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特定技能外国人の採用方法ガイド|手続きの流れ・費用・注意点を実務担当者向けに解説

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近年、特定技能制度を利用して外国人材を採用する企業が急増しています。出入国在留管理庁の発表によると、2025年6月末時点における特定技能の在留外国人数は約33万6,000人に達しており、前年同期比で約33%増と高い伸び率を維持し続けています(出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」2025年6月)。

一方で、採用を初めて検討する人事・採用担当者の方から「どこから手をつければよいかわからない」「書類が多くて流れが把握できない」といった声をよく耳にします。特定技能は技能実習制度と異なり、転職が可能で即戦力性が高いというメリットがある反面、在留資格申請・支援計画・協議会加入など、担当者が理解しておくべき手続きが多岐にわたります。

本記事では、特定技能外国人の採用方法について、採用ルートの選び方から手続きの流れ・費用目安・注意点まで、実務担当者の視点でわかりやすく解説します。初めて特定技能の採用に取り組む中小企業の担当者の方に、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

この記事でわかること

  • ・特定技能外国人の採用ルートは「海外からの呼び寄せ」と「国内在留者の転職採用」の2種類があること
  • ・採用から就労開始までの手続きの流れと各ステップの所要期間の目安
  • ・採用にかかる費用の内訳と、担当者が押さえておくべき法的義務(支援計画・協議会加入・定期報告)

1. 特定技能外国人を採用する2つのルート

海外からの呼び寄せ採用

海外在住の外国人を特定技能として採用する場合、まず相手国で求人・マッチングを行い、現地で特定技能評価試験(または技能検定)と日本語試験をパスしてもらう必要があります。試験に合格した後、出入国在留管理庁に在留資格認定証明書(COE)の交付申請を行い、認定証明書が発行されてから本人が日本大使館・領事館でビザを申請し、来日・就労を開始するという流れになります。

この方法の審査期間は、在留資格認定証明書の交付までに通常1〜3ヶ月程度かかります。さらに現地での試験準備・受験期間や、ビザ発給・渡航手続きを含めると、採用決定から就労開始まで3〜6ヶ月以上の期間を要することも珍しくありません。一方で、海外では特定技能に興味を持つ求職者数が多く、人材の選択肢が広いというメリットがあります。ベトナム・フィリピン・インドネシアなど、日本語学習者が多い国からの採用事例が特に増えています。

なお、海外在住者のうち元技能実習生(技能実習2号を良好に修了した者)は試験が免除されるため、修了実習生との接点がある場合は積極的に活用するとよいでしょう。また、日本語試験についても、技能実習2号修了者は免除の対象となっています。

国内在留者の転職採用

もう一つのルートが、すでに日本国内に在留している外国人を採用する方法です。対象となるのは、特定技能の在留資格を持ってほかの企業に就労中の方(転職採用)や、技能実習2号を修了して特定技能への移行を希望している方などです。

この場合に行う手続きは、出入国在留管理庁への在留資格変更許可申請です。海外からの呼び寄せと異なり、本人がすでに日本国内にいるため、審査が許可されれば1〜2ヶ月程度で就労を開始できるケースが多く、スピード面で有利です。また、日本語でのコミュニケーションに慣れている方が多いため、職場への早期適応という点でもメリットがあります。

ただし、現在ほかの企業に在籍している特定技能外国人の転職採用には注意が必要です。特定技能は職種・分野に限定があるため、採用しようとしている職種が相手方の在留資格の対象分野と一致しているかどうかを事前に確認する必要があります。また、現在の会社との雇用契約の残存期間や退職時期の調整が採用プロセスに影響することもあるため、早めに状況を確認しておくことをおすすめします。

国内採用の場合、求人媒体(外国人向け求人サイト・ハローワーク等)を活用する方法のほか、特定技能外国人の転職支援を専門とする人材紹介会社を利用するケースも増えています。

