KOLとは?インフルエンサーとの違いや中国のKOLマーケティングのメリット・デメリットを解説
KOLとは「Key Opinion Leader(キーオピオニオンリーダー)」の略で、特に中国の消費者の購買意志決定の際に強い影響力を持つ、なんらかの専門性を持ったインフルエンサーを指します。いわばKOL=中国版インフルエンサーです。そしてKOLマーケティングとは、そんな専門性を持ったインフルエンサーを起用したマーケティング施策を意味します。
KOLは、もともとは医療業界において、製薬企業の販売促進などに影響力を持つ医師などの専門家を指す言葉でしたが、21世紀の中国マーケットおける「KOL」と呼ばれる人々は、自身のブログやSNSで多数のフォロワーを擁し、自身が推薦する(あるいはPRを担った)商品やブランドやサービスなどの情報を発信しています。
本テキストでは、KOLとはなにか? KOLとインフルエンサーの違い、KOLマーケティングの定義…などについて解説します。結論から言うと、KOLと従来のインフルエンサーとの違いは…「KOL=専門性を持ったインフルエンサー」であるということです。具体的には、特定の業界や専門領域に明るいこと。つまり、その人物ならではの「専門性」を持っているのがKOLなのです。
これも本文内で解説しますが、その歴史的背景から「口コミ」が重要視される中国マーケットでは、そんな高い専門性と信頼性を持つ「KOL」のプレゼンスが年々増しており、従来のインフルエンサーマーケとはまた異なるマーケティング施策として、「KOLマーケティング」が注目されているのです。
本テキストでは、「KOLの基礎知識」と銘打って、KOLの概要、KOLとインフルエンサーの違い、中華圏でKOLマーケティングが支持されている理由のひとつである「金盾(きんじゅん)」や「圏子(チェンツ)」の存在、さらにはKOLと類似性がある「KOC」の概要…などについても解説していきます。
▼KOLとは「中国版インフルエンサー」強みは専門性と口コミ力
▼アナタの海外ビジネスを成功させるために
1. KOLとは?
KOLとは「Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)」の略称
KOLとは「Key Opinion Leader」の略称(接頭語)で、日本語だと「ケーオーエル」あるいは「キーオピオニオンリーダー」と呼ばれています。
もともとは医療業界において、製薬企業の販売促進などに影響力を持つ医師などの専門家を指す言葉でした。しかし、昨今の世界的なSNSの普及によって、2014〜15年あたりから、特に中国の消費者の購買意志決定の際に強い影響力を持つインフルエンサーを、「KOL(Key Opinion Leader)」と呼ぶようになっていきました。
つまりは、KOL=中国版インフルエンサーと言ってもよいでしょう。
詳しくは後述しますが、KOLと呼ばれる人々は、自身のブログのファンや、中国を含めた中華圏の人気SNSであるWeibo(微博 / ウェイボー)やWeChat(微信 / ウィーチャット)などで多数のフォロワーを擁しています。そして、自身が興味のある商品やブランドやサービスなどの情報を発信することで、自身のフォロワーを中心に、中華圏の消費者の購買行動に多大な影響を及ぼしています。
これもまた後述しますが、いわゆるインフルエンサーの中でも、より特定の業界や専門領域に明るい、SNSなどで強い影響力を持っているインフルエンサーを、社会において高い信頼性を持っている人物として、中国を中心とした中華圏のマーケティングにおいて、「KOL(Key Opinion Leader)」と呼ぶことが浸透しているのです。
2. KOLとインフルエンサーの違いとは?
KOLの最大の特徴は「専門性」
このセクションでは、前項でも触れた「KOLとインフルエンサーの違い」について解説します。
簡潔に言えば、KOLとインフルエンサーのもっとも明確な違いは「専門性」です。
KOLもインフルエンサーも…SNSやテレビや動画メディアといった、さまざまな媒体で、特定の商品やサービスやブランドなどの情報を、特定の層やグループに対してリーチできる…という特性では同じです。
しかし、KOLとインフルエンサーの違いは、自身が専門性および専門領域を持っているか否かで、明確に分けることができるのです。
KOLを一般的なインフルエンサーと比較した場合、その深い知識や技術による高い訴求力と信頼性を持っていることがKOLの大きな特徴です。
例えば、ある化粧品を消費者に紹介するにあたって、単なる美人(とされる)インフルエンサーよりも、よりコスメの知識に詳しい人物(メイクアップアーティストなど)とでは、多くのケースにおいて、後者の方がより強く消費者に対する説得力および訴求力を持つはずです。
それこそマーケティングにおいて、単純に商品やサービスの販促や認知のみを必要とするなら、インフルエンサーでも充分に目的を達成することができるでしょう。しかし、より深い商品やサービスの訴求や、より高い信頼性、および特定の層へのブラディングが必要であるならば、従来のインフルエンサーではなく、KOLと呼ばれる人々を起用することが有効とされているのです。
KOCとは「Key Opinion Consumer(キーオピニオンコンシューマー)」の略称
KOLの概要をご理解いただいた補足として、ここでは「KOC」と呼ばれる「Key Opinion Consumer(キーオピニオンコンシューマー)」についても簡潔に解説します。
KOCとは「Key Opinion Consumer(キーオピニオンコンシューマー)」の略称で、オンライン上の商品のレビューサイトなどで影響力を持っているとされる人物を指します。
KOLと比較した場合、KOCはフォロワー数こそ少ない場合がほとんどですが、より消費者の立場に立って、商品およびサービスを利用し、かつ使い込んでいるケースがほとんどです。
よってマーケティングにおいては、KOLやインフルエンサーのように、より多くの層にリーチすることには不向きですが、商品やサービスをPRするにあたって、それらの特性や機能を消費者目線でよりわかりやすく訴求する必要がある場合は、KOCを起用したマーケティングが極めて有効とされています。
それこそ、場合によっては、企業(スポンサー)に偏った意見やインプレッションを発信しがちなKOLよりも、より公正な目線と立場を持っているKOCの方が消費者の信頼を得るケースも充分にあり得るのです。
以上のことから、中華圏のマーケティングにおいては、KOL、KOC、インフルエンサーそれぞれの特性を考慮して起用していくことが重要なポイントであることは言うまでもありません。
3. 中国および中華圏でKOLマーケティングが支持されている理由とは?
