生活・文化 2014年07月07日
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【ベトナムの真実(10)】政治の季節は終わった?!
5年に一度の中国共産党大会の裏で繰り広げられた壮絶な権力闘争が、日本では連日トップニュースでした。中国と同じ共産党1党支配の国ベトナムでも、5年に一度共産党大会で次の権力構造が確定します。全国民の数%に過ぎない共産党員の権限と利権は強大で、激しい権力闘争や足の引っ張り合い(有力者の親族がやっているグレーなビジネスが急に摘発されたり)が繰り広げられ、TOPの権力構造が確定するまで下の人事や権力構造が固まらないので、政治的な要素のある案件は全てストップしてしまいます。
ベトナムでは、昨年がその権力闘争の年でした。「人民の意思、幸福や平等を重視するベトナム流社会主義(ホーチミン思想)」の下で、中国に比べるとバランスを重視した意思決定がなされる傾向がベトナムにはあります。昨年はズン首相が経済運営の失敗の責任を取って退陣するかどうかの権力闘争が、ギリギリまで行われていました。最終的にズン首相が続投し、2012年は新体制が気合を入れて景気対策等するはずでした。なのに、中国の話題の影で、ズン首相とサン大統領(国家主席)の権力闘争が2012年も続いていました。ベトナムでは、大統領(国家主席)が対外的な国の代表で、首相が内政を牛耳っています。二人に共産党書記長を加えたトロイカが権力の中枢になります。
ズン首相のファミリーと取り巻きの経済人の利権や国の経済状況とはかけ離れた経済的繁栄に対して、比較的潔癖と言われる大統領(国家主席)一派が攻撃をしかけていました。首相の取り巻きの上場銀行の創業者や元頭取が逮捕される事態にまで発展。ぼろぼろの株式市場は、さらに追い討ちをかけられてしまいました。金融グループを率いていたズン首相の娘さんもそのポジションを降り、海外に逃げようとして空港で止められた経済人の噂もかけめぐっていました。「首相側の反撃で大統領に近い経済人が逮捕されるのでは」というような噂も流れ。。。中国に負けない厳しい闘争がずっと続いていました。
当然ながらその間の経済対策、株式市場や不動産市場対策はなにも進まずです。政府に近いハノイの弁護士などは、「今回の権力闘争も手打ちが済んだのではないか」と言っていました。しばらくはお互い様子見をしながら、次の手を考える期間が続くのでしょうか?政治闘争による2年近い空白期間が、不透明さの続くベトナム経済に重くのしかかっています。日本や日本人には言われたくないかもしれませんが、ベトナムでも政治が最大のリスクになってしまっている感があります。
続きは次回、ヘンカップライ!
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