マレーシアのフランチャイズ支援は積極的

世界銀行の推定によると、マレーシアの2014年のGDP成長率は5.7%。当面数年は5%前後を保つと予測され安定している。加えて政府の支援は積極的である。それにも関わらず、フランチャイズが小売り業の売上げ高にしめる割合は、たったの10%に満たない。

先進国では30—40％が普通であることからするとマレーシアのフランチャイズにはビジネスチャンスがある。マレーシアのGDPの60％以上を国内消費が占めており需要は高いと言えるだろう。

2013年には480の新しいフランチャイジーが市場に参入し2014年の8月時点では700以上のフランチャイズ（店舗数6,000以上）が登録されている。マレーシアのフランチャイズは全フランチャイズ企業の70％を占めており、海外のフランチャイズが残りの30％を占める。トップの部門は飲食業で、その後 教育、衣料品、アクセサリーと美容･健康が続いている。

政府はフランチャイズを国家成長の要と捉えており、マレーシアのフランチャイズシステムは、マレーシア政府から全面的なサポートを受けている。政府からのサポートは非常に強力で、新規、既存のフランチャイズが対象の幅広い財政支援を受けられる。

特にマレーシア進出を視野に入れている海外企業は、マスターフランチャイジー支援をうけられる対象となる。

この支援を行う背後には、政府のフランチャイズの目標設定がある。他の国々でフランチャイズビジネスがGDPに大きく貢献し、経済に活気を与えている様子を見てきたからだ。

政府は2020年までのフランチャイズの到達目標として、国内総生産の9.4%を挙げている。国内貿易 協同組合 消費者省 大臣であるダトゥク セリ ハッサン マレクは、2014年にフランチャイズ産業は256億マレーシア リンギット、GDPの2.6%に貢献したと発表、政府は2020年までにこの野心的な目標を到達するべくさらに努力していくと発言した。

マレーシア人は新しもの好きで海外ブランドにも好意的

多文化の人口は3000万人を超え、ビジネス拡大をねらう海外からフランチャイザーを惹きつけてきた。人口の97％が就労しており、マレーシア人消費者の可分所得の増加は購買行動に変化を及ぼしてきた。そしてこの変化は当面の間持続すると思われる。

消費者の近代化と海外ブランド志向は、特に若いエネルギッシュなマレーシア人富裕層に浸透している。彼らは海外ブランドになじみがあり、新しい商品やサービスに対して積極的である。一般的にマレーシア人は新鮮さと品質に意識が高いので、その面にターゲットをあてた食品や飲料品のマーケティングがより成功の確率が高い。

スーパーマーケットやショッピングモールが流行してもたらされたのが、フランチャイザーにとって便利なテナントでの営業である。モールでは消費者が、幅広い海外の製品やサービスを試せる。

商業施設の営業時間が長いことと、同じ建物の中で何でも便利に買える利点が、マレーシア人の労働時間が長くなったことに影響している。

フランチャイズの法律に関しては、マレーシアはフランチャイズ法1998に則って厳しい規制を設定している。だから、適正に構築されたフランチャイズシステムが両面を守るために適切であるということを理解していれば市場に参入できる。

マレーシア発のフランチャイズも世界各国で展開されている

マレーシアのフランチャイズ海外拡大も、マレーシアビジネスをPRするイベントを定期的に行って非常に積極的である。「マレーシアフランチャイズ世界進出」プログラムを通じて、60の国内フランチャイズ企業が海外に進出し、2,380店舗を55ヶ国で展開した。その結果東京を含むアジア中の主要な都市にマレーシアのフランチャイズが進出をはたしている。

◆ マレーシアのフランチャイズの進出先と進出フランチャイザー数

1)インドネシア- 24フランチャイザー
2)シンガポール – 18 フランチャイザー
3)中国 – 16 フランチャイザー
4)ベトナム – 12 フランチャイザー
5)ブルネイ – 11 フランチャイザー
6)フィリピン – 10 フランチャイザー
7)インド – 10 フランチャイザー
8)サウジアラビア – 9 フランチャイザー
9)アラブ首長国連邦 – 9 フランチャイザー
10)オーストラリア – 8 フランチャイザー

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