中華圏の文化と市場の特徴がKOLの隆盛に影響している
このセクションでは、中国および中華圏でKOLマーケティングが支持されている理由について解説します。
中華圏マーケティングでKOLが支持されている理由には、中国および中華圏 の文化と市場の特徴が深く関係しています。
結論から言ってしまえば、中国ではマスメディアや広告に関する信頼度があまり高くないのです。
以下よりその理由から考察していきましょう。
「金盾(きんじゅん)/ グレート・ファイアウォール」の存在
中国市場でマーケティングを実施する場合、まず最初に意識しなければならないのが、社会主義国家ならではの、中国政府によるインターネット上での表現の規制です。
もっとも有名なのは、「金盾(きんじゅん)」という、いわゆる「グレート・ファイアウォール」と呼ばれている、中国ならではのインターネットの検閲システムです。
「金盾(きんじゅん)/ グレート・ファイアウォール」は、中国の全国民および民間企業を保護対象としており、通信上の監視のみならず、接続規制や遮断
も実施する、中国全土に広がる大規模な検閲システムとして知られています。
余談ですが、中国には政府主導の「Golden Project(金字工程)」と呼ばれる国家プロジェクトが存在します。「金字工程」とは、政府の業務を全て電子化するプロジェクトであり(いわゆるE-Government )、それらは12の分野にまたがっています。
先述した「金盾(きんじゅん)/ グレート・ファイアウォール」は、その12分野に渡る「Golden Project(金字工程)」のひとつであり、検閲などを含めた国家の情報管理システムに相当する分野とされています。
中国で「口コミ」が重要視されるのは「圏子(チェンツ)」という文化の存在が影響している
また、誤解を恐れずに言えば、古来より本土内にて民族同士の戦争が多発していた歴史的な背景から、中国では他人に対して猜疑心がある傾向があります。
さらに、中国人コミュニティを理解する上で重要な「圏子(チェンツ)」という文化の存在もあります。「圏子(チェンツ)」とは、同じ地域やライフスタイルや趣味などを共有する人々から構成されるコミュニティを指します。
「圏子(チェンツ)」においては、お互いに助け合い共存していくことが重要で、場合によっては他の「圏子」よりも、自分の所属する「圏子」のメンバーの利益が優先されるケースが多々あります。
それこそ中国では、従来より、国家発の情報よりも、「圏子(チェンツ)」内の情報が信用されてきました。それらの信頼性の高い情報は「口コミ」として、「圏子」内で共有され拡散されていたのです。
従来は農村社会などで重要視されてきた「圏子(チェンツ)」ですが、現在は、それらの文化特性が、そのままオンライン上にて展開されるようになっています。つまり現在はインターネット上で従来の「圏子」の概念のひとつである「口コミ」が共有され、より高い信頼性を誇っているのです。
つまり、中国および中華圏のマーケットでは「口コミ」が重要視されます。また、先述した中国ならではの歴史背景と、「金盾(きんじゅん)/ グレート・ファイアウォール」の存在によって、中国人消費者の多くが、マスメディアや広告の情報に対して懐疑的な傾向は否めません。
そのような背景があって、本文のテーマである「KOL」を始めとするインフルエンサーの存在が、中国消費者の購買行動に非常に強い影響を与えるとされているのです。
4. KOLマーケティングのメリット&デメリット
最後のセクションでは、そんな「KOLマーケティング」のメリットとデメリットについて解説します。
KOLマーケティングを改めて定義すると、「なんらかの専門性を持ったインフルエンサーを起用したマーケティング」となります。
KOLマーケティングのメリット
■ 専門性のある信頼度が高い「口コミ」情報を素早く消費者に届けられる
先述したように、KOLは専門性を持ったインフルエンサーなので、より深い専門性をともなった情報発信が可能になります。
また、これも先述のように「口コミ」が重要視される中国市場において、KOLは消費者にとって信頼度の高い情報を届けることができます。
またフォロワーが多いKOLであれば、SNSなどを駆使して一気に情報が拡散できるため、素早く商品の認知度をアップすることも可能です。
KOLマーケティングのデメリット
■ 高いコストが必要で一過性の情報発信になってしまう可能性もある
当然ですが、消費者に人気のあるKOLを起用するには、ある程度のコストが必要です。
また先述したように情報拡散のスピードが速い分、それらの情報が一過性のものになってしまう可能性も否めません。
また自社でKOLを選定するにも、そもそも中国のSNS事情やWEBマーケに造詣が深くないと、決して容易ではないでしょう。
そういう意味では、決してKOLマーケティングは万能な施策ではないことを肝に銘じておく必要があります。
7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介
御社にピッタリの中国(中華園)進出サポート企業をご紹介します
