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市場動向 2012年07月20日

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市場規模5 兆ドル、40 億人のBOP市場の戦略とは!?

堀 明則(Hopewill Group)

BOPとはベース・オブ・ピラミッドの頭文字です。

ベース・オブ・ピラミッド層(以下「BOP層」)とは、貧・極貧層をさします。
世界の人口の過半数を占める40億人が低所得者層にカウントされています。

BOP層の定義としては、
「一人当たり年間所得が3,000米ドル以下の世帯」とされています。

各国の低所得層の日当たり賃金を見てみます。
・ブラジル3.35米ドル
・中国2.11米ドル
・ガーナ1.89米ドル
・インド1.56米ドル
このような統計データがあります。

今現在世界の中間所得層市場をめぐる競争は熾烈を極めつつあります。
中間所得層14億人市場の12兆5,000億ドルが魅力なのです。

しかしこの競争の激化から、昨今注目されるようになっているのが「BOP層市場」ですね。

BOP層の購買力は5兆米ドルとも言われており、実は大変に大きな市場なのですね。

実にアジア人口全体の83%を占めるBOP層。
東ヨーロッパは人口の64%。
ラテンアメリカは人口の70%。
アフリカにいたっては人口の90%をBOP層が占めています。

このBOP層市場へのアプローチの成功例を見てみたいと思います。
それは通信市場、つまり携帯電話に関するものです。
2000~2005年の間に開発途上国の携帯電話契約者数は5倍に増え、実にその数は14億人に達しています。
特にサハラ以南のアフリカ地域の増加率が最も高く、ナイジェリアの契約者数はった4年間に37万人から1,680万人に増加したとのこと。
信じられないような増加曲線を描いていることになります。

今のアフリカでは携帯電話のキャリアネットワーク、および実店舗ネットワークを活用した「出稼ぎ先から家族とその送金インフラ」として欠かせないものになっています。
そして徐々に金融サービス産業へとアクセスしてきている状況です。

CELTEL社などは、事業開始からわずか7年間で電気通信分野の巨人となり、2004年に34億米ドルで買収され、現在はアフリカ15カ国で携帯電話事業を展開し、大陸の30%をカバーするという驚異的な躍進ぶりです。

先だってある欧米企業の社長とミーティングを持つ機会がありました。
こちらの企業は弊社のクライアントなのですが、あるコンシュマー製品を製造されています。
こちらの社長がBOP層市場への挑戦をほのめかされたのです。

社長の考える戦略は、『商品のクオリティを調整し、セカンドラインのブランドを創り、これをBOP層市場用とする』でした。

私はこのアイデアもひとつの戦略として認めつつ次のような提案をさせていただきました。

それは、『クオリティレベルは極力現状維持をさせ、パッケージ戦略でアプローチすべき』というものです。

クオリティレベルを完全に現地最適化させ、必要十分な完成体を創ることも一計ではありますが、BOP層市場における消費者の問題は、その日の生活のやりくりです。

現状のパッケージで15日持つものではなく、数日分をおぎなえる「小分けパッケージ」、あるいは「計り売り」方式が、市場の生活・消費実態をより踏まえた製品開発といえるのではないか、とお話をさせていただきました。

新興国の多くの地域で目にするタバコの小分け売り。
一箱を売るのではなく、それを小分けにし1本単位で売っているのを目にします。
一箱を買うには手持ちも厳しくなるけれども、どうしても吸いたいタバコに1本であれば何とか手を出せると言うわけです。
そして吸いたくなる都度、1本を買い求めます。

インドで洗剤を小分け売りして成功している例もあります。

これからは、このBOP層市場についてもよく研究をせねばなりません。
BOP層を抜け出し激増する中間層市場があるわけですが、
それでも上述の通りBOP市場は巨大なのですね。

この市場に適した戦略とはなにか?
こういうことを考えるだけでも、
世界経済とつながってゆけるような喜びを感じることができますね。

皆さんはいかが思われますか?

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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