海外ビジネス コラム

市場動向 2016年08月30日

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世界はすでに「高齢化社会」、急成長する高齢者向けサービス市場を徹底分析

齋藤 直路(株式会社スターパートナーズ)

現在、世界において急成長を続ける市場がある。それは、高齢者向けマーケットだ。早くから高齢化が進んできた日本だからこそ、様々なサービスや質の向上があり、日本企業にとっての得意分野ともいえるマーケットだ。特にアジアにおいては注目されている。本コラムでは、この高齢者向けマーケットに焦点を当て、その可能性や日本企業の採るべき戦略を示していきたい。まずは、その前提となる市場動向について分析していく。

世界はすでに「高齢化社会」、そして2050年に「高齢社会」へ

まずはマクロな世界規模の視点でみてみよう。世界人口約70億人の中で、高齢者人口は約5億人とされる。世界人口に占める高齢者の比率は、7.1%となる。また、およそ30年後の2050年には、世界人口は約93億人になると推測され、そのうち高齢者人口は約15億人となり、比率は現在の2倍以上の16.1%まで上昇すると予想されている。「高齢者」および「高齢化社会の定義」は、国際連合の人口統計資料では、下記のように定義づけられている。

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この定義に従うと、世界の人口はすでに「高齢化社会」に突入していることがわかる。また、およそ30年後には「高齢社会」へと転換することも見込まれているように、高齢者人口の増加スピードは非常に加速している。
また、世界各国の人口統計を見る際には、各国のこうした定義づけに留意する必要がある。たとえば、中国では「高齢者」は65歳以上を示すが、「老年人」と記述してある場合は、60歳以上を示している。中国国内では、世界基準に倣った高齢者の統計と、中国独自の老年人の統計の2通りあるため、統計を見る際には注意が必要となる。

アジアの高齢化のスピードが急速に高まっている

現在、アジア諸国は急速に高齢化している。各国の「高齢化社会」から「高齢社会」への経過年数予測をみると、日本が約24年間(1970~1994年)を要したのに対し、ベトナムでは14年間(2020~2034年)、インドネシアでは19年間(2018~2037年)、フィリピンでは20年間(2024~2044年)と予測されている。こうした予測が現実に起こった場合、歴史上、類を見ない急速な社会の高齢化現象が生じることになる。来たる世界的な「高齢社会」に対処すべく、早急な準備が求められている。

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介護・高齢者ケアビジネスにおける日本企業の海外進出の現状

こうしたアジア各国の高齢化現象に伴い、海外進出を考える日本の介護・高齢者ケアビジネスの事業者も増加している。筆者は、日本式介護・高齢者ケアビジネスは、「リハビリテーション」、「認知症ケア」、「接遇サービス」が特徴と捉えており、日本は高齢先進国としてアジア諸国から非常に高い関心が寄せられていると考えている。

日本の介護事業者のアジア進出の動機は様々だが、

「1.経営トップの海外・アジアへの興味や関心」
「2.海外に対応できる人材や別事業における取引等がある」
「3.日本国内での地域における競争激化」
「4.中長期的な経営判断」

といった4つに大まかに分類ができる。

たとえば、ある介護事業所の代表は、アジアでの留学経験があり、海外での友人や富裕層の人脈から「入りたい施設がない」という声を聞き、アジアでの介護事業がビジネスチャンスだと考えたという。また、アジアでの展開をしている企業が、現地パートナーから将来的な介護や医療事業の有望性についての話を聞き、日本で行っている介護事業を展開すべく、まずは現地の介護・医療状況の視察、人材交流から着手したというケースもある。

次回は、日本の事業者のアジア諸国への進出傾向について具体的に取り上げて解説したい。

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