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ライブコマースの基礎知識 | ライブコマース先進国「中国」の市場規模・ライブコマースのメリット&デメリット…ほか

掲載日:2021年01月28日

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ライブコマースとは〝ライブ配信とEコマースが融合した〟新しいオンライン上での販売形態です。

より簡潔に言えば、消費者がライブ配信を楽しみながら、かつ安心して商品を購入できるという、これまでにない購買体験をリルタイムで提供する、新しい通販スタイルと言えます。

ライブコマース先進国とされる中国では、以前よりライブコマースが隆盛でしたが、2019年の中国のライブコマース市場が4,338億元(約6兆9,408億円 / 1元=約16円)、続く2020年は1兆500億元、さらに2021年には2兆元規模まで成長すると予測されています。

このような驚異的な市場規模の成長の背景には、2020年からの新型コロナ感染拡大が大きく影響しています。詳しくは本文にて解説しますが、コロナ禍にともなう巣ごもり消費も追い風になって、さらに需要が拡大しているのです。

中国のみならず、世界的な規模でライブコマース市場は拡大しており、もちろん日本も例外ではありません。コロナ禍による越境EC市場の盛り上がりと比例して、アジア諸国と比較した場合、なかなか浸透していなかった日本市場においても、ライブコマースの可能性がより注目を集めているのが2021年の現状です。

本テキストでは、「ライブコマースの基礎知識」と銘打って、ライブコマースが注目される理由、ライブコマース先進国「中国」の最新状況と市場規模、ライブコマースのメリット&デメリット、日本のライブコマース市場の現状と今後の展望…などについて解説していきます。

▼ライブコマースの基礎知識 | ライブコマース先進国「中国」の市場規模・ライブコマースのメリット&デメリット…ほか

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1. ライブコマースとは?

ライブコマースとは〝ライブ配信とEコマースが融合した〟新しい販売形態

「ライブコマース」とは、その言葉通り、「ライブ配信」と「Eコマース(電子商取引)」をミックスさせた、新しい販売形態で、実店舗をオンライン上のインターネットに移行させた〝ECサイト〟と、〝ライブ配信動画〟が組み合わさったものです。

より簡潔に言えば、消費者がライブ配信を楽しみながら商品を購入できる、新しい通販スタイルと言えます。

イメージとしては、これまでのテレビショッピングに双方向性が加わったもので、視聴者(および消費者)はリアルタイムで配信者(および出品者)に質問やコメントなどをしながら、リアルタイムかつインタラクティブにショッピングを楽しむことができます。

後述しますが、ライブコマースにおいては、その〝楽しむ〟という要素が重要視されています。

具体的には、これまでのテレビショッピングとは異なり、商品の販売者(ときにインフルエンサー)とコミュニケーションをとりながら商品を購入してもらうことで、より深い商品知識だけでなく、リアルタイムの動画配信ならではの親近感や一体感を共有した〝新しい購買体験〟を消費者に提供できることが注目されています。

2. ライブコマースが注目される理由

ライブコマースが注目される3つの理由とは?

このセクションでは、前項でも軽く触れた「ライブコマースが注目される3つの理由」について解説します。

ライブコマースがここまで注目を浴びている理由は様々ですが、大きく分けて、下記の3つに分類することができます。以下より見ていきましょう。

理由①:2020年代は〝動画の時代〟である

多くの方が肌感で感じていると思いますが、年を追うごとに、私たちの生活において動画がより身近なものとなっています。

オンライン上では、従来の文字によるコミュニケーションよりも、より直感的ないわゆるノンバーバル(非言語な)コミュニケーションが隆盛となっており、ユーチューバーの存在や、インスタグラムの動画投稿の人気など、世界中の人々がこれまで以上に動画でコミュニケーションを楽しんでいます。

また動画制作の機材も安価になり、ネットワークの充実度もアップしたことで、動画を配信する側も、それを受け取る側も、双方において障壁が非常に低くなっているという、いわば「動画の時代」に突入したといっても過言ではありません。

〝ECサイトとライブ配信動画〟が組み合わさった「ライブコマース」は、そんな「動画の時代」にまさにジャストフィットした新しい販売スタイルと言えるでしょう。

理由②:5G通信の開始による恩恵

日本でも、2020年の春より5Gがスタートしました。5Gとは「5th Generation」の略で、1G、2G、3G、4Gを経た「第五世代移動通信システム」を指します。

