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市場動向 2015年01月13日

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【ベトナムの真実】一筋縄ではいかない理美容業界

福森 哲也(株式会社リンクグローバルソリューション)

新年明けましておめでとうございます。

昨年は、ベトナムでの対中デモ騒動、ブラジルワールドカップ、日中・日韓の関係悪化と集団的自衛権行使の閣議決定、消費税導入とGDPショック、黒田バズーカによる急激且つ更なる円安、ウクライナ危機とルーブルショック&逆石油ショック、エボラ出血熱にイスラム国の勢力拡大、御嶽山の噴火に原発の再稼働問題、死に体のオバマ政権と白鵬の史上最多優勝と高倉健の死去、香港の民主化デモと習近平国家主席による前代未聞の汚職撲滅キャンペーンと安部政権による年末の駆け込み総選挙…など、2015年へのリスクの種が沢山ばらまかれた一年だったように感じています。皆さんの2014年はいかがでしたでしょうか?

さて、ベトナムの美容業界は、日本の80年代から90年代前半のイメージに近づいているそうです。“日本流”の影響力・ブランド力は、現時点では韓流の足元にも及んでいないベトナム。

そんなベトナムに「日本流のメークアップ・美容技術を伝えたい」という想いを持って来られた方々と色々とお話しする機会がありました。

ベトナムに来られると分かるのですが、びっくりするほど沢山の美容サロンが乱立しています。ミニスカートのお姉さんが沢山暇そうにたむろしていて怪しい雰囲気ですが、普通にカットやシャンプー、ネイルやカラーリング、パーマをしてくれます。基本的には男性期待のサービスはない筈です。上の階でマッサージやエステをしてくれる店も多いのですが、エステ=マッサージという認識のお店が殆どです。

日本では美容と理容が分かれていて、きちんと専門学校で勉強した上で、更にお店の徒弟制度の中で鍛えられますが、ベトナムはそうではないようです。“短期間で基本的な技術だけを教える学校のようなもの”に通って、その後でいきなり独立してしまう人が殆どです。特に資格制度もなく、技術や薬剤知識も乏しいまま、しかも経営のノウハウもなくお店を開いてしまうのです。「あまりに知識や前提の当たり前が低レベルなので、営業するにも雇うにも手間がかかる」という嘆きを皆さんからお聞きしました。

日本の有名美容室やエステサロンの厳しい上下関係やいじめの話しも強烈で面白かったのですが、印象に残ったのは、「ベトナム人は日本人ほど細かく色を識別していない」という話でした。日本人のお客様の好みに合わせて微妙な色合いのものを揃えていると、「どうしてそんな同じ色ばかりそろえるの?」と真顔で聞かれるそうです。もしかしたら、日本人の微妙な色彩感覚は逆に特殊なものなのかもしれません。
 
また、女性スタッフを如何に教育して、サービスの質の徹底を図りつつ、彼女らに定着してもらうかに悪戦苦闘しているのが良くわかりました。腕も確かで、粘り強く打たれ強く、コミュニケーション能力の高い日本人マネジャーがいないと、ある程度以上のキャパの店は運営できないのです。そのマネジャーが日本に帰ってしまったら、ゼロから又やり直さないといけないリスクを抱えているのが現状かと感じました。そんな日本人マネジャーは、ベトナムでなくても、日本でもシンガポールでもどこでも活躍できるはずなので、経営者的にはなかなかにしんどい筈です。傍目からはチャンスが一杯ありそうなベトナムの美容業界も、飲食等他のサービス業と同じように、一筋縄ではいかない現実が垣間見られました。

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