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海外ビジネス コラム

市場動向 2012年10月01日

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ブルーオーシャンを狙え!「17億人の巨大イスラム市場」

堀 明則(Hopewill Group)

中国進出、ベトナム進出、インドネシア進出、タイ進出・・・。
日本が陥っている構造不況ともいうべき長期の不況状態に加え、必ずやってくる少子高齢化、人口減少、これらを見据え多くの日本企業が海外への進出を検討され、そして活路を見出そうとされています。

中国の次はベトナムだ。
なになに、ベトナムよりも、その先のカンボジアだ、バングラディシュだ。
いやいやインドはどうだろうか。

このような国単位での進出適合性を議論することは、ひとつの切り口として絶対に正しいわけですが、今回は政治国境以外の切り口で、世界市場にある可能性について考察してみたいと思います。

皆さんは、「ハラル」と言う言葉を聴かれたことはありますか?
「ハラル」とは、イスラム法上で「許されたもの」を意味しており、主にイスラム法上で食べられる物のことを言い表します。

特にイスラムの教えでは、食肉と動物性原料を使用した食材については厳しく規定され、その肉が食糧に適するためには、イスラムの戒律に従って処理をされなければいけない、とされています。

ちなみに「ハラル」の反対、口にすることを禁じられている物は「ハラール」と呼ばれています。

ここまで記載して、私が今回対象として考察をしたい市場はお分かりかと思います。
そう、それは「イスラム教由来市場」=「ハラル市場」についてです。

「ハラル」そのマーケットは2.1兆米ドルを超えるともいわれています。
世界人口構成においては、約20%以上がイスラム教徒という事をご存じですか。
このイスラム教徒は「ハラル」と呼ばれるものを基本に生活を営んでいるのですね。
これまで日本企業が経験している市場の多くは宗教意識を強く持つ必要がないところ。
特に中国などは、文化大革命以降、思想・宗教の色が薄くなっているわけです。
そして今日本でよく取りざたされるインドネシア、インド、中東、もっと先のアフリカなどはかなり宗教色、とくにイスラム教をよく意識しておくことが重要であるといえます。

イスラム教徒はアジアにおいては11億人ほど、アフリカにおいては4億7千万人ほどにのぼります。
実は中国もイスラム教徒は4000万人を数え、アジアの巨大市場インドネシアにおいては2億人のイスラム教徒を有しています。

このハラル市場においては、ハラル商品であると認証を受けることがどれほどの強みを有するか、これは想像にはむずかしくないですね。
ハラル認証を受けていなくとも売れないことはありません。
しかしハラル認証を意識して、商品や製品、サービスを作り上げることができれば、人口の20%程度、約17億人の市場における優位性を確保できることになるのです。
ラーメン屋を出店させるにも、焼肉屋を出店させるにも、世界市場向け製品を開発、あるいは適応させるにも、ハラルをクリアしておくことを検討すれば、実はまったく違う角度から世界市場がみえてくるのですね。

「ハラル市場に向けてラーメン店を出店する」
「ハラル市場対応できているエステを世界展開する」
という、政治国境ではなく、宗教国境を意識したまったく別の経済圏へのアプローチ方法もみえてくると考えています。

現在、ハラル制度の対象は食品添加物、サプリメント、レストラン等ですが、近年その対象は拡大しつつあり、化粧品、医薬品、トイレタリー製品、革製品、更には、金融(銀行業務、保険業務)にまで及んでいます。

上述のとおり、ハラルと認められるには、決められた食材を使用し決められた処理手順を踏む必要があります。
ある食品が、イスラムの作法によって処理されたものなのか、あるいは本当に植物性の材料を原料としているのか、また製造過程であれば、例えば豚肉を揚げた油で調理していないかなどを、証明できなければ、イスラム教徒は安心して製品を購入することができません。
これらを証明するのがハラル認証であり、各国の宗教団体がISOやHACCPの管理手法と同様に、材料や工程をチェックして認証を与えています。
現在、日本国内のイスラム教徒数はおよそ18万人とされており、全人口の0.1%程度です。
また、日本人 1人あたりの食費を北米並みの 1,750米ドルと仮定すると、日本国内のハラル市場価値は 3.15億米ドル程度となります。

これらの情報はまだ浸透しておらず、今後このアジアを中心に、非常に大きなビジネスとして広がっていくのではないかと、弊社では仮説をたて、ハラル市場への対応準備を進めてきました。

弊社の東南アジア・西アジア展開を考え、このハラルに対する日本企業の対応をサポートすることができれば、お客様にも、そして弊社にとっても意味のあることであると考え、弊社では「ハラル対応コンサルティング」の対応能力の強化を目指してきました。

ぜひ政治国境以外から、世界地図を紐解いていただき、みえてくる巨大な経済圏にも関心をもっていただき、上手にエントリーをいただければ何よりです。

日本経済からみればブルーオーシャンのイスラム経済圏は、今後世界での存在を益々強めてゆくはずです。

このコラムの著者

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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