5Gの特徴は…①高速大容量通信 ②超信頼・低遅延通信 ③多数同時接続…の3つに分けられます。それらにともなって、ゲームや動画といった大きなデータ量を要するものでも、これまで以上に高速ダウンロードが可能です。

当然ながら5Gの存在は、今後の動画配信によりポジティブに働きます。その恩恵を「ライブコマース」も得ることができるのは言うまでもありません。

理由③:コロナ禍下における〝巣ごもり消費〟の増大

2021年においても「新型コロナ感染拡大」については予断を許さない状況です。コロナ禍下の世界において、世界中でロックダウンや外出禁止令が発令されましたが、そのような状況下で生まれた消費トレンドが〝巣ごもり消費〟です。

巣ごもり消費とは、外出自粛にともなった自宅でのEコマースショッピングや、オンライン上のコンテンツを楽しむことを指しますが、店頭で直に手に取って商品を確認できない状況において、より消費者のニーズ(商品の信頼性や機能性をより詳しく知ることができる…など)によりそった「ライブコマース」は、まさにぴったりの販売スタイルであることは間違いありません。

3. 中国ライブコマースの最新状況と市場規模

中国は世界有数のライブコマース先進国

まさに時代にフィットした新たなスタイルであるライブコマースは、世界中の小売市場で注目されています。結論から言えば、そんな世界のライブコマース市場でもっとも大きな規模を誇っているのが、中国です。

このセクションでは、ライブコマース先進国「中国」の最新事情と「ライブコマース市場規模」について解説します。

2021年の中国ライブコマースの市場規模は2兆元規模

結論から言えば、中国のライブコマース市場は急速に成長し続けています。

2019年の中国のライブコマース市場は4,338億元(約6兆9,408億円 / 1元=約16円)となっていました。さらに2020年は1兆500億元、2 021年には2兆元規模まで成長すると予測されています。(※)

※多国籍な大手会計事務所KPMGが2020年10月12日に発表したライブコマースレポートより

また中国商務部によると、2020年上半期の中国国内のライブコマースイベントの開催回数は1,000万回、ライブコマースで活躍するキャスターは40万人、視聴回数は500億回、販売商品は2,000万アイテムを超えたとされています。

※参照:
「中国のライブコマース、2021年に2兆元規模へ」JETRO

中国のライブコマース市場で売れる商品とは? 中国でライブコマースが広まった理由とは?

中国のライブコマースでよく売れる商品の種類は、衣服・ファッション、化粧品、生鮮食料品、家電、日用品などとされています。これらの商品は、ライバーと呼ばれるライブ販売員が、ライブ配信を通じて、より詳しく商品の特徴を解説したり、商品の実演販売をすることで、消費者の販売意欲がよりアップすると見られています。

また、従来より中国のオンラインショッピングでは、いわゆる「口コミ」が重要視されており、その背景には、中国の消費者が自国の商品に関する信用度が低く、実際に商品を手にした自分以外の消費者のインプレッションを参考に購買を決定するという傾向がありました。

その点、ライブコマースであれば、実際にライバー(ライブコマース販売員)やインフルエンサーたちが、商品の特性や機能を解説するだけでなく、オンライン上のチャットなどでインタラクティブに質疑応答もできることから、消費者がより安心して購入できることができます。

さらには、先述したように、2020年のライブコマース市場は、コロナ禍にともなう巣ごもり消費も追い風になって、さらに需要が拡大していきました。また、コロナ禍の影響から出荷が滞ってしまった農産品を、生産者が農村から直接販売する「農村ライブコマース(原産地ライブコマース)」が人気となり、大きな話題となりました。

中国ライブコマースは「プラットフォーム型」がメインで「淘宝網(タオバオ)」「天猫(Tmall)」が人気

ライブコマースと一口にいっても、その種類は多岐に渡りますが、中国のライブコマースは、いわゆる「プラットフォーム型」が主流となっています。

そのプラットフォーム型の中でも、大きく分けて2種類あるとされており、ひとつめが、既存の大手ECプラットフォームが新たにライブ動画を配信するツールを開設したタイプ。ふたつめが、エンターテイメント系のコンテンツをライブ動画配信するコンテンツプラットフォームが新たにEC市場に参入したタイプとなっています。

