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市場動向 2013年02月20日

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中国ビジネス、成功する為の重要なキーワード『依存しすぎない』!

福田 完次(株式会社グラブポット)

レアアースの中国依存を打破した日本の官民

「中東に石油あり、中国にレアアースあり」と言ったのは鄧小平氏でした。その言葉の通り、これまで中国は、レアアースを戦略的な武器として来ました。価格戦略や供給量など様々な制限を掛けてきた訳です。取り分け、2010年の尖閣諸島での中国漁船衝突事件では、レアアースの日本への輸出制限を強め、政治問題を経済に絡めてプレッシャーを掛けて来ました。

その中国のレアアース、2012年には輸出総額で9億6000万ドルとなり、前年対66%ダウンとなりました。理由は簡単、技術開発と他国などでの資源確保が進み、日本が買わなくなったからです(各国需要などの複合的な要因も勿論ありますが、これが主因です)。現状は、価格も崩れ、販売も落ち、出荷制限枠を大きく残したまま、昨年末を迎えています。

現地ではレアアースが売れなくなって困った業者が、安くても良いから買ってくれないかと日本の業者に頼み込む状況になっています。結果的にこれを国の武器とし価格統制権も得ようとした目論見は崩れ、現地の不満も高まると言う状況になりました。

制限が掛かった当時は日本企業も大変に苦しみましたが、官民一体となった新規開拓が功を奏し、中国の依存度を大きく下げることが出来ました。このレアアースの対応こそが、対中国で日本や日本企業の取るべき道だと私は思っています。絶えず技術開発を繰り返し、最初から依存しすぎない様な仕組みを作っておく。

いざとなれば無くなることもあり得ると言う心構えももっておく。その心構えと仕組みが次のリスクの防止や牽制機能を働かせることに繋がります。結果中国との関係も上手くやれるという事に繋がります。中国には日本人や日本企業が陥りがちな、手放しの信頼というものは存在しませんが、そういう心構えで取り組めば中国には大きな価値はあります。

撤退できないような戦略はとるな!

また、以前からお伝えしている通りに撤退できないような戦略は原則とるべきではありません。仮に何かがあり撤退を決めた場合も(最後の手段ですし、そこまでのリスクはそう多くは有りません)、その分の利益と売上は落ちますが、独立採算で一定の利益を出してさえいれば閉鎖は可能、社員の問題などきちんと対応すれば、そう大きなトラブルには結びつきません。

逆に日本や他の市場で利益が出せずに、中国の利益に頼っている状況になってしまえば、引くに引けないと言う事になります。と言う事は、法人自体として撤退手続きの意思決定が出来るようにしておくと同時に、各々の地域で自立してやっていけるようにしておくと言う事が大切になってきます。

それらの仕組みを包含し、いざとなれば『やめた』と言えること。これも依存しすぎないことに繋がります。こういう経営姿勢が明確であれば、縮小する日本市場から、グローバル市場やアジア市場に視野を向け、その内の一つとしての中国は、市場規模やグローバル人材の質量、インフラと大きな魅力があります。

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福田 完次

(株式会社グラブポット)

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