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市場動向 2014年02月06日

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今こそ、日本企業はカンボジアに進出すべき(5)

大谷 賢二(カンボジア マーチャンダイズ コンサルティング オフィス)

経済特区(SEZ)も次々と建設が続いており、日本のODAで建設された唯一の深海港シアヌークビル港に隣接した経済特区にやっと王子製紙が入居し、今年3月18日から操業を開始した。首都プノンペンからの国鉄がシアヌークビル駅まで開通すれば、輸出入の物資輸送などの需要はますます高まるだろう。近隣の中国の経済特区SSEZにはすでに30社が入居、日本企業のIZUMI(テレビフレーム製造)ASLE ELECTRONICS(ワイヤーハーネス製造)も入居している。プノンペンの経済特区に至っては、ミネベア(小型モーター製造)、味の素、O&M(革製品)、SUMIカンボジア(ワイヤーハーネス)など日本企業だけでも30社が入居、生産活動を続けている。

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また、シアヌークビルと同じ海岸沿いにステンハウという経済特区が建設中で、いずれこちらにも深海港がつくられるという。これら経済特区では前述の特恵関税、法人税タックスホリディに加え、VAT(付加価値税)の免除や、入居に関わる役所がすべて経済特区事務所内に出張し、ワンストップサービスですべての手続きを短時間に終えるサービスを受けることができる。これは、日本でも考えられない素晴らしいシステムだ。

金融に関しては、流通している通貨は90%以上がUSDであり、預金に至っては97%がUSDである。日本人にとっては現地通貨リエルに変える必要がなく、為替リスクも少ない。預金金利は銀行によって異なるが1年定期でほぼ5~7.5%、貸出金利は年15~16%である。現在、商業銀行が38行あり、政府としてはこれ以上増やさない方向である。日系は、東京・三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行が事務所をつくっているが業務は行なっておらず、プノンペンコマーシャルバンク(80%の株をSBIが取得)とマルハンジャパンが窓口業務を行なっている。カンボジアでは、何といってもドルの無制限送金自由というのが大きな魅力である。

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カンボジアはベトナムとタイの間に位置し、南部経済回廊の中心としての役割を果たすべく、日本のODAによりメコン川にネアックルン橋を建設中で、これが完成すれば、ベトナム~カンボジア~タイ~ミャンマーが一本でつながり、物流は飛躍的に大きくなる。発電所も火力1基、水力5基が建設中で、間もなく送電を開始する。その意味でも、親日で民主主義の国カンボジアは、日本企業が今、ビジネスチャンスを掴むのに最も適した国だと言えるのである。

アメリカの国家情報会議(NIC)は、今年5月10日、2030年には政治・経済におけるアメリカの一極体制は終焉を迎え、同時に、西欧や日本の経済も低迷するという予測を発表した。そこで台頭するのがアジアであり、アジア総体の経済力が欧米を抜き去るという見解を出している。そのなかには中国・インドはもちろん、ASEAN諸国―とくに現在後発開発途上国(LDC)と呼ばれているカンボジア、ラオス、ミャンマー、バングラデシュなどの国々の今後の発展も折り込まれている。

今後の日本の発展は、これらの国との互恵の関係づくり、日本の資金力や技術力と相手国の安価な労働力や豊かな自然を活かした相互発展の精神に基づくパートナーシップの構築にかかっていると言えよう。

 

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