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海外ビジネス コラム

市場動向 2013年12月08日

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今こそ、日本企業はカンボジアに進出すべき(2)

大谷 賢二(カンボジア マーチャンダイズ コンサルティング オフィス)

 

今年は、日本とカンボジアの国交樹立60周年の記念すべき年である。この60年の間にカンボジアは、多くの変遷を遂げてきた。フランスからの独立、ベトナム戦争によるアメリカからの侵略と勝利、ポルポト派による支配と虐殺、パリ平和条約とUNTACによる監視下での国民投票とその後の立憲君主制の確立。そのような激動を乗り越え、現在は、日本と同じ政体による民主主義国家として、素晴らしい発展を遂げようとしている。

残念ながら、カンボジアの独立と発展に一生を捧げられたシアヌーク前国王は、昨秋崩御されたが、カンボジアの発展は着実に進んでいる。

(1)立憲君主制下の二院制議会のもと安定した民主的政治が行なわれていること。
(2)日本をはじめとする世界のODAやNGOの協力により、電気、道路、通信、港湾、上下水道などのインフラが、整えられたこと。
(3)銀行や証券取引など、金融面での自由な取引が行なわれていること。
(4)外国企業の誘致のための経済特区が整備され、適格投資案件(QIP)と認められれば、特恵関税や起業時から最低3年間の法人税免除など優遇税制があること。
(5)地震、津波、台風などの自然災害が歴史上ないこと。
(6)内外無差別制度により、土地購入以外は、すべて外国人にも開放されており、外資だけで会社の設立ができること。
(7)それらすべてを、平均年齢22.9才という若い世代が支えていること。
(8)中国の賃金高騰に対し、80US$/月と人件費が約5分の1と安価なこと。
(9)そして何より、日本人にとっては、カンボジア人が親日であること。
これらを考え合わせると、中国のリスクを回避するのに、今、カンボジアに注目が集まるのは必然のことである。これまで上のグラフのように日本は安定して最高額のODAをカンボジアに提供しており、それが、カンボジア人の日本に対する信頼や、親日感につながっている。ところが、現実にカンボジアに経済進出をしているのは、中国、韓国、マレーシアなどであり、一番求められている日本からの進出は現状、最も少ないと言える。

とりあえず、ここでQIP(適格投資案件)について詳しく説明する。法人税や、関税について特恵を受けるにはQIPに認定される必要がある。それには以下のどれかに当てはまることが条件である。

輸出産業に100%の製品を供給する裾野産業(10万USD以上)
皮革製品、金属製品、電気・電子器具、事務用品、玩具・スポーツ用品、自動2輪およびその部品・アクセサリー、陶磁器の製造(30万USD以上)
食品・飲料、繊維産業のための製品、衣類縫製、繊維、履物、帽子、非木製家具・備品、紙および紙製品、ゴム製品及びプラスチック製品、上水道供給、輸出向水産物冷凍・加工、輸出向穀類、収穫物加工(50万USD以上)
農業生産:米(1,000ha以上)、野菜(50ha以上)、その他換金作物(500ha以上)
植林(1,000ha以上)
化学品、セメント、農業用肥料、石油化学製品、現代薬の製造(100万USD以上)
近代的マーケット、貿易センター建設(200万USD以上、1万m2以上)
技能開発、技術向上のための訓練を実施する訓練・教育機関(400万USD以上)
国際貿易展示センターと会議ホール(800万USD以上)

 

そのなかでも、とくにカンボジア政府が奨励したい案件は、労働集約型産業、輸出加工型産業、農業および農産物加工、鉱物資源・エネルギー、人材育成などである。

 

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大谷 賢二

(カンボジア マーチャンダイズ コンサルティング オフィス)

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