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生活・文化 2015年05月21日

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17億人のマーケット! イスラム圏ってどんなところ?(4)

堀 明則(Hopewill Group)

世界人口の1/4を占めるイスラム教徒。全世界のムスリムの約60%がアジア太平洋地域に集中しています。本コラムでは、アジア太平洋地域のイスラムの国をピックアップし、その国の基本概要から、経済・政治・文化に関する最新情報をお届けいたします。

第4回はトルコです。

トルコにおけるイスラム教とキリスト教

トルコは人口の99%以上がムスリムであり、その数は7362万人にのぼる (2009年に行われた調査による)。その一方、トルコは西欧とアジアをつなぐ中継点として栄えた国家が多く興亡した場所であった、多様性に富む国である。

トルコは古くから「東西文明の十字路」として栄え、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカに近接している地理的特性から、多種多様な民族が移り住んで共存する国であった。それらの民族はトルコ人となり、トルコは現在人口の99% 以上がムスリムであるイスラム教徒の国となった。一方で、歴史的には初期キリスト教布教の地でもあり、国内にはキリスト教ゆかりの神聖な場所も数多く残されている、極めてユニークな歴史や文化が見られる国である。

例えば、世界遺産の「カッパドキア」は、初期キリスト教の教会や住居などとして使われており、旧約聖書に登場する「ノアの箱船」が漂着したとの伝説で有名な「アララット山」、聖母マリアが晩年を過ごしたと伝わる修道院跡など、キリスト教に深く関わって来た歴史が随所に見られる。中でも、イスタンブールにある世界遺産「アヤ・ソフィア」は、もともと東ローマ帝国時代にキリスト教の大聖堂として建築されたが、後世になってイスラム教の尖塔が増築されてモスクとなった特別な歴史を持つ建造物である。このように、トルコはイスラム教徒の国となった後でも、キリスト教の遺産と共存、調和する社会を築いており、他宗教・他民族を寛く受け入れている。

トルコにおけるイスラム教の歴史

トルコはその昔、キリスト教を国教とする国家が栄えたが、7世紀におけるイスラム帝国の台頭により、イスラム教が急速に広まっていくことになった。 イスラム王朝オスマン帝国による統治により、トルコはイスラム教国として大きく繁栄し、多くのムスリムを抱える 今日のトルコの基盤が築かれた。このオスマン帝国の繁栄は西欧キリスト教世界において「オスマンの衝撃」と呼ばれ、トルコは西欧諸国で脅威と恐れられるイスラム教国となっていった。

オスマン帝国は15世紀と16世紀の2世紀に渡って、影響を及ぼし続けていたが、西欧において帝国主義が力をつけていくにつれて、西欧諸国による領土の植民地化が進み、帝国の弱体化が進んだ。挽回を狙った第1次世界大戦時に敗戦し、イスラム王朝オスマン帝国は滅亡することとなった。

1923年第1次世界大戦敗戦後、 トルコ共和国が成立し、「トルコ革命」によって、他のイスラム世界とは一線を画した独自の国家が築きあげられていった。初代大統領に就任した ケマル・アタテュルクは、 政教分離(世俗主義)を断行し、憲法からイスラム教を国教とする条文を削除、トルコ語にはアラビア文字に替わって、アルファベットを採用した 。これを経て、近代国家である今日のトルコにつながっており、ムスリムが99%を占める国でありながら、政教分離を国家の根幹としたイスラム教国でない国となっている。

トルコにおけるイスラム教の慣習

トルコでは政教分離が徹底されていることから、他のイスラム世界とは異なる独自のイスラム教の慣習が見られる。政教分離の観点から、大学など公の場ではスカーフを着用することも禁じられており、またイスラム教で通常禁止されている飲酒に関しても緩やかであり、法律上では18歳から飲めることとなっている。酒類はスーパーマーケット等で購入ができ、若い人の間ではビールやワインも好んで飲まれている。

同じくイスラム教で厳しく禁止されている豚肉に関しても、トルコ国内のレストランでの扱いはないが、海外に出たときに食する人もいる。 街の至る所にモスクがあり、時間になると礼拝の呼びかけ (アザーン) があるが、礼拝の慣習も時代とともに変わりつつあり、若い世代の人々はあまりモスクに行きたがらない。

一方、敬虔なムスリムも存在し、外出時には目だけを見せる二カーブを着用する女性が多い地域等もあり (イスタンブールのウシュクダル地域等) 、トルコにおけるムスリムは多様である。

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

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