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海外ビジネス コラム

市場動向 2014年02月26日

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『やはりキーワードは海外経済特区』

堀 明則(Hopewill Group)

インドネシアのバタムに行ってきました。
弊社のお客様の現場があるため、その現場支援のためのバタム入りです。
ちなみに、バタムとは以下のような地域です。

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バタム島は太平洋とインド洋をつなぐ国際船路、マラッカ海峡の入り口にあり、
世界的にも船舶の出入りが最も多いと言われるシンガポール
並びにマレーシアのジョホール・バルと向かい合う戦略的な位置にあります。
シンガポールからは東南に20キロメートル、フェリーで僅かに60分の距離です。
バタム島の面積は約415平方キロメートルですが、開発の進展とともに土地需要が拡大した為
1993年に他の二つの島レンパン島・ガラン島と周辺の小群島を結ぶ6つの美しい橋を含む縦貫道路を建設しました。
この橋で結ばれた島々を一括してバレラン地域とも呼びますが、総面積はシンガポールの1.16倍・淡路島の1.2倍に相当する715平方キロメートルとなりまた。
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(インドネシア共和国バタム工業開発庁ホームページより)

上述の説明の通り、まさにシンガポールとは目と鼻の先です。
香港にたとえていうなれば、深セン市や珠海市のような距離感覚です。
東南アジアの金融、物流のハブとして確固たる地位を保持するシンガポール。
シンガポールは大変に高コストな国(地域)ではありますが、そこから船で1時間もゆけば、まったくの別世界が広がっています。

新興市場は外国企業にとって進出が難しい、あるいは様々な規制が多いと、なかなか難易度の高いところです。
しかし安価で豊富な労働力や、安い不動産が魅力であるわけです。
新興市場を抱える国家は、規制撤廃をすることはできないが、それでもやはり多くの外国資本からの投資を受け入れたいわけで、そこで活躍するのが経済特区です。
経済特区は、特別ルールで運営され、法人登記上の制限や、様々な税制優遇(保税措置など)が準備されています。
外国資本は、まず安価な労働力と、安い不動産を活用し、自社利益を拡大させるために、この経済特区を活用することが多いわけですね。

話をバタムに戻します。

海峡を挟んで目と鼻の先に、世界への物流ルートを保有するシンガポールが存在します。
バタム側は比較的安価な労働力と不動産を提供することができます。
ここでシンガポールとバタムそれぞれの機能が補完関係を生み出します。
物流に優れたシンガポール側で製造に必要な資材が調達され、
それが船でバタムに持ち込まれます。
持ち込まれた資材を活用し、半完成品や完成品が組み立てられてゆきます。
半完成品や完成品は、バタムからシンガポールに戻され、シンガポールの物流網により市場や次工程に流通されてゆくわけです。

バタムの工業団地で特に目立つのは日本企業の存在です。
住友、エプソン、ソニー、パナソニック、日本電産、などなど。
これらの企業に資材を供給してゆく企業の工場も周辺に立ち並びます。
すばらしいことですね。
そこでは日々シンガポールから資材を受け入れ、日々シンガポールに向けて製品が輸送されてゆきます。
インドネシア政府も、このシンガポールのインフラを借りる形でのバタムの魅力を諸外国に向け発信しています。

このメールマガジンでよくお伝えさせていただくことですが、海外進出において、経済特区を活用してゆくというコンセプトはとても大切です。

シンガポールはひとつの国家であるわけですが、小さな小さな地域ですので、見方を帰れば「金融・物流経済特区」と言うこともできます。
バタムはシンガポールのインフラによる優位性を保ち、精密機械などの「加工・アセンブリー経済特区」の様相です。

事業活動に必要な機能ごとに、最適な経済特区を検索し、そこに適宜配置を行ってゆく。
国家単位ではなく、経済特区単位で進出拠点の査定を行う。
アジア地域における関税撤廃措置などにより貿易自由度があがってくると、ますます経済活動における政治国境のもつ意味が薄くなってゆき、機能性特区・経済特区の存在が際立ってくるのではないかと思います。

シンガポールまでお出かけの際には、ぜひバタムまで足を伸ばしていただき、「社会システムと機能性」の「ギャップと補完関係」を感じてみてください。

このコラムの著者

堀 明則

堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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