市場動向 2014年01月12日
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「ハラル(イスラム市場)」 ブルーオーシャンへの大きな期待』
私たちが発刊をさせていただいているイスラム市場専門情報誌「月刊イスラム市場」。
おかげさまで今月の発刊をもちまして、創刊1周年を迎えさせていただきます。
お問い合わせも日をおうごとに増えており、同市場への関心と期待の高さを改めて実感しているところです。
第二次世界大戦以降、日本経済は奇跡的復興と飛躍を遂げてきました。
人口増大、所得激増、インフレーション、内需拡大、日本円の切り上げ、アジアにおける巨大消費市場はまさに「日本そのもの」であったわけです。
しかしバブル経済が崩壊した1990年以降、様子が一変しました。
日本人自体が、バブル経済崩壊そのものを、日本国内の景気循環のひとつとしてとらえ、その破壊力は大きかったものの、「そのうちいい時もくるさ」と、過去の経験に基づいた未来予想でやや楽観的に「過去延長型」で対処した1990年代の最後の10年でした。
その後、「これはどうもおかしいぞ」ということがいよいよ真剣に議論されるようになるには10年ほどの時間を要することになります。
「失われた10年」ですね。
今では世界から日本経済をさして「失われた20年」と揶揄されるにいたっています。
日本経済が内需で潤った過去と比較し、世界のパラダイムがまったく変わってしまったのですね。
残念ながら、日本は苑変化をキャッチアップすることができず、未だに大いに苦戦を強いられているわけです。
日本経済という池にいたドジョウは、別の池へと移動してしまいました。
しかし、その事実をにわかに認める事ができず、ドジョウのいない池で、「いつかドジョウももどってくるだろう、以前にはあんなにもドジョウがいたのだから」と信じ、そのときを待ってきたのです。
2000年の初頭、「どうも様子がおかしいな」と日本を離れ、外の市場に確認に向かう人がちらほらと現れ、「これはどうも世界経済の地図が一変したらしい」という認識が一度に広がってゆきました。
中国の安価な労働賃金で安くモノを作り、先進国経済圏(=日本市場)で高く売りそのサヤを抜くというビジネスモデル一辺倒の中国との係わり合いが、勃興する中国の消費市場を経済圏として取り込まねば、という機運の高まりへと変化してゆきました。
そして「中国への進出をするかしないか」という議論がきわめて一般的なテーマとして取り上げられるようになりました。
世界が中国を目指した結果、中国市場の開拓はいまでは激戦区となり、世界経済は中国のカントリーリスクと共にするにいたりました。
そのような状況下、出てきたキーワードは「チャイナ・リスク」、そう中国一辺倒へのリスクについての議論です。
これは二面性があり、ひとつは製造拠点が中国に集中していることのリスク、もうひとつは中国消費市場の成長頼みのリスク、この両面をさして「チャイナ・リスク」と表現されていると捉えています。
私の理解では、ちょうど世界がリーマンショックを経験したころからでしょうか、「チャイナ・リスク」をヘッジするために「チャイナ・プラス・ワン」がしきりに議論されるようになってきたように感じています。
結果、アジアの勃興は中国を飛び出し東南アジアへと飛び火してゆくことになります。
おりしも東南アジアでも民意が力をつけ、一党独裁政権や軍事政権は、その封建的管理体制から、国民との融和政策・開放政策へと舵をとってゆくところ、中国のリスクを分散させるための行為は、この東南アジア諸国の開放路線とマッチし、アジア全体の経済を持ち上げてゆくことになりました。
アジアを南下した経済の発展は、今アジアを西に向かおうとしています。
「Go West」、まさに進路を西にとり始めています。
西にむかうほどに、これまでと違う経済条件が待ち構えています。
それが宗教、つまりイスラム経済圏との対峙です。
現状、十分な認識と市場への理解がなされていないイスラム経済圏。
ただいまその人口は18億人規模で、今後も拡大を続けます。
日本が積み上げてきたすばらしい製品や商品、そしてサービスを、この経済圏にマッチさせてゆくことができるなら、目の前には広大なブルーオーシャンが広がっていると言えるでしょう。
イスラム市場(ハラル市場)は、これからの日本経済が大きな大きな関わりを能動的に持たねばならない市場であると考えています。
世界のトラベラーにフレンドリーな環境、日本はこの環境を整備することにより、観光立国できます。
宿泊施設、観光名所、飲食関連、移動手段、美容、健康、アミューズメント、なにもかもがその対象で、観光適地化とはまさに国家プロジェクトですね。
東京オリンピックへの準備がその契機となれば何よりですね。
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