海外ビジネス コラム

市場動向 2016年02月04日

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マレーシアでTPPへの批准が国会通過! 貿易ビジネスへの影響は?

鵜子 幸久(桜リクルート社(マレーシア))

マレーシアでは遂にTPPの批准を国会が承認

マレーシアでは、産業界が求めていた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の批准を日本に先駆けて国会が承認しました。関税の撤廃や貿易拡大をはじめ、同国には総額1000億ドル(約12兆810億円)以上の投資が舞い込むと試算されるなど、今後TPPの経済効果が期待されます。とりわけ貿易額が国内総生産(GDP)の1.5倍に達する貿易依存国のマレーシアにとっては、貿易と投資は経済成長の生命線とも言えるので、アセアンの中でTPPに早くから手を挙げたシンガポール・ベトナムとともに域内ではかなりアドバンテージを得られるのではないかと期待が持たれます。

マレーシア製造業者連盟は、TPP交渉参加国の中でマレーシアが今まで自由貿易協定(FTA)を締結していない米国、カナダ、メキシコ、ペルーとの貿易のうち、85%の品目でTPPに伴い関税が撤廃され、マレーシア企業は12億ドルの関税負担を軽減できるとみています。セクター別で見てみると、マレーシア編み物製造業者協会は、繊維・衣料品はTPPの恩恵を最も受ける産業の一つとされていると述べており、同産業は、投資加速や輸出拡大で少なくとも現在と比べて30%増の成長を遂げることができ、TPPに署名した場合、マレーシアには2027年までに総額1360億〜2390億ドルの投資が見込まれるとの見方を示しています。

また、マレーシア医療産業協会は米国への輸出促進に期待しています。マレーシアは医療用ゴム手袋やカテーテルで世界有数の生産・輸出国で、政府も医療機器産業を重要産業と位置付けており、14年の輸出額は前年比13%増の135億リ ンギット(約3896億円)でしたが、同協会はTPPによりさらなる輸出拡大を目指したいとしています。

このように貿易面でマレーシアが享受するメリットは非常に大きいわけですが、懸念が残るのが非関税項目です。TPPは相互協定なので、相手国にもメリットを与えなければ成立しません。マレー系民族を優遇するブミプトラ施策をはじめ、現地資本保護のために今なお外資規制が残っていたり、許認可に非常に期間を要する項目があったり、外国人に与えられる就労ビザの規定が厳しかったりなど、TPP発効に先駆けて政府がどれくらい勇気をもって法改正やガイドライン変更を行うのかが今後の注目点です。

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