Digima〜出島〜

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外ビジネスサポート企業はこちら

検索フィルター

検索コンテンツを選ぶ

検索したいコンテンツを選んでください

国を選ぶ

検索したい国を選んでください

業種を選ぶ

検索したい業種を選んでください

課題を選ぶ

検索したい課題を選んでください

海外ビジネス コラム

商習慣 2013年12月29日

  • share

インバウンド事業!訪日観光客の新市場を開拓せよ

堀 明則(Hopewill Group)

海外からの訪日観光客が1,000万人にも満たない現在の日本。
観光立国を国家戦略の一つの柱においているにしては、この数字はやはりお寒い限りですね。
この数字を2,000万人にし、そして3,000万人にしてゆこうと中央も地方も、行政があの手この手で誘致作戦を展開中です。

冷え込む日中関係は訪日・訪中観光客双方に深刻な打撃を与えました。
友好と緊張を繰り返す日韓関係も安定性を欠きます。
自由渡航の門戸が長く開かれている欧米各国からの訪日観光客の劇的増加を今後将来にわたり期待することは無謀かもしれません。

そのような中、2013年7月24日、次のようなニュースが飛び込んできました。

『関空で初のハラル認定店 ロイホ傘下の「ざ・U-don」』

ロイヤルホストホールディングス傘下の関西インフライトケイタリングが関西国際空港内で運営する讃岐うどん店「ざ・U-don」が、
イスラム教の戒律に対応したメニューを提供することを示す
「ハラル認定証」を取得したと発表したのです。
関西国際空港内でハラル認定を取得した飲食店は初めてで、増加傾向にあるイスラム圏からの顧客に対応するとのこと。

「ハラル」とは、イスラム教の戒律に基づいて「口にしても良い」とされているもの。ちなみにその逆は「ハラーム」です。

イスラム教徒の方がイスラム圏外に出かけてゆく先で、大変に難儀をされることはやはり食事です。
イスラム圏においてはハラルが基本であるのに対し、非イスラム圏ではハラルに頓着をしないことが一般的です。
旅行に来てどんなに散財をしたくとも、この「ハラルへの未対応」がそれを許しません。
イスラム圏からの観光客獲得には、国を挙げてこのハラル化を検討してゆく必要もあるのかもしれません。

欧州の有名な観光立国であるフランス。
この国で食される肉類などはハラル対応されているものも多く、世界からの観光客誘致のためならば、まさに必要なことは何でもやるという意気込みですね。

上記の「ざ・U-don」は、ハラル認定証の取得にあたり15品目の食材を見直し、イスラム教の戒律で禁じられている
豚肉やアルコールなどを使わない食材に切り替え対応をされています。

8月に入り、上述のニュースに続き、同じく関西国際空港でのイスラム・フレンドリー作戦に関する次のようなニュースも飛び込んできました。

『関空:離陸前にはお祈りを イスラム客対応強化』

東南アジアからのイスラム観光客が増えていることに機敏に対応し、出国審査後の制限エリアに国内空港として初めて礼拝するための祈とう室を設けるというものです。

東南アジア旅行客のビザの緩和は、同地域からの訪日観光客の増加という効果をもたらしています。
そのような市場拡大に、サービス向上でさらなる需要拡大を図ってゆくという姿勢は、高く評価されて良いものではないかと考えます。

ニュースでは次のように報じられています。

祈とう室は、来年3月までに第1ターミナル国際線の制限エリアに2カ所新設。
手狭だった従来の祈とう室も拡大し、いずれも手足を清める洗い場を設け、間仕切りで男女別室にする。

親日が多いイスラム圏からの訪日観光客のためにホスピタリティを追及し、訪日観光客をさらに増加させ、そして日本国内での消費を喚起する。すばらしいことですね。

私たちは、日本企業のイスラム経済圏への進出をサポートすべく、専門チームを構築しその対応にあたっています。
現在よせられる依頼の多くは、調査や情報収集に関するものですが、問い合わせ件数は時間を経るにつれ確実に増加しています。

イスラム圏に関する日本企業の関心の高さを感じ、昨年より月刊でイスラム経済圏に特化した情報誌「月刊イスラム市場」を発行させていただいていますが、徐々に注目をいただけるようになってきているのも、やはり時代の変化なのでしょうか。

日本から海外を目指すアウトバウンド市場だけではなく、上述の通り海外から日本を目指してやってくるインバウンド市場においても、イスラム圏の存在感の高まりから目が離せませんね。

イスラム圏からの訪日観光客は今後も増加が予想され、その市場に対応してゆくことが日本にはより強く求められてゆくであろうと想定し、私たちはイスラム・フレンドリー化(ハラル化)のワークショップやトレーニングで実績ある東南アジア企業と組み、日本の宿泊施設、飲食施設、各種施設に対して、これらのコンサルテーションを供給してゆくサービスも開始しています。

市場の動きに対し、同様に動的に意識を集中してゆけば、ビジネスチャンスはまだまだ創出できるのかもしれません。

このコラムの著者

このコラムニストにメールで問い合わせる

堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

コラムニスト詳細

ジャンル別 新着コラム