商習慣 2013年03月27日
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インドネシア進出問答集⑱「進出成功に欠かせない盗難に対するリスク管理とは」
本連載では、インドネシア進出に関する問答集という形で、実際によくいただくご質問をご紹介しています。今回は、カントリーリスクに関する問答集となっております。日々の仕事の中で注意すべきことは何でしょうか。
【社長】:天災や政変と言った大きなリスクの他に、日々の仕事の中で注意しなくてはいけない、インドネシア特有のリスク管理としては、どんなことがありますか?
【小野】:盗難に対するリスク管理があると思います。インドネシアでは盗難品の売買ルートが色々とあるようで、特に、工場で使われる部品は高く売れるようです。自社の盗難品が部品市場で売られているのを目にしたことや、工場まで売りに来た者まである始末でした。
【社長】:盗難の手口としてどんなやり方が多いのでしょうか?
【小野】:私の経験で一番多かったのは、従業員と産業廃棄物回収業者が結託して、部品をゴミに紛れ混まして持ち出すケースでした。正門を出る際には守衛による検査があるのですが、巧みにすり抜けて行ったようです。中には製品一台分の全部品を少しずつ持ち出して、自宅で完成品にして販売しているところを見付けられたケースもありました。部品の在庫管理を共同責任にして、綿密に管理することが大事だと反省した次第です。
【社長】:守衛も結託していることはないのでしょうか?
【小野】:身元を厳密に確認しても、家庭の経済事情などから出来心で加担してしまうケースはあるようです。出来るだけしっかりした警備保障会社に委託することが良いでしょう。今となっては笑い話ですが、最初に住んでいた地域は日本人家族が多く、日本人通りと呼ばれるくらいでした。しかし、現地の事情に疎いことに目を付けられて、頻繁に泥棒に入られていました。そこで、地域で相談して夜警団を雇うことにしたのですが、実は強盗団だったという経験があります。
【社長】:今後も盗難の可能性は無くならないのでしょうか?
【小野】:残念ながら期待出来ないと思います。日本の昭和40年代のような高度経済成長によって、特に都市部では贅沢品が溢れています。しかし当時の日本と違うのは、貧富の格差が益々広がっていることです。これが盗難などの犯罪をさらに拡大させるのではないかと懸念しています。
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