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市場動向 2016年01月21日

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驚くぐらい物価が高い? オーストラリアの現在とチャンス

永井 政光(NM AUSTRALIA PTY LTD)

我々が起業し、ビジネスを行う以上ボランティアではないので、何らかの利益を上げる必要があります。人口たかが2000万そこそこのオーストラリアは、ビジネスを考える上で最も重要だと位置づけられる、市場の規模の点から見ればセオリーに反しており、あまり魅力的な市場にうつらないかもしれません。 

「コアラとカンガルーが生息しており、自然豊かなオーストラリア。ビジネスに関しては今一歩イメージがわかない」これが大半の日本人が持っているオーストラリアの印象だと思います。前回のコラムでは競合他社の存在や、他の人とは異なる視点を持つ有効性など側面から、オーストラリアでのビジネスのポテンシャルを述べましたが、今回はもう少しオーストラリアの現状、背景を中心に、オーストラリアの現在についてより踏み込んで書き進めたいと思います。

ビジネスの成功は、現地の情報をどれだけ集め、理解する。これに限りますから。

驚くくらい物価が高いオーストラリア

日本から初めてオーストラリアに来られた方はその物価高に驚かれると思います。その中でもオーストラリア随一の大都市シドニーの物価高は群を抜いています。

特に地価の上昇はひどく、私がオーストラリアに住み始めた20年前は、5000万円あれば大きな庭付き、プールの一戸建てが購入出来ましたが、今ではこの金額で1LDKのアパートを買うことも出来ません。オーストラリアの地価上昇はシドニーオリンピックから始まり、オリンピックが呼び水となり、オーストラリア史上空前の好景気、バブル時期へと突入しました。それと同時に中国などのかつての資源輸出国が、国内資源消費量の増加に伴い、資源輸入国へと変貌し、豊富な地下資源埋蔵量を誇る、オーストラリアの資源を求めた事も、オーストラリアの好景気に多大な影響を与えたのは言うまでもありません。

また好景気が影響し、国内の労働不足を補うために、オーストラリア政府は大々的な移民推進政策を実施しました。その一環として企業などからのスポンサーを受けずに、個人の能力だけで永住権が取得出来る技術独立ビザ制度での申請条件が、現在では考えられないくらい低いハードルで取得することが可能でした。もちろん現在もこの制度自体は存在しますが、語学力はもちろんの事、全体的に申請条件が大幅に引き上げられ、限られた人でしか技術独立ビザのカテゴリーで永住権を取得する事が出来なくなってしまいました。

永住権申請条件の細々としたルールを確認していますと、「飛び切りの能力保持者か、莫大な資産を持ち、オーストラリアへ投資を行っているかではないと、ビザは発給したくない」、そんな政府の本心が見え隠れしています。

ちなみにどの程度の資産があれば、オーストラリアで永住権が取得出来るかと言いますと、現在シドニー市内や利便性の良い地域に、マンションがどんどん建築されています。その多くの部屋は2LDK規模のマンションですが、金額は軽く日本円で1億円を超えています。もちろん私を含めた現地の人間はおいそれと手が出ない物件ですが、中国を中心とした莫大な資産を持つ人々は、この億ションを2つ、3つとまとめて購入しています。このクラスの資産が必要だと言えます。

また彼らが費用対効果に見合わない物件でも、高額の金額で購入を決めてしまうので、地価上昇の要因のひとつとなっているのは、想像に難しくありません。その為オーストラリア国民からも、抗議の声が上がっていますが、外国からの投資が国庫を潤しているオーストラリア政府としても、そのバランスに苦慮しています。

物価高だからこそ、ビジネスチャンスが!

永住権の有無は別として、物価高からある程度収入がないとオーストラリア、特にシドニーで生活することが出来なくなります。物価高はビジネスを立ち上げる場合、初期投資金額が増えるので、ネックになり、失敗のリスクが高まる要素ではありますが、反面ASEAN諸国、新興工業国に比べ、経済基盤が安定しているので、日本と同じクオリティーの商材を、同様の値段で販売する事が出来るメリットがあります。

また富裕層の絶対数は、中国本土全域と比べれば圧倒的に少ないと言えますが、居住都市の限られたオーストラリアでは、富裕層の密度に関して言えば、遥かに勝っています。例えるのであれば、富裕層がぎゅ~っと一都市に集まっている感じです。

彼らはビジネスに関して機を見るに敏で、オーストラリアで評判の良い商材を耳にすれば、その商材を母国でも販売、展開しようとオファーを行います。 事実この方法にてASEAN諸国に進出を果たした人も少なくありません。

オーストラリア経由しASEAN諸国&他国に進出。この様なビジネスモデルが可能なのもオーストラリアの魅力の一つだと言えます。

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永井 政光

(NM AUSTRALIA PTY LTD)

<オーストラリアビジネスの専門家

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