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海外ビジネス コラム

商習慣 2014年01月05日

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日本の革新的技術が必要な新興国と、それに応えるメガベンチャー

堀 明則(Hopewill Group)

日本の革新的技術が必要な新興国と、それに応えるメガベンチャー

アジア新興国でのビジネスにおいて、韓国勢などの後塵をはいする日本です。

なぜ遅れをとるか?

それは「市場が求めるニーズへの迅速な対応」という、ビジネスの基本となるところが欠落していることが大きな要因ではないでしょうか。
つまり市場投入する商品やサービスを市場に求める形にあわせこんでゆく「ローカライゼーション」の重要性の認識が欠如しているのではないかということです。

これまで創られてきている製品・表品規格や社内ルール・手続きが重視され、市場の声への対応を後回しにしてきた結果、市場の声に即時対応する柔軟性と貪欲さをもつ韓国企業などに遅れをとる結果となっているのだろうと思うところです。

これは商品・製品・ブランド・ルール・手続きが確立された大企業になればなるほど顕著です。
つまり、日本経済を代表し、第一陣部隊として新興市場での大型受注を目指す大企業の性質が、新興国が持つ市場性質とうまくマッチしていない結果、市場獲得に遅れをとっているという一面はもはや否定できないことであるということです。

ITは巨大企業とベンチャーの垣根をある部分において取り除きました。
新興国に急増するデマンド(要望)にこたえるために必要なものは、重厚長大な巨大インフラが絶対ではなく、軽薄短小や組み合わせによるソリューションも有効でしょう。
それが故に、小が大に挑むという現象を多く目にするようになりました。

皆さんはテラモーターズという企業をご存知でしょうか?

電動バイクを市場供給する企業ですね。
このテラモーターズの活動は、上述の内容の一例ではないかと思います。

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フィリピン政府による3輪タクシーの電動化プロジェクトはアジア開発銀行を中心に合計215億ペソの融資を受けて進められ、全国で350万台以上稼働中とされているトライシクル(三輪タクシー)のうち、2016年までに10万台をEV(電動)に置き換えるとされている。
(「入札要件は、定員がドライバー入れて6人乗り、リチウムイオン電池を搭載し充電時間は2時間、最高時速、航続距離ともに50kmなど」)
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フィリピンからのこの要請にこたえているのが、日本のベンチャー企業であるテラモーターズなのです。
テラモーターズはフィリピン政府とともに10万台のバイク生産を目指して取り組んでいます。
フィリピン政府がEV(電気自動車)を推進する理由は、大気汚染やガソリン価格の高騰にあります。
マニラ首都圏の排気ガスによる大気汚染はひどく、年間を通じて呼吸器系の疾患が多く認められています。
また燃料コストが高騰すれば各国の財政や経済成長の足を引っ張ることも懸念点です。
これら直面する国家リスクに対応するため、政府主導で庶民の足であるトライシクルを電動化プロジェクトを実施しているのです。
フィリピン政府は、この電動化プロジェクトにより、トライシクルの燃料消費量の2.8%(石油に換算して約56万バレル)の削減を目指しているようです。

2008年当初、フィリピン政府は安価な中国製の電気バイクを導入したところ、数か月も経たないうちに壊れてしまい、部品の入手もままならないという経験をしています。

そこで立ち上がったのがテラモーターズです。

フィリピンのみならずスリランカやインド、バングラデシュなどの新興国でも高い需要があります。

テラモーターズの徳重社長はこういった新興国での需要に対し「日本の大手が動かないので、我々ベンチャーがそれをやっていく」と強い意気込みを発信されています。

フィリピン政府の要望に対して、資金力も豊富な本田や鈴木、あるいはカワサキなどが取り組めなかった(取り組まなかった)のはなぜか?

よく考えてみる価値がありそうです。

世界に通用するベンチャー、つまり「メガベンチャー」と「新興市場」、相性は大変によさそうですね。
新興市場では新しい経済が生まれています。
不確定性と不確実性を内包しつつ、大きな成長を遂げる新興市場へのアプローチには、ベンチャー企業の貪欲さと柔軟さが不可欠である、と提言します。

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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