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海外ビジネス コラム

市場動向 2012年09月06日

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中国市場攻略ノウハウ!(中国ビジネスは後からルールを変えられる勝負)

福田 完次(株式会社グラブポット)

新たに、こちらでコラムを書かせて頂く事になりました。中国でのビジネス経験は既に10年を超え、現在も日本と中国(上海、大連)の3法人のトップとして日中ビジネスに関わっています。

私自身でも辛酸を舐め、苦労を重ねながら獲得した中国ビジネスノウハウや知識ですが、日本と日系企業、そして世界に出てゆかざるを得ない日本人の未来の為に、少しでも役立てばと言う思いで、様々な媒体を通じて情報提供を行っております。

今回のコラム掲載もその一環。私自身のブログ(日中ビジネスすごろく道中記)では、中国情報を中心に様々な題材で毎日更新していますが、こちらのコラムでは、中国ビジネス成功のためのノウハウや要点にフォーカスし、お届けしたいと思います。

さて、今後益々縮小してゆく日本市場にあっては、世界に出てゆく事は最重要なテーマの一つです。他方、島国の中で同じ日本人を相手にして来た多くの企業や日本人に取って、海外でやって行く事は簡単では有りません。

それでも、世界を目指さないと新たな道は見えませんし、チャレンジを恐れれば淘汰されてしまいます。そう言う意味では多くの企業に海外ビジネスにチャレンジして欲しいのですが、その場合、事前準備や心構えが最も大切。

日本では食って行けないとばかりに闇雲に飛び出すのは無謀と言うもの、勝ち目が有りません。日本の常識は世界の非常識と言われる日本にあっては、海外でのビジネス手法の違いを知り、相手を知る事が最低限の準備、それでこそ勝算があると言うものです。

今日の話は、そんな中国ビジネスの本質に近い話です。私の講演会やセミナーに出て頂いた方々にはお馴染みのフレーズですが、ある意味、中国ビジネスは後からルールを恣意的に変えられるビジネスだと言う事です。

法律が全てでは有りませんし、グレーゾーンもたくさん有ります。また、受け止め方の違いも大きく影響してきます。例えば、日本では法律で許可されていない事は出来ないと考えますが、多くの場合、中国では法律に書いて無い事はやって良いと受け止められます。彼らの言い分を聞けば、『何処にもやってはいけないとは書いて無い』から。

結果として、駄目だと言われてから止めれば良いという理解です。当然、こういう考え方の市場に日本的な考え方を持ち込んでも勝てはしません。

更には政府側の法律も頻繁に変わります。遡って適用などということも起こります。賄賂の要求も有れば、無理難題も出てきます。基本的なルールが固定されていないということは、ルールは相手によって変わると言う事を意味します。

そう言う市場やビジネス構造の中で、現在のルールを信じ切ってビジネスをやる事など出来ません。ルールは後から幾らでも変わるし、変えられるということならば、皆その隙間を行こうとします。そんなルールを守っていても意味がありませんから。日本企業側から見た場合は、そういうリスク管理が出来ていないと危なくて仕方が無いということでもあります。

力のある当局であれば更に厄介、多くのことを動かせる権限があります。勿論、日本的な視点からは、こういう中国の仕組み自体に多いに問題は有りますが、それを嘆いても何も変わりません。彼らの考え方を学び、そういう中でも勝ち抜ける仕組みを考え出すというところがポイント。

そう考えると、ご理解頂けると思いますが、中国では対処療法は余りお勧め出来ません。どんどん変化するルールの中で対処療法に追われているだけでは、ビジネスは拡大しません。この市場では、彼らの本質を理解した上で、彼らが考えている根幹の先を読んでビジネスを進めることが成功への近道です。

一例を挙げれば、中国内の景気が悪くなれば、国民受けと言う意味で、政府は中国人の雇用が一番大切になります。当然、外国人の雇用よりも、中国人の雇用を確保したいと言う心理状態で動く、そうとなれば、外国人に対する就労ビザは簡単にはおりなくなります。これが普通の流れ。

中国内の政治の仕組みや、彼らのメンタリティ、方向性が読めれば、発布や指導が入る前から、そうなるだろう事は推測出来ますし、事前に様々な手が打てます。

全てに精通することは勿論難しい訳ですが、そういう本質を知る努力をすることが最大の防御。最大限の努力をした上で、足りない部分は専門家の力を借りれば良い話です。

厳しい中国市場ではありますが、その分魅力は十分。薄利多売であっても、成功した時のその販売量は日本とは桁がまったく違います。日本の未来も秤に掛けた上で、覚悟が有り、意欲がおありの企業は、多いに進出すべきだと思います。

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福田 完次

(株式会社グラブポット)

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