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市場動向 2014年06月19日

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フィージビリティスタディ(F/S)は万全か? 海外進出の失敗には「調査不足」という共通点がある

大久保 秀夫(株式会社フォーバル)

なぜ落とし穴にはまってしまうのか?

海外進出の落とし穴にはまってしまう企業には、ある共通点があります。それは、きちんと手順を踏んだ調査ができていない、ということです。これは、どの国に進出するにしても同じです。例えば、カンボジアなどでは規制が厳しくないこともあり、すぐに進出することが出来ます。そして1年2年で撤退してしまう……、そういったケースが飲食業などを中心に目立ってきています。

やはり、慎重にフィージビリティスタディ(F/S)を実施してから進出をしないといけません。商工会議所で調べたのですが、1995年以降は海外に進出した企業よりも、撤退した企業の数のほうが多いのです。ここをなんとかしなければいけません。行って戻り、行って戻りを繰り返しても日本の経済は豊かになりません。そこで、なぜそういったことになっているかについても調べました。そうするとF/Sがしっかりできていないということが浮き彫りになってきたのです。

しかし、F/Sにきちんと時間をかけるには、お金が必要だという課題もありました。そこで、外務省や経産省に掛けあい、F/Sのための助成金をつくるべきだということを提言させていただきました。そしてJICAを筆頭に今の制度ができました。中小企業のみなさんが国のお金を使ってF/Sを十分にできるということになったのです。その甲斐あって以前よりは慎重に時間を掛けて調査をした上で、進出する企業が増えています。本コラムの読者の方にも是非知っていただきたい制度です。

さて、海外進出はとにかく、F/Sがキーになります。その上で、適した工業団地・事務所を借りて、許認可申請をして、ちゃんと人の採用をして……と、ひとつずつきちんと手順を踏まないといけません。その出発点「F/S」とは、プロジェクトの実現可能性を事前に調査・検討することで、「実行可能性調査」「企業化調査」「投資調査」「採算性調査」とも呼ばれております。色々な情報を収集し、自社の製品やサービスをその情報と照らしあわせて、実現可能性を検討していきます。企業によっては、レンタルオフィスを利用して、一人の駐在員に調査をさせることもあります。また、専門的なノウハウを持った支援企業のサポートが必要ですが、どこに依頼するかの見極めも重要になってきています。最近では海外進出を支援する企業が増えてまいりました。ニーズの高まりがあるということなので、非常にいいことなのですが、中にはトラブルを起こしてしまう企業などが出てきました。

信頼できる海外進出サポート企業を探すためには?

その対策として、商工会議所では、中小企業国際展開アドバイザー制度を作りました。今は200社くらいの登録があります。その時に作ったルールは、法人であること。調べてみると、問題を起こす割合が高かったのは、個人のコンサルタントでした。できないのにできると言って放り出してしまったりとか、いなくなってしまったりというのがトラブルとなってしまうのですが、法人であれば担当者が問題を起こしても組織としてきちんと対応してくれます。

ただ、それでもトラブルはゼロになっていません。例えば、2,3人で会社を作り、安くサービスを提供する企業があります。「フォーバルの半値でいいですよ!」とすると、安いほうがいいということでそっちにお願いするケースも出てくるかと思います。

安いところで本当に許認可が取れるのだったらいいと思います。そのかわり、どれだけ時間と手間がかかるかをしっかりと考えておかないといけません。結局、そこに関わった日系企業さんが一番大変な思いをします。海外進出というのは大企業にとっても中小企業にとっても大きな決断です。引き受けたら責任を持って欲しい。だからJETROやJICA、Digima〜出島〜のようなところが、情報を持ち注意勧告してもらわなければと思います。企業は社運をかけて進出するわけですから。最近、少しそういう悲しい事象も増えております。

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