今回は「KOLの基礎知識」と銘打って、KOLの概要、KOLとインフルエンサーの違い、中華圏でKOLマーケティングが支持されている理由のひとつである「「金盾(きんじゅん)」や「圏子(チェンツ)」の存在、さらには補足として「KOC」の概要…などについて解説しました。
ここまで読んでいただければお分かりのように、中国の歴史や文化、さらには昨今のSNS事情などに詳しくなければ、日本企業が独自でインフルエンサーおよびKOLマーケティングを実施していくのは決して容易ではありません。
したがって、中国文化および中国のオンライン市場に詳しい専門家にオーダーすることも視野に入れるとベターです。
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(当コンテンツの情報について)
当コンテンツを掲載するにあたって、その情報および内容には細心の注意を払っておりますが、掲載情報の安全性、合法性、正確性、最新性などについて保証するものではないことをご了承ください。本コンテンツの御利用により、万一ご利用者様および第三者にトラブルや損失・損害が発生したとしても、当社は一切責任を負わないものとさせていただきます。
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*欧米+アジアへの海外進出を"デキル化"伴走サポート*
私たちは日本企業のアメリカ・東南アジア・東アジアへのグローバル展開をサポートします。
支援実績社数500社を超え、見えてきた成功と失敗の共通点・傾向から、"企業の「やりたい」を『デキル化』する" をモットーに、新しい市場への挑戦に伴走します。
事業をしっかり前に進めるための"デキル化支援"として、これまでに携わった海外進出支援の中で、効果的な支援手法として、これらの3つのサービスラインナップを用意しております。
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01:デキル化伴走サポート
私たちが貴社のグローバルマーケティングチームになります。
海外進出のアイデア段階から伴走し、すべき/すべきでないことをミエル化し、デキるサイズ(実現可能な行動)に落とし込み、デキル化。
貴社のグローバルマーケティングチームとして積極的な事業推進を伴走します。
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02:グローバルマーケティング各施策
各フェーズ(調査・設計・実施)で、幅広い施策サポートを。
海外進出の各フェーズ・各施策を必要な分だけサポート。
ご要望と協議により、最適な関わり方・契約形態にて支援。
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03:グローバルデキル化エージェントサポート
私たちが貴社の海外ビジネスのハブ役(エージェント)を担います。
グローバル展開に必要な現地企業・専門企業/専門家を、探索〜選定〜交渉まで実施。
"どのような企業が事業推進に必要になるかの設計"から携わります。
貴社にとってどんな企業がパートナーとして最適か、第三者視点で精査・提案いたします。
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以下2点が私たちの海外進出支援におけるバリュー(&理念)です。
■第三者ならではの貢献
企業支援の現場で私たちは「売る側」でも「買う側」でもない、第三者です。
私たちは「売る側」にも「買う側」にも肩を入れない、俯瞰的な位置に在るべきだと考えています。
"新しい市場でビジネス展開するためには、これらの3つの視野が必要"です。
- 主観:進出する企業(売る側|販売主の視野)
- 客観:進出する企業のお客様(法人・個人)や取引企業(買う側|消費者の視野)
- 俯瞰:わたしたち(第三者|売る側と買う側を俯瞰した視野)
それぞれの視野・立場だからこそ気づけること・見えること・わかることがあり、当然、偏りもある中でそのバランスをまとめる第三者が必要になります。
私たちはこれまで多くの支援実績やノウハウ(企業の成功・失敗の傾向と対策)に加え、第三者ならではの冷静さを持ち、事業推進を共に進めていく伴走者です。
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■会話にこだわり抜くこと
たとえば「成功したいんです」「失敗したくないんです」というコトバ。
これらのコトバたちは人によって意味も定義もまるで違うものです。
私たちは企業との会話で聞きます。
「あなたにとって成功とはどのような状態ですか?」
「失敗とはどのような状態ですか?」
どのような意味・思惑・意志を持ったコトバなのかもわからなければ、貢献なんてできません。
わかった気になって、会話のつもりが独り言になってしまうと、不協和音は鳴ってしまうものです。
私たちは、どんな当たり前のことも聞き、話します。
私たちの仕事において、会話はもっとも重要です。
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