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海外ビジネス コラム

生活・文化 2014年09月10日

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「イスラム市場」は日本にとっての重要市場(2)

堀 明則(Hopewill Group)

新たに注目されるイスラム教徒向け「お土産市場」

前回は、日本の観光産業を牽引するがごとく増加し続けるイスラム圏からの訪日客対応について発信をさせていただきました。イスラム圏からの訪日客の増加を背景に、ホテル業、飲食業を中心に、ムスリムの人々が日本で安心して滞在できるよう、信仰、戒律に基づく「ハラルフード」の提供、礼拝所の設置など、日本のサービス業がそれぞれの”おもてなし”提供が加速しています。

そのような中で新たに注目されているのが、「お土産市場」です。

ムスリムに限らず、日本で旅行を楽しんだ外国人は、帰国したあともその喜びや感動を友人、家族と共有したいという思いを持っています。日本におけるお土産として、誰もが買い求めるものは「日本の食品」でしょう。地方の特産品、海外にはない日本の食べ物は、外国人誰もが貰って嬉しいお土産の典型です。

しかし、ムスリムにとってハラルの食環境が整っていない日本のお土産は、戒律上食べられないものも多く、せっかく旅行をしても何も買わずに帰国するムスリムの方がいるのも事実です。

上述のような現状に対して果敢に挑戦し、安心して日本の味を楽しめるように取り組む企業・自治体が増加しています。

ムスリム向けお土産の販売事例

有機・自然食品卸会社のムソー株式会社では、ムスリムの観光客向けに、ムスリムが口にできる食品であることを示す
「ハラル認証」を取得したカステラと煎餅を販売しています。
カステラの原料であるショートニングや、乳化剤に元来含まれる豚由来の成分を使わずに、原材料の100%をメイドインジャパンで取り揃えたお土産商品で、羽田空港、関西空港、セントレア等で販売されています。

ムスリムが安心して自国に持ち帰ることのできるお土産はまだまだ日本には少なく、東南アジア・中東からの訪日客を中心に注目を集めています。

京都市では、観光MICE推進室と京都文化交流コンベンションビューローが協業し、ムスリム女性が着用するスカーフ状の「ヒジャーブ」の販売をスタートしました。京都で加工した100%綿の生地を、京都の伝統技法で1枚ずつ手で染上げ、柄には日本の古典柄である「七宝つなぎ」を採用したものです。
日本の伝統技術によって作られたこちらのヒジャーブは、関西空港、成田空港にて販売されており、ムスリム観光客に大変人気があるそうです。
このヒジャーブの開発にあたり、京都市ではムスリムの留学生たちにデザインを相談するなど、実際のニーズに沿ったものを作ることに重きをおいたとのこと。

このように、インバウンドの事業において、まずニーズを把握することは最も大切なことであり、ムスリム観光客を誘致する企業には、この姿勢が求められます。しかし、宗教観の薄い日本国内において、ムスリムが何を考え、どのようなものを求めているのかという情報を獲得することは容易ではありません。

弊社が発刊しておりますメール マガジン「週刊イスラム市場」では、最新のイスラム圏の情報だけでなく、イスラム経済の現状やビジネスチャンス、イスラム教徒の習慣や文化、ものの見方や考え方、それに関連する法律や会計制度など、
イスラム市場に関する包括的な情報だけでなく、実際にイスラム圏への市場拡大に取り組まれる企業へのインタビューや、イスラム国に滞在されるコラムニストからの現地リポート等、充実した最新のイスラム市場の情報を提供致します。

この巨大市場における、皆様の事業、商品、サービスの羅針盤となれますよう、リサーチャー、編集員一同邁進して参ります。
是非とも御社のイスラム市場への関与・進出の足がかりとして、「週刊イスラム市場」のご購読をご検討頂ければ幸いです。

このコラムの著者

堀 明則

堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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