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海外ビジネス コラム

市場動向 2014年01月01日

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香港とシンガポール

堀 明則(Hopewill Group)

中国へのゲートウェイである「香港」、東南アジア・西アジアへのゲートウェイである「シンガポール」。

弊社に寄せられるお問い合わせのうち、上位にランキングされるお問い合わせは次の通りです。
「香港と、シンガポール、どちらへの進出がよいでしょうか?」

このご質問に際して、香港とシンガポールそれぞれの機能、つまり中国へのゲートウェイとしての香港の能力の高さ、東南アジア・西アジアへのゲートウェイとしてのシンガポールの能力の高さ、これらをご説明させていただき、いったいどの地域への進出をお考えであるかの未来図をまずは明確にしていただくようにしています。

外から見るに香港とシンガポールは非常によく似ていますが、いくつかの大きな違いがあります。
今回は、その違いについて発信させていただきたいと思います。

まずはゲートウェイとしての機能について。
これは上述の通り、香港は中国へのゲートウェイとして機能が充実しており、シンガポールは東南アジア・西アジアへのゲートウェイとして機能が充実しています。
日中問題に明け暮れた2012年。
中国への投資意欲は以前よりも冷静さを取り戻し、中国一辺倒への見直しが方々できかれる話題です。
しかし目下の巨大市場。
中国から撤退というわけにも行かないでしょう。
そのようなときに香港を活用した「ビリヤード(玉突き)進出」が大変有効です。
中国ビジネスの基本的かつ重要な座組みを香港で仕上げてしまい、中国には香港から進出し、香港人や台湾人のパートナーと市場開発を進めてゆく。
これは大変に有効です。
香港・中国間には、香港企業に与えられた優遇政策もありますので、これをうまく活用することも有効です。
もちろん、香港は租税上のメリットがふんだんにありますので、事業資産の管理地としての安定性は抜群によいわけです。
一方のシンガポール。
こちらは香港と比較し、東南アジア諸国との租税協定の充実度が違います。
つまり東南アジア・西アジアへの進出における統括機能は、シンガポールが非常に優位性を持つわけです。
シンガポールも香港同様に租税上のメリットが大きいわけですから、東南アジア・西アジア各地で稼ぎ出した事業資産の管理地としての安定性は申し分ありません。
アジアのどの国に進出をしてゆくかにおいて、ショーケース機能、統括機能となりうる香港、シンガポールのいずれを選択するのかと言う話になるわけです。

続いて、国家(香港は特別行政区ですが)としての「運営方針」について。
香港はいわゆる完全自由市場、自己責任経済体制を敷いています。
これをレッセフェールと言います。
政府は必要最低限のルールを決めますが、後は民間自治、自己責任にすべてをゆだねると言うものです。
これが故に、香港は政府が非常に小さく、シンガポールよりも租税が少なくすみます。
所得税率はほぼ同じですが、香港には消費税がありません(シンガポールは7%)。
自己責任であるわけですから、政府は基本的には干渉しない代わりに、企業支援の施策はきわめて限定的です。
企業はみな自分の力で生き抜いてゆき、人々は自分の力を磨き生き抜いてゆきます。
香港にこられたことのある方はお分かりになられるかともいますが、香港が持つ強烈な人々の熱気、エネルギーの源は、おそらくこの「自己責任」が作り上げているのではないでしょうか。
がんばったらがんばっただけ、なまけたらなまけただけ、と言うわけです。
一方のシンガポール、こちらは計画経済であり、きわめて独裁的に指導者がルールを決め、このルールに国民を従わせる形で成立しています。
今では外からシンガポールを見て、シンガポール人への過保護が話題になるくらい、シンガポールは統制国家であるわけです。
当然、政府は何かと経済活動に介入をするわけですが、一方で企業への支援プログラムも充実しており、国家が「株式会社シンガポール」として積極的に事業を展開して行くわけです。
この自由さと、独裁制の違いが、外国人が会社を設立し、これを運用してゆくときの使い勝手にもきいてきます。
会社を作る、まわす、と言う点において香港は非常に容易であるわけです。

今後も折に触れ、両地域の違いをお伝えさせていただきたいと考えています。

アジアを面でとらえる時代です。
「香港シンガポール、どちらがいい?」と問われると、私は「両方必要」と即座にお答えします。

このコラムの著者

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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