2. 採用から就労開始までの流れ

① 求人・マッチング

特定技能外国人の採用活動は、大きく分けて「自社での直接採用」と「人材紹介・登録支援機関経由の採用」の2パターンがあります。直接採用の場合、外国人向け求人サイト(JCAT・外国人雇用サービスセンター等)への求人掲載や、ハローワークへの求人登録が主な手段となります。人材紹介会社や登録支援機関を活用する場合は、自社の求人要件(業種・職種・日本語レベル・就労開始希望時期など)を伝えると、候補者のマッチングを代行してもらえます。

マッチング段階で確認すべき主なポイントは、対象の特定技能分野・業務区分と自社の募集職種が一致しているか、必要な技能試験・日本語試験の合格証明書を保有しているか(または修了実習生として免除対象か)、日本語コミュニケーション能力が業務遂行に十分であるかの3点です。面接は対面・オンラインどちらでも行えますが、海外在住者の場合はビデオ通話面接が一般的です。

② 雇用契約・支援計画の策定

候補者が決まったら、雇用契約書を締結します。特定技能の雇用契約には、法令上の要件があり、日本人と同等以上の報酬水準であることが必須条件です。給与・労働時間・休日・業務内容・契約期間などを明記し、外国人本人が理解できる言語(または通訳を介して)で内容を十分に説明したうえで締結する必要があります。

雇用契約と並行して進めるのが1号特定技能外国人支援計画の策定です。受入企業は、事前ガイダンス・生活オリエンテーション・住居確保支援・日本語学習機会の提供・相談対応・定期面談など、10項目の義務的支援を計画し、書面で策定しなければなりません。自社で支援担当者を配置して対応することもできますが、多くの中小企業では登録支援機関に全部委託しています。委託する場合は、この段階で登録支援機関との委託契約も締結しておく必要があります。

支援計画は在留資格申請の必要書類の一つでもあるため、申請前に完成させておくことが求められます。

③ 在留資格申請(認定・変更)

雇用契約と支援計画の策定が完了したら、出入国在留管理庁に在留資格の申請を行います。海外からの呼び寄せの場合は「在留資格認定証明書交付申請」、国内在留者の場合は「在留資格変更許可申請」となります。

申請に必要な主な書類は以下のとおりです。

・雇用契約書(写し)

・1号特定技能外国人支援計画書

・特定技能外国人の履歴書

・技能試験・日本語試験の合格証明書(または技能実習修了証明書)

・受入機関(自社)の概要書・登記事項証明書・決算書

・税務関係の書類(納税証明書等)

・登録支援機関との委託契約書(委託する場合)

書類の種類は多岐にわたり、不備があると審査が大幅に遅れる原因になります。初めて申請する企業は、行政書士や申請取次者に依頼するのが現実的です。審査期間は在留資格認定証明書で1〜3ヶ月程度、在留資格変更許可申請で1〜2ヶ月程度が目安ですが、申請内容・時期・混雑状況によって変動します。認定証明書が発行された後、海外在住者は現地の日本大使館・領事館でビザを申請し、入国・就労開始となります。

④ 就労開始・定期報告

外国人が来日・就労を開始した後も、受入企業には継続的な対応が求められます。まず、就労開始後速やかに協議会への加入手続きを行う必要があります(分野によっては初回受入から4ヶ月以内が期限)。次に、登録支援機関または自社の支援担当者が、支援計画に基づいた各種支援(定期的な面談・相談対応・生活支援等)を実施し、その内容を記録します。

さらに、受入機関は出入国在留管理庁に対して4ヶ月ごとに定期届出(報告)を行う義務があります。報告事項には、特定技能外国人の在留・就労状況、支援計画の実施状況、受入機関の状況変更の有無などが含まれます。届出の遅延・虚偽報告は行政指導や受入停止処分の対象となるため、スケジュール管理が重要です。

在留資格の有効期限は最長1年(1号の場合)で、更新が必要です。担当者は在留期限を確実に把握し、期限の3ヶ月前を目安に更新申請の準備を開始することをおすすめします。

