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生活・文化 2014年07月04日

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2015年「ASEAN経済共同体」に向け、ASEANについて総ざらい

堀 明則(Hopewill Group)

先発の国家がもつリスクやデメリットを後発の国家が担保

東南アジア諸国連合、ASEAN。この連合体に参加する国は10カ国。ミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム、カンボジア、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ブルネイです。

このASEANの基本情報は次の通りです。

【人口】 5億9,791万人(日本1億2,782万人)
【GDP】 2兆1,351億ドル(日本5兆8,672億ドル)
【面積】 448万km2(日本38万km2)
【貿易額(輸出入合計)】 2兆4,925億ドル(日本1兆6,785億ドル)
(2011年、外務省データより)

この「東南アジア諸国連合」は、2015年にはさらに連携を強め、市場統合を見据えた「ASEAN経済共同体」(AEC)へと展開してゆくことになります。人口ピラミッドが正三角形のこの地域には、豊富な労働力と、巨大な潜在内需市場が存在します。この労働力と内需を目指し、日本企業はいうに及ばず、世界中の資本が同市場への参入を加速させています。

ASEAN諸国の状況には凸凹がみられます。先行して積極的に外資を受け入れてきたマレーシアなどは、すでに一人当たりGDPが10,000米ドルに達し、「ミドル・インカム・トラップ」というゾーンにさしかかっています。このゾーンは、先行の国家と、追随する後進の国家の板ばさみにあり、国家経営としての転換を求められる水域になります。

タイにいたっても人件費の高騰と通貨高の二重苦が露呈を始めています。中国が経験していることは、早晩ASEANの諸国にも波及していくというわけです。そこで注目されるのが「ASEAN経済共同体」になります。

これは上述先発の国家がもつリスクやデメリットを、後発の国家、例えばミャンマーやラオスが担保することにより、域内分業を促進させ、結果経済共同体域内全体での底上げを実現させてゆくという目論見です。国家経営における経済活動からの影響はすさまじいものがありますね。この経済国境の概念をよく理解し、アジア戦略を推進してゆく必要があります。

同地域に進出している日本企業関係のホットなニュースは、もはや連日新聞紙面などで報じられるにいたっており、それは以前の製造業一辺倒から劇的に変化し、小売からサービスにいたるまで、とにかく幅広い業態が進出を進めています。ゼロからの出発ではなく、「有り物」を調達する、つまりM&Aによる市場獲得や事業立上げのための時間短縮を進めるケースも大変に増加しています。

今後はアニメ、ファッション、フードなどの日本文化(カルチャー)を輸出する「クールジャパン戦略」の推進により、よりリテールへの訴求活動が活発になってゆくのでしょうね。

アセアン諸国10カ国はどのような国家なのか

これらアセアン諸国10カ国はどのような国家なのか、理解を深めてみたいと思います。

<フィリピン>
何と言っても人口1億人をかかえる「英語」国家、これがフィリピンに強みですね。
一人当たりGDPは3,000米ドルにさしかかろうとしており、内需が一気に膨れ上がるボーダーラインまできています。平均年齢32歳のこの国は再生を果たす前夜までさしかかっています。

<インドネシア>
ASEAN域内の人口とGDPの40%を占める最重要地域です。貿易は天然資源が大部分を占めており、産業のポートフォリオの再構築が急務ですね。

<タイ>
ASEAN域内において、日本企業がもっとも積極投資を行っている地域でしょう。政治対立が同国家のリスクになりますが、それでも「親日」と、自動車産業の集積により「鍛え上げられたサプライチェーン」、この2つの魅力は今後も色褪せることはないのではないでしょうか。

<マレーシア>
上述の通り、「ミドル・インカム・トラップ」真っ只中の国家。
同国は国家経営における特徴を「イスラム市場のゲートウェイ機能」に求めており、「ハラル市場」「イスラム金融」関連産業の集積を進めていますね。

<ベトナム>
人口が9,000万人を超える大きな国家です。法人税率の引き下げも魅力となってきており、チャイナ・プラスワンをどこまで引き込めるか、楽しみな市場ですね。

<ミャンマー>
同域内における最後発の国家です。日本においても「ミャンマー」という声はよくきかれますね。
中国とインド両国との国境を有することが、この国のキーのひとつです。

<カンボジア>
労働力・通貨高というタイリスクを担保する要所。タイとカンボジアは補完関係におけるワンセットと紐解くとよく理解ができますね。

<ラオス>
ここは水の国、水力発電です。タイの発展が、同国からタイへの売電事業を加速させます。
またカンボジア同様にタイリスクを担保する地域でもあります。

<ブルネイ>
人口40万人の富裕国家。とにかく石油・ガス資源の恩恵を受ける国です。最近では資源一辺倒から、未来政策として「イスラム市場関連産業」また「農業関連産業」、加えて「観光関連産業」これからの開発にも力をいれていますね。

シンガポール含め、本当に様々な顔を持つ同地域、目が離せませんね。

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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