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海外ビジネス コラム

市場動向 2014年05月21日

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【ベトナムの真実(5)】現地でしか感じられない緊張感と想像力

福森 哲也(株式会社リンクグローバルソリューション)

南シナ海をめぐって、中国とアセアン諸国、特にベトナムとの間で摩擦が生じていること/アセアン外相会議で親中派と反中派の亀裂が深まったことが、日本の新聞でも報じられています。ハノイで反中デモが起きていることも記事になっていました。ホーチミンで色々な話の流れで、私が最も信頼するベトナム人(30代後半)に“ハノイのデモ”について聞きました。なんと彼は知りませんでした。デモのニュースは国内では流れていないのです。でも、それ以上にビックリしたのは、彼が真顔で『いつ中国とベトナムが戦争状態になってもおかしくないと思っている。起きた時を想定した準備も必要だと思う』と語ったことです。

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一番高いビルから見たホーチミンの街並み(筆者撮影)

日本でも尖閣諸島をめぐる日中摩擦が“小さな”囲み記事になっています。中国の対外進出や海洋進出の野心・手段を選ばないやり方もそれなりに伝えられています。でも、日本と中国や、アセアン諸国と中国が本当に戦争状態になることをイメージしている日本人がどれほどいるでしょうか?ベトナム人の友人(本当に知恵も知識もユーモアもあり、温厚で女性に優しい紳士)が続けました。『昔は、21世紀には本格的な戦争は起きないと思っていた。でも、最近の中国の動きや、何もしない/できない国連を見ていて考えを変えた。戦争になったら若い人から徴兵されるが、年齢は関係ない。国や家族や子供を守るために、自分も戦場に行くし戦う。日本のような大国には何もしてこないかもしれないが、ベトナムやフィリピンのような弱い国には何でもしてくる。もともとベトナムは自分の領土だと思っているはずだし。。。』。

日本でも最近、“有事の備え”や大災害などを想定したコンティンジェンシープランの重要性が叫ばれています。中国がベトナムと戦争状態になったら、日本経済やアジア経済、世界経済はどうなるのでしょうか?中国に隣接した北部の工場はすぐに止まります。中国サイドとの関係がこじれたら、中国の日本企業の活動も当然おかしくなります。中国やベトナム、周辺諸国の日本人の安全は確保されるのでしょうか?その時に何党の誰が総理大臣なのか。。。

『グローバル経済の恩恵を中国も含めて甘受している昨今戦争なんて愚かなことは起きない』と、なんとなく(根拠もなく)信じている日本人。今のように世界経済全体が低迷し、グローバル経済の恩恵が十分に甘受できなくなると。。。日本に閉じこもっていてはわからない緊張感を感じて、想像力を働かせると、色々と考えておかなくてはならないことも増えるはずです。

 

このコラムの著者

福森 哲也

福森 哲也

(株式会社リンクグローバルソリューション)

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