3. 採用にかかる費用と期間の目安

費用の内訳と金額目安

特定技能外国人の採用にかかる費用は、採用ルートや支援体制によって大きく異なります。主なコスト項目と目安金額は以下のとおりです。

在留資格申請代行費:行政書士等に依頼する場合、1人あたり5万〜15万円程度が相場です。

登録支援機関への委託費:支援計画の全部委託は月額2万〜4万円程度が一般的で、在留期間中(最長5年)継続的に発生します。

人材紹介手数料:紹介会社を利用する場合、年収の15〜25%程度(30万〜75万円程度)が相場です。海外採用で現地エージェントを利用すると追加費用が発生します。

その他:海外採用の場合は渡航費・健康診断費、住居確保支援費なども考慮が必要です。

国内在留者を直接採用する場合の初期費用は5万〜20万円程度と比較的抑えられます。一方、海外からの呼び寄せ+人材紹介会社利用では、初年度総費用が100万〜200万円程度になるケースもあるため、採用計画段階での費用試算が重要です。

期間の目安

採用から就労開始までの所要期間は、採用ルートによって大きく異なります。

【国内在留者の転職採用】

求人・面接・内定:2〜4週間

雇用契約・支援計画策定:1〜2週間

在留資格変更許可申請の審査:1〜2ヶ月

就労開始まで(合計目安):約2〜3ヶ月

【海外からの呼び寄せ採用】

現地求人・面接・内定:1〜2ヶ月

技能試験・日本語試験(現地での受験):試験スケジュール次第で1〜4ヶ月

雇用契約・支援計画策定:1〜2週間

在留資格認定証明書交付申請の審査:1〜3ヶ月

ビザ申請・渡航手配:2〜4週間

就労開始まで(合計目安):約4〜9ヶ月(試験免除者は短縮可能)

上記はあくまで目安であり、申請書類の準備状況や出入国在留管理庁の審査状況によって前後することがあります。入社時期に期限がある場合は、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。

4. 採用担当者が押さえるべき注意点

協議会への加入義務

特定技能外国人を受け入れる企業(受入機関)は、該当する特定技能分野の協議会に加入する義務があります。協議会は各分野を所管する省庁が設置しており、例えば建設分野は「建設技能人材機構(JAC)」、介護分野は「介護分野における特定技能協議会」、外食業分野は「外食業の事業環境整備推進機構」などが該当します。

加入のタイミングは分野によって異なりますが、多くの分野では初めて特定技能外国人を受け入れてから4ヶ月以内に加入することが求められています。加入が遅れると在留資格の更新ができなくなるリスクがあるため、就労開始と同時並行で手続きを進めてください。加入費用は分野によって無料のものから数万円のものまでさまざまです。また、協議会への加入後は、定期的な調査・アンケートへの協力や情報提供が求められることがあります。

担当者として、自社が採用する分野の協議会名・加入方法・期限を事前に確認し、採用スケジュールに組み込んでおくことが重要です。分野によっては建設分野のJACのように、協議会への加入(正会員または賛助会員)と受入企業の登録が就労開始前に必要なケースもあるため、早めの確認が求められます。

支援計画・定期報告の義務

特定技能1号の外国人を受け入れる場合、受入機関には支援計画の策定・実施・記録・報告という一連の義務があります。支援計画に定められた10項目の義務的支援は、企業が自ら行うか、登録支援機関に全部委託するかのいずれかで対応します。

10項目の義務的支援の主な内容は、事前ガイダンス・出入国時の送迎・住居確保支援・生活関連契約の支援(銀行・携帯電話等)・生活オリエンテーション・日本語学習機会の提供・相談対応・日本人との交流促進・非自発的離職時の転職支援・定期面談と行政への報告です。

これらすべての実施状況を記録し、出入国在留管理庁への4ヶ月ごとの定期届出に反映させる必要があります。社内に語学対応できる人材がいない場合は、登録支援機関への委託が現実的な選択です。支援計画の不実施や報告義務違反は行政指導・受入停止処分・企業情報の公表といった重大な不利益につながるため、担当者は義務内容を正確に把握し、適切に管理することが不可欠です。

5. よくある質問(FAQ)

Q1. 特定技能外国人を採用できる業種・職種は何ですか?

