Digima〜出島〜

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外ビジネス コラム

市場動向 2012年04月10日

  • share

動き出すミャンマー

堀 明則(Hopewill Group)

ミャンマーで行われた議会選挙で、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏がひきいる国民民主連盟(NLD)が圧勝しました。

この圧勝の結果をうけ、世界各国が潜在力のあるミャンマーとの関係再開に向けて大きく動き始めました。

米国は、ミャンマーへの制裁的の段階的解除に向け準備に入りました。
これには、ミャンマー経済に大きな影響力をもつ東の大国「中国」の動きをけん制する狙いもあるでしょう。

米国議会での承認も必要でしょうが、オバマ政権にとっては、米国企業にとって朗報となる今回の制裁解除の動きは、米国内でプラスの効果ももたらすでしょう。もちろん米国がこれまでに完全に失策を重ねてきている北朝鮮問題に絡め、ミャンマーと北朝鮮との関係清算も重要でしょう。

しかし、世界的な動きとしては、民主社会主義社会の解放、軍事政権の崩壊、が大きな流れで、どの国も地域も民衆のパワーが強くなってきていますので、ミャンマーも今度こそ、世界経済・社会への仲間入りを果たすのではないでしょうか。

4月5日の日本経済新聞トップには、「ローソンが年内にもミャンマーに出店」のニュースが報じられていました。
海外進出においては、セブンイレブンや、ファミリーマートに遅れをとっている同社が、先手を打ってミャンマーやインドに旗印を立てにゆく、というわけです。

大手商社、メーカー、金融機関の出張所の開設なども盛んなようです。
日本企業もミャンマーの市場開放をにらんで虎視眈々と準備を進めていますね。

弊社でお取引をさせていただいている企業にも、いち早くミャンマーでの事業に着手されておいでのところもあります。

日本のODAにおけるアセアン各地への貢献は大変なものです。
このODAにより下地がこしらえられた経済圏において、日本企業のプレゼンス(存在感)が極めて低いことは危惧されるところです。

どこの新興国の空港に降り立っても、空港の前には韓国企業の大看板です。
街に出ると中国語に韓国語でレストランの看板です。

おりしも日本国内には、「いよいよ海外に向け本腰を」という機運が熟してきているようです。
そのようなタイミングにおけるミャンマーという経済圏の勃興は、日本経済にとっても大きな意味を持つのかもしれませんね。

 

さて、ミャンマーという国も潜在力についていくつかのトピックをまとめてみたいと思います。

■市場規模
ミャンマーは人口約6,200万人をかかえる大きな商圏です。
この商圏で生活する人々が市場開放の後にうける効果は、
中国、インドネシア、タイ、ベトナムなどの改革解放における
先行国家の状況をみれば想像に難しくありませんね。
この市場に、日本がこれまで培ってきたクオリティやサービスを
ぜひ展開してゆきたいですね。

■地理的優位性
ミャンマーが国境を接する国をあげてみます。
中国、タイ、インド、ラオス・・・・どうですか。
21世紀の経済のけん引役ともいわれる国と国境を接しているのです。
特に中国・インド間においては、ミャンマーが架け橋的位置に存在するのです。
この優位性は、今後ミャンマーが世界からの企業誘致に
大いに活用できる利点になるでしょう。
加えてミャンマーは海岸線も非常に豊富です。
これも利点ですね。

■労働力
ミャンマーでは鎖国状態が貧困を作り上げました。
そのため、中国やタイに比較し、労働コストが低い状態が続いています。
経済産業省調べでは、ヤンゴンにおける
一般労働者の年間賃金は629米ドル(5万円強)とのこと。
これは中国やタイと比較すると約1/5ですね。
しかし、労働コストの上昇はあっという間です。
他地域との、この格差を唯一の優位性として進出をすると、
企業は「労働力難民」になるでしょうから、注意が必要ですね。
まずは目下の優位性という認識です。

■識字率
ミャンマーでは識字率が90%、英語習得者率も多いため、
人材確保には有効のようです。
労働力と言う点において、日本企業にとっては
こちらのメリットの方が大きいでしょうね。

■天然資源
これは言わずもがな。
レアアース、レアメタルなどの天然資源保有国は強いですね。

97年からの米欧による経済制裁、
同時にアジア通貨危機によるダメージ。
その後、隣国はアジアの世紀にあわせ、
中国の補完的立場を売りに成長を続けてきました。
その姿を民衆は恨めしくも思ったのではないでしょうか。

しかし、いよいよミャンマーの時のようですね。
2011年3月末時点での、外資の直接投資累計額は360億米ドル。2010年度だけをみると200億ドルです。
2010年からミャンマーの躍進に火がつき、11年、12年と、その勢いは加速しています。

日本もこの流れに大いに参画すべきですね。

このコラムの著者

このコラムニストにメールで問い合わせる

堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

コラムニスト詳細

ジャンル別 新着コラム

検索

Digima~出島~からのお知らせ

海外進出白書

注目のコラムニスト

  • コラムニスト一覧