市場動向 2012年08月20日
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現地のコーヒーに感じるベトナムの成熟。2012年上半期を振り返る
7月になり、2012年上半期のベトナム国内経済を振り返った論評が、随所から出始めています。
その多くは、「ベトナム国内経済は依然好調だが、経済成長を急成長路線から安定成長路線へシフトチェンジした」といったもの。
実際、GDP成長率を見ると、これまで5%後半から7%で成長を記録していたものが、2012年1月から6月の上半期は4.66%です。
およそ2ポイントから3ポイントの減速です。
この減速感を現地の肌感覚を交え、お伝えします。
まず、法人倒産件数の増加です。
前年上半期6ヶ月と比較すると5.4%増、件数では2万6340社の倒産になっています(ベトナム統計局)。
まだ、日常付き合いのある地場企業が倒産したり、訪問アポイントメントが取りやすいといった状況にはなっておりませんが、大手企業の倒産も発生しています。
なお、政府は銀行の貸し出し金利上限規制の設置や、法人税の30%減税などの対策を講じ、中小企業支援策を推し進めています。
また、インフレ率が落ち着いてきました。
インフレ率を表す指数のCPI(消費者物価指数:Consumer Price Index)を見ると、高インフレが問題視された昨年のCPIは18.6%、特に7月から9月期は20%を超えました。
一方、2012年に入り同数値は安定し、先月6月は対前月比で△0.29%と、39ヶ月ぶりにマイナスを記録しました。
実際に現地で生活しているスタッフも、日常生活の価格に落ち着きを感じてきているようです。
例えば、スタッフが良く利用する路上喫茶店のコーヒー一杯の価格は、昨年上半期では約40%増でしたが、本年の価格は依然かわっていないとのことです。
他にもオフィス賃料の下落は、今年上半期経済が減速傾向にある象徴的な現象です。
2012年4月から6月期の同価格はホーチミン市で10.8%、ハノイ市で10.2%の下落があったとする調査結果もでています。
とりわけ象徴的なのは、ホーチミン市のヴィンコムセンター・ビルです。
同ビルの一平方メートルあたりの賃料はオープン当初$50程度でしたが、現在はその半値の$25程度まで落ち込んでいます。
同賃料の下落はマクロ経済動向だけではなく、投機熱によるものも一因ですが、象徴的な現象として見えます。
とはいえ、依然として道路には忙しく走り回るバイクが渋滞を作り出しています。
また、スーパーや市場には商品を求め人だかりができています。
急成長を記録した昨年までと変わらない光景が、日常では続いています。
「経済政策は安定成長路線へカジを切ったが、国内経済は依然好調」とする論評は、「まさにその通り」に思えて仕方ありません。
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