2024年3月の閣議決定で全16分野に拡大されています。従来の12分野(介護・ビルクリーニング管理・素形材/産業機械/電気電子情報関連産業・建設・造船・舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・農業・漁業・飲食料品製造業・外食業)に加え、2024年に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が新設されました(拡大済み)。各分野ごとに技能試験や要件が異なります。自社の事業・職種が対象分野に該当するかどうかを、まず確認することが第一歩です。

Q2. 特定技能1号と2号の違いは何ですか?

特定技能1号は在留期間の上限が通算5年(1年ごとの更新)で、家族帯同は原則認められていません。特定技能2号は在留期限の上限がなく(更新を続けることで長期在留が可能)、家族帯同も認められています。2号は1号よりも高い熟練技能が求められ、2024年時点では建設・造船・舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・農業・漁業・外食業・素形材産業・産業機械製造業・電気電子情報関連産業・ビルクリーニング分野が対象です。

Q3. 国内在留者の採用と海外からの呼び寄せはどちらが早いですか?

一般的に、国内在留者(在留資格変更)の方が早く就労を開始できます。在留資格変更が許可されれば1〜2ヶ月程度で就労開始できるケースが多い一方、海外からの呼び寄せは試験・審査・渡航を含めると4〜9ヶ月かかることも珍しくありません。急ぎで人材が必要な場合は国内在留者の採用から検討するとよいでしょう。

Q4. 支援計画は自社で作成しなければなりませんか?

自社で作成・実施することも可能ですが、登録支援機関に全部委託することもできます。支援計画には10項目の義務的支援が含まれており、実施・記録・報告の義務があります。社内リソースが限られる中小企業では、登録支援機関への全部委託が一般的です。委託費用の目安は月2万〜4万円程度です。

Q5. 協議会への加入はいつまでに行う必要がありますか?

分野によって異なりますが、多くの分野では特定技能外国人を初めて受け入れてから4ヶ月以内に加入する必要があります。加入が遅れると在留資格の更新に影響が出るため、採用決定後は速やかに手続きを進めてください。なお、建設分野のJACのように、就労開始前の加入が必要な分野もあります。

Q6. 在留資格申請は社内で行えますか?

法務省への申請は、原則として本人または申請取次者(行政書士・弁護士等)が行います。書類の準備・作成が複雑なため、初回は行政書士などの専門家に依頼するのが一般的です。2回目以降は自社で対応するケースもありますが、書類の不備は審査遅延につながるため、慣れるまでは専門家のサポートを受けることをおすすめします。

Q7. 定期報告はどのような内容を報告するのですか?

特定技能外国人を雇用する受入機関は、出入国在留管理庁に対して4ヶ月ごとに定期届出(報告)を行う義務があります。報告内容には、特定技能外国人の氏名・在留状況、支援計画の実施状況(各支援項目の実施記録)、業務内容の変更有無などが含まれます。届出は出入国在留管理庁の電子届出システム(オンライン)でも行えます。

6. まとめ

本記事では、特定技能外国人の採用方法について、採用ルートの選び方から手続きの流れ・費用・注意点まで解説しました。

採用ルートは「海外からの呼び寄せ」と「国内在留者の転職採用」の2種類があり、スピード重視なら国内採用、選択肢の幅重視なら海外採用が有力です。手続きは求人・マッチング→雇用契約・支援計画→在留資格申請→就労開始・定期報告の4ステップで進み、登録支援機関や行政書士などの専門家と連携することでスムーズに対応できます。

採用後の協議会加入・支援計画の実施・定期報告は法的義務であり、対応が遅れると受入停止処分のリスクがあります。担当者として採用後の継続的な管理体制を整えておくことが、特定技能制度を安定的に活用するための鍵となります。

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初めて特定技能採用に取り組む中小企業の担当者の方でも、適切なパートナーと組むことで安心してプロセスを進めることができます。まずはお気軽にご相談ください。


参考文献

・出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」

https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri07_00215.html

・出入国在留管理庁「特定技能制度」(制度概要)

https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/index.html

・出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」

https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/supportssw.html

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