進出時のおける各種関連情報をお届けします。
外国企業がフィリピンへ進出を行う場合、子会社、支店、駐在員事務所などの形態を利用して進出することになります。
ただし、外国投資ネガティブリストに記載された業種については、外国企業の投資が禁止・制限されています。
以下がその概要となります。
(1)子会社
フィリピンで設立された子会社は、本国の親会社とは別の法人格を有し、フィリピンの内国法人として国内の法令に従って運営を必要がある。
フィリピンの会社法によると、過半数の取締役はフィリピンの居住者でなければならないとされ、取締役は最低1株の保有が義務づけられている。
この他、秘書役、財務役を選任する必要がある。
また、一般的に外国人投資家が40%以上を投資する場合は、20万ドルの資本金を払い込む必要がある。
(2)支店
フィリピンに開設された支店は法人格をもたず、国外の本社の一部として位置づけとなる。
ここでの注意すべき点は、法人所得税の計算に関して、本社の所得と支店の所得を切り分けて、支店の課税所得を計算し申告・納付を行う必要がある。
また、最低払込司法金額は、20万ドルである。
なお、最先端技術に関連する活動を行う支店や50人以上の従業員を直接雇用する支店については、最低払込資本額は10万ドルに減額される。
(3)駐在員事務所
外国企業が駐在員事務所を設立する際には、支店と同様、駐在員事務所は法人格を有さず、本社の一部として位置づけとなる。
駐在員事務所では、情報収集・分析、販売促進など限定された活動を行うことが前提とされており、フィリピン国内で所得を得るための活動を行うことができない。
なお、駐在員事務所の最低払込資本金額は、3万ドルである。
その他の形態としては、地域統括本部や地域事業本部の設立が可能である。
続いて進出時における優遇措置についてみてゆきます。
主に投資委員会(以下、BOIと呼称)もしくは、フィリピン経済特別区当局(以下、PEZAと呼称)へ登録を行うことにより投資優遇措置を受けることができます。
その内容は以下のとおりです。
BOI登録企業は以下のような優遇措置を受けることができます。
ただし、法人所得税の免税期間終了後は、通常通り30%の課税が行われることになります。
(1)
法人所得税の免税制度があり、パイオニア企業は6年間、非パイオニア企業は4年間 (最長8年まで延長が可能)が適用される。
(2)
原材料・半製品の購入に係る税金の税額控除制度がある。
(3)
輸入材料・スペア部品に係る輸入関税の免除制度がある。
(4)
輸出税・関税賦課金の免除制度ある。
(5)
労務費の50%の追加控除(登録後5年間に限る)がある。
PEZA 登録企業は以下のような優遇措置を受けることができます。
ちなみに、日系企業の進出に関連する主な登録形態は、製造輸出企業とIT輸出企業の2種類に大別ができます。
(1)
法人税の免税や労務費の追加控除などは、BOI登録企業と同様の優遇措置が受けられる。
(2)
定資産税を除く全ての国税及び地方税が免除となる恩恵を受けることができる。
ただし、法人所得税の免税期間終了後は、売上総利益×4%(地方政府へは1%で計算)で計算される賦課金を国に対して支払う必要がある。
(3)
付加価値税や関税等その他の税金については、法人所得税の免税期間終了後も引き続き支払が免除される。
それでは、本日の本題に入ります。
今回も弊社「アジア・クロスボーダー戦略コンサルティング・チーム」が
まとめます経済特区情報を、以下の通り発信させていただきます。
++++++++++++++++++++
(1)FilinvestTechnology Park
ラグーナに所在し、マニラからの距離は高速道利用で約45キロのところに位置している。
また避暑地として有名なタガイタイより車で10分程度のところに位置している。
Filinvest Land社の100%出資で、敷地面積は約325ヘクタールある。
工業用水、電力供給などの安定したインフラの供給に自信を持っている。
床面積928m2のレンタル工場が準備されており、1m2あたり、一月165フィリピンペソでレンタルを行っている。
また、住宅や、商業施設も周辺施設として整備されている。
(2)Luisita Industrial Park
ラグーナに所在し、マニラからの距離は高速道利用で約120キロのところに位置している。
伊藤忠が40%を出資している。
敷地面積は約300ヘクタールある。
周辺施設としては、住宅、ゴルフ場、ホテルが整備されている。
日本企業としては、住友電工のグループ会社であるInternational Electric Wires Phils. Corp.が投資を行っている。
文責)
ホープウィル・グループ
アジア・クロスボーダー戦略コンサルティング・チーム
++++++++++++++++++++
次回からカンボジアの各経済特区・工業団地の情報をお届けします。
お楽しみに。
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