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海外ビジネス コラム

商習慣 2012年12月14日

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「ルックイースト政策」が、日本企業のマレーシア進出の大きな支えになっている!

鵜子 幸久(桜リクルート社(マレーシア))

1981年に首相に就任したマハティールが、その年末に発表したのが「ルックイースト政策」です。

旧宗主国であるイギリスやその他欧米の先進国からではなく、東の国である日本から学ぼうという考え方で、現在に至るまでこの政策は貫かれています。
マハティール元首相自身が大の親日家で、息子を日本に留学させたほか、自ら何度も足を運び、科学技術や学術分野だけでなく、伝統産業や文化芸能の分野に至るまで「日本」を学び続けました。
この政策が、いかにマレーシアの発展に寄与し、アセアンの中でリーダーシップを取れるような国に急成長させてきたかは誰もが認めるところでしょう。

まず、国力を高める人材を輩出するため、毎年多くの国費留学生を日本に送り出しています。
1982年以降、ルックイースト政策によって留学した学生の数は現在8000人近くに達しています。
彼らの中にはマレーシア政府の要職についたり、日系大手企業の幹部になっている人たちも多くいます。
政府間の関係でいくと、これらの留学費用はマレーシア政府からの出費だけでなく、日本からのODAでもまかなわれてきました。
実は日本のODAが、特定の国の学生の日本への留学費用のために使われるというのは非常に珍しいケースで、かつODAを与えても反日行動が止まないアジアの他国に対しての効果と比較すると、確実に日本ファンを増やすことのできる生きたODAの形であると思います。
両国政府のアライアンスで、本年ついにマレーシアにて、「マレーシア日本工学院」という学校教育機関が立ち上がり、日本に留学せずとも同じ内容の高等授業を受けることのできる体制となりました。

余談ですが、日本留学のOBで構成されるALEPSという組織は、毎年7月にアジア最大の盆踊り大会を運営し、数万人の日本ファンが訪れるビッグイベントとして有名になっています。

高等教育分野だけでなく、職業訓練や研修制度で日本の教育を受けている人も非常に多いです。
また、最近ではアニメやマンガ、ドラマなどの日本が誇るソフト分野の台頭で、ますます日本語や日本文化を学びたいという若い世代も増加し、現地の日本語学校にも多くの生徒が学びに来ています。
そういうわけで、マレーシアでは首都クアラルンプールからかなり遠い地方都市や農村に行っても日本語を話す人に必ず会います。
当社は人材紹介事業も行っていますが、日系企業の進出・セットアップをお手伝いするのと並行して、立ち上げに力を貸してくれる日本語の堪能なマレーシア人の紹介も同時に請け負うことが頻繁にあります。
その際は、前述したように日本に留学した経験がある日本語堪能な者を見つけるのは非常にたやすく、事業スタートの際の大きな力となって活躍してくれます。
言語面だけではなく、親日がゆえに日本人のメンタリティやモラルをちゃんと心得ている者も多いので、日本人オーナーや駐在員との間で以心伝心が図れ、その他の一般ローカル社員へ意思伝達してくれる大きな鎹(かすがい)の役割を果たしてくれることも期待できます。

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鵜子 幸久

(桜リクルート社(マレーシア))

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