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海外ビジネス コラム

法律・制度 2014年07月02日

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自動車産業や専門学校…、ベトナム、インドネシアでのビジネスチャンスとは?

大久保 秀夫(株式会社フォーバル)

内需だけで年間100万台も車が生産されて売れていく国

「今、注目している国はどこですか?」

そうした質問を受けることが多いのですが、私はASEANとお答えしています。2015年の経済統合によって、EUと同じように一個の大きな経済圏になるわけですから、ASEANは非常に面白い。また、親日性が高く、日本びいきです。東アジアと日本は色々な政治問題がありますが、それにくらべると東南アジア諸国は非常に親日的です。経済統合によってマーケットも非常に大きくなる。そう考えると私はそこが大きなチャンスではないかと思っています。

さて、国ごとに細かく見ていくと、いま一番面白いのは「インドネシア」です。2億4000万の人口というのは非常に大きい。実は、インドネシアという国はリーマンショックで一番影響を受けなかった国なのです。天然資源があり、内需がある。例えば、車が内需だけで年間100万台も生産されて売れていくというのはすごい国です。そのため、今自動車産業がトヨタを筆頭にこぞって進出しているのがインドネシアです。

そう考えていくと、私は製造業であれば、インドネシアを迷わずにターゲットにすべきだと思います。若年層も非常に多いですから、化粧品・アクセサリー・美容・エステ・ネイル・ファッションなども有望です。昔の日本のように所得が増えるにしたがって、健康、美容、美白への注目度は上がっています。製造業にとっては、とても魅力のある国だと思います。

ベトナムでは今、専門学校が求められている

時間軸で追っていくと、次に面白いのはベトナムです。この国は近々かならず人口一億人を突破していきます。ここもやはり大きな経済圏であると思います。ただし、インドネシアの市場と比べると、まだ5年くらい差があります。その半面、賃金を考えた時には、インドネシアは高くなってきていますから、製造コストを下げられるのはベトナムになってきます。

さらに魅力的なのは、約200ヶ所の職業訓練校があることです。200ヶ所というのはすごい数字です。自動車、電気、機械と色々充実しています。ですので、製造業の進出企業は、今であればベトナムとインドネシアの二股をかけています。その上で、どちらがいいかというチョイスをします。自動車産業は8対2でインドネシアに行く。それ以外の製造業はベトナムを選ぶことも多いのです。また、ハノイ工科大学、ホーチミン工科大学といった非常にレベルの高いIT系の大学もあり、オフショア開発業者といったIT関連の進出も増えています。

サービス・小売業に関しては今後重要になってくるのは間違いないですが、ベトナムは、サービスという概念があまり根付いていません。そのため、サービスがいいから売れる、というわけではありません。そもそも、サービスが悪いということに気づかないのです。無いのがあたりまえだと思っています。だから、あったらいいという発想にまで至らないんですね。そのため、サービス業などに関していうと、「勉強させる」というワンステップが必要になります。

そこで、いまベトナム政府が求めているのは、専門学校です。歯科衛生士でもいいし、自動車板金工でもいいし、ネイルの学校でもいい。とにかく専門学校を連れてきて欲しいということを言われます。その先に何が起きるかというと、技術と同時に顧客サービスという概念を学校で学ぶことができるようになるのです。つまり、技術者が増えるのと同時に、「サービス」を知っているお客さんが育つということになります。

ですので、ベトナム政府は、専門学校であればどんどん許認可を出す方針のようです。専門学校を経営している企業はベトナムに行ったらビジネスチャンスはかなりあると思います。そして、これが増えていくとサービス業のクオリティも上がり、卒業生がサービスにお金を使うようになっていく。そうすると、日本クオリティの良さも際立ってくるという流れになります。

ただ、日本の食については今すぐにでも勝負できるでしょう。先日、イオンがホーチミンに進出したのですが、長蛇の列ができています。日本の食べ物に対する人気は凄まじいものがあります。どんどん生活水準が上がっていく中で、人間は安心したものを食べたいという欲求が出てきます。日本にはJASマークがあり、日本の食品は安心という考え方がベトナムでは浸透しています。実際、日本のスーパーはすごい人気を獲得しています。

さて、次回はカンボジアとミャンマー、そして新たなトレンドとしての「国境」について述べさせていただきます。

このコラムの著者

大久保 秀夫

大久保 秀夫

(株式会社フォーバル)

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