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海外ビジネス コラム

時事 2012年11月07日

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【リーダー交代特集】小泉元総理がマレーシア進出の礎を築いた! 首相交代で海外ビジネスはどうなるのか?

鵜子 幸久(桜リクルート社(マレーシア))

少し古い話ですが、2006年7月13日に「日本・マレーシア経済連携協定(EPA)」が発効しました。
その経緯は、さかのぼること2003年末、小泉総理とアブドゥラ首相との首脳会談合意を踏まえ、翌年1月からさっそく交渉が開始され、2005年には両国首脳会談で大筋合意し、その後条文交渉を経て、同年12月13日、両国首脳が協定に署名したというものです。

この協定は、「両国間の物品、人、サービス、資本の自由な移動を促進し、双方の経済活動の連携を強化するとともに、観光等の分野での二国間協力を含む包括的な経済連携を推進することを目的とする」というもので、具体的には以下の商品やサービスに関しての両国の垣根を10年かけて下げていこうという画期的な協定です。

• 物品の貿易
• サービス貿易
• 投資
• 二国間協力(観光、農林水産、教育・人材育成、情報・通信技術、科学・技術、中小企業、環境)
• 知的財産
• ビジネス環境整備
• 基準認証・相互承認

それまで閉鎖的なスタンスを崩さなかった日本ですが、小泉前総理の規制緩和・構造改革の強いリーダーシップにより、日本の立場ではマレーシアが3番目にEPAを結んだ国ということになりました。
以降順調に開放がすすんでおり、目に見えるところでも、日本車の関税率低減による販売価格低下、サービス業進出時の外資規制撤廃、日本人のMM2Hビザへの優先承認など、実際にこのEPAが形となって実施されていることを実感します。
反対に日本側はマレーシア産の木材やフルーツなどへの関税率を下げています。
EPAのおかげで両国の貿易高が急増しているのも周知の事実です。
しかしまだ互いに解放し合っていない分野もありますし、全方位外交のマレーシアは日本以外の国々とはTPPスキームを通じてさらに風とおしのよい関係を築きつつありますので、日本としては今あるEPAだけで安心していいというのは大間違いです。

前置きが長くなりましたが、日本では早ければ年内、遅くても来年前半のしかるべき時期に解散・総選挙が行われます。
与党第一党の党首が「総理」として日本の舵取りをまかされていくことになりますが、大きな論点のひとつとして、「TPPを始めとした海外との付き合い方をどうしていくか?」というテーマがあります。
このテーマはかなり前から議論されてきましたが、推進派・国内産業擁護派双方の主張が折り合わないまま着地点を見いだせず、「開国」を迫る外国勢に対しては一貫して玉虫色の回答をせざるを得ない、というなんともわかりにくい情勢になっています。

現時点で自民党・民主党の政策の違いをウォッチしてみると、自民の安倍総裁は、TPP交渉に関して「聖域なき関税撤廃」などといった国益に反する形での参加に反対しています。
一方で民主の野田総理は、ばらばらな党内の意見集約に手間取っていますが、経済界にも背中を押され、交渉参加に意欲をみせています。
「ディフェンス」でいくか「オフェンス」でいくかで、今後の日本のマレーシアをはじめとした海外各国とのお付き合いのスタンスが決定されていくわけです。

この決定を誤ると、「日本は見捨てられ仲間外れにされていく」という最悪のシナリオが進んでいくかもしれません。
日本国民は政治と経済は表裏一体であるということを頭に入れ、日本の未来を一票に託さなければいけないと思います。

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鵜子 幸久

(桜リクルート社(マレーシア))

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