価値観が他の世代と大きく異なる「ミレニアル世代」。これからの経済の中心を担う彼ら独自の観念を理解することが、アメリカの巨大なマーケットで成功するために必要になってきます。

この記事では、特にミレニアル世代の食のトレンドや食事情を紹介し、米国進出成功の鍵を探していきます。

アメリカでは、ミレニアル世代が総人口に占める割合は最大で、経済に大きなインパクトをもたらしています。

ミレニアル世代は、自動車や飲酒などの嗜好品の消費は控える傾向がある一方で、自分の感性にあったものに対しての投資は惜しまないと言われています。

では、ミレニアル世代の食に対する価値観はどんなものがあるのでしょうか。

ミレニアル世代はより質を重んじる

ミレニアル世代は健康志向が高い世代と言われ、実際にOTA（オーガニックトレードアソシエーション）の調査では、米国における有機食品をもっとも購入するグループはミレニアル世代ということが分かりました。

また、ミレニアル世代の間で特に注目されているのが、植物でできた「代用肉」です。牛や豚など食肉生産にかかる環境負荷が高いことを学んだことから、植物性の代用肉からたんぱく質を摂取しているといいます。

photo by Maridav / Shutterstock.com

たんぱく質の他に、プロバイオティクス食品への関心も高まっています。Packaged Factのレポートによると、プロバイオティクス食品・飲料に興味があると回答したミレニアル世代の割合が32％と、X世代の26％、ベビーブーマーの12％を上回ることがわかりました。

このことからミレニアル世代は、単に野菜を摂取するのではなく、機能を理解し、食品選びを行っていると理解することができます。

ミレニアル世代は効率的に食事をする

アメリカの企業「Welch」が実施した調査によると、ミレニアル世代の92%は週1回、50%が週4回、食事をスナックに置き換えていることが明らかになりました。

最も多かった理由は「座って食事をとる時間がないから」次いで「食事を作ることができないから」となっています。

ここで言うスナックとは、ポテトチップスやクッキーなどのジャンクフードではありません。調査によると、最も多く食べられているスナックは「全粒穀物」で、その他に「フルーツ」や「ナッツ」などが挙げられています。

「食事を取る時間が十分にない」「効率よく食事をしたい」という彼らのライフスタイルに合わせ、持ち運びが便利な、食事の代替となるスナックの需要が今後更に高まっていくだろうと予想されます。

ミレニアル世代はブランドストーリーを重んじる

ミレニアル世代が商品を購入する際、原材料名やカロリーだけでなく、ブランドストーリーもしっかりと見ているといいます。

ミレニアル世代は強いビジョンやストーリーを持ったブランドに関心を示す傾向が強いとされ、実際、アメリカのスーパーに陳列されているお菓子には、生産者の顔や想いが記載されている商品も多く、ミレニアル世代が生産者の理念やストーリーに対する高い関心を抱いていることが読み取れます。

さらに、彼らは自分たちが感じたことをSNSでシェアしたいという想いが他の世代と比較し、強いのが特徴です。

ミレニアル世代は、共感したブランドをSNSを通じて積極的に拡散するため、そのブランドの裏側にあるストーリーを訴求することが重要となってくるのです。

これまで企業がターゲットとしてきた「ベビーブーマー」や「バブル世代」とは、全く異なる特徴を持つ「ミレニアル世代」。

彼らの分析をきちんと行わなかったために、これまでのマーケティング手法では響かず、米国進出に失敗するケースも増えてきています。

彼らがどういうことに興味があるのか、他の世代と何が違うのか、彼らのニーズに応えるためには何をすべきなのか。改めてミレニアル世代の現状理解を行い、彼らに刺さるマーケティング施策を検討することが必要不可欠なのです。

Ys and Partnersでも、まず市場調査やリサーチから始めることで、ミレニアル世代のニーズを意識した米国進出支援を行っています。これからの経済の中心を担う彼らのニーズを見つけることが、今後の海外進出の成功につながってくるのです。

【参考】
https://markezine.jp/article/detail/28423
https://dime.jp/genre/628770/

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