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生活・文化 2014年08月03日

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【ベトナムの真実】ベトナムで考える日本企業の交渉力① 

福森 哲也(株式会社リンクグローバルソリューション)

先日、日本を代表するメーカーの方から、「中国よりもベトナムの方が、提携等の交渉でうまくいかないケースが多いという話を聞いたのですが・・・」という質問をされました。中国に関しては、「ビジネス常識が違う」、「極端な反日で日本人はだましても良いとすら思っている」、「強烈な交渉を行ってくる」等々の話が広まっており覚悟もしていたけど、親日と言われるベトナムで予想以上に厳しい交渉を強いられている、ということのようでした。

最近、(1)ベトナムを中心としたアセアン進出(=日々の交渉から提携先との交渉、国対国に近い交渉まで、交渉の積み重ね)の日常化、(2)製造業の、製造拠点としてではないアセアン進出の日常化、(3)一人のスーパーマンのような現地責任者に全てを依存するのではなく、組織としての交渉力を高めていかなくてはならないという問題意識の高まりの中で、「アセアンで勝ち残るための交渉力」について考えたり議論したり、レクチャーしたりする機会が増えています。

日本では、交渉力というと、押し・主張の強さや、争いごとで自分に有利な形で決着させる能弁さ、一定のパイを奪い合うゼロサムゲームでの勝ち方、という風に思われがちです。ベトナムに交渉に来られる日本企業・人でも、ひたすら自分の論理を主張するだけの方々も多く見られます。

でも、ビジネスにおける交渉力とは、双方の利害(本質的な利益)を調整して、より良い合意を導き出すための

1:質問力をコアとした論理的思考力
2:表面的な主張・条件の背後にある本質的な利益・関心・利害関係を推察するアナロジー思考力(表面的な事象を抽象化することで、その本質的な構造を見抜き、一見関係性の明確でない他の事象の理解にも応用する力)
3:行動経済学・社会心理学なども踏まえたコミュニケーション力(交渉カードの切り方&読み取り方)の組合せ+人間力(胆力)だと定義すべきだと思っています。

そもそも、こういった意味での交渉力を有していない場合には、「交渉場所が中国であろうとベトナムであろうと不利を強いられる」のは必定だと思います。ただベトナムは、本当に親日国ですし、交渉のプロセスにおいて非常に友好的に敬意を持って接してくれるので、日本側が必要以上に安心してしまうことが多いようには感じます。

プロセスの終盤までは非常に友好的なベトナムでも、最終的に利益や金銭が絡む交渉になると非常にビジネスライクにしたたかに変貌するので、そのGAPの大きさに日本側が対処できていない傾向は感じます。それが冒頭の質問の背景かもしれません。   

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福森 哲也

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