具体的には…

前者が、アリババ傘下である「淘宝網(タオバオ)」や「天猫(Tmall)」のライブコマースチャンネル(「淘宝ライブ」「天猫ライブ」)、京東商城(JD.com)によるライブコマースチャネル(「京東ライブ」)など。

後者が、「抖音(TikTok)」「快手(KUAISHOU)」「闘魚(DOUYU)」「虎牙(Huya)」など。

…となっています。

中国消費者協会によると、ライブコマースユーザー数がもっとも多いのが、「淘宝ライブ」。次いで「抖音(TikTok)」「快手(KUAISHOU)」が続くとされています。

※参照:
「拡大する中国のライブコマース市場」三井物産戦略研究所

4. ライブコマースのメリット

ここからはライブコマースのメリットとデメリットについて解説します。まずはメリットから見ていきましょう。

メリット① リアルタイム性のあるインタラクティブな購買体験

ライブコマースはライブ動画配信なので、リアルタイム視聴ならではの一体感が売りとなっています。

また従来のEコマースにテレビショッピングとインタラクティブ性をミックスした販売スタイルなので、消費者(視聴者)が販売者(配信者)にチャットなどで質問などができる、インタラクティブな双方向性が特徴となっています。つまり、まるで実店舗でショップ定員と会話しながら買い物をするようなコミュニケーションを可能にすることで、従来のオンラインショッピングにはない新しい購買体験を実現しているのです。

メリット② インフルエンサーの存在による新しい客層

ライブコマースでは、自ら多くのファンやSNSフォロワーを抱える有名人やインフルエンサーと呼ばれる人々が「販売員」として起用されるケースが多々あります。

特に中国では、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるインフルエンサーが絶大な影響力を持っており、PR会社と連携するなどして、商品および企業のマーケティングにおいて重要な役割を担っているケースがあります。

したがって、そのようなインフルエンサーを起用したライブコマースでは、「配信者のファンだから購入する」といった新たな購買層の発生を促します。つまり、本来であれば、その商品にリーチしにくい販売層にアピールすることが可能なのです。

もちろん配信者であるインフルエンサーに左右されるものの、会社や商品の認知拡大やイメージアップにつながるケースも多々あります。

メリット③ ユーザーの声が商品に反映されやすい&購入までの導線がスムーズ

ライブコマースのライブ動画で視聴者から寄せられたコメントは、商品に関する貴重なユーザーデータとなります。また商品を購入したユーザーからのコメントも、今後の商品開発のための貴重なユーザーデータとなり得ます。

また、多くのライブコマースのプラットフォームでは、ライブ動画で配信されている商品へのアクセスおよび購入までの導線が、非常にスムーズに設計されています。

その購入までのスムーズな導線設計は、配信者側では収益増加に繋がり、消費者側でも、ストレスのない購入導線によるポジティブな購買体験を得ることができます。

5. ライブコマースのデメリット

続いては、ライブコマースのデメリットについて見ていきましょう。

デメリット① オンラインのライブ配信ならではの事前準備

ライブコマースは「オンラインでのリアルタイムなライブ動画配信」という特性があるため、配信設備や事前告知に周到な準備が必要とされます。

そもそもインタラクティブ性を重視したライブ配信のため、その限られた時間に、より多くのユーザーを集める必要があるため、従来のネットショッピング以上に、事前の告知(SNS告知など)やPR(WEB広告など)に注力しなければなりません。

また、ライブ配信をするサーバーやシステムのスペックにも注意が必要で、集客人数とスペックがフィットしていない場合は、サーバーダウンや動画が乱れたりする恐れもあります。

リアルタイムによるインタラクティブ性は、ライブコマースの大きな強みですが、それらを最大限に活かす設備投資や準備は、ある種のデメリットとも言えるでしょう。

デメリット② 配信者によっては注意が必要

人気のある有名人やインフルエンサーをライブコマースの配信者に起用した場合、先述したように、新たな購買層にリーチすることも可能となりますが、仮に配信者が紹介する商品に関する理解が不足していたり、そもそも商品自体に思い入れがない場合、かえってマイナスプロモーションとなってしまうケースもあります。

インフルエンサーに限らず、自社の販売員(ライバー)を起用する際も、その商品へのある種の熱量を持っていることは重要であると言えるでしょう。

6. 日本のライブコマース市場の現状と今後の展望

日本のライブコマース市場は発展途上段階

最後に、今後のライブコマース市場の展望について簡潔に解説します。

結論から言えば、ライブコマース先進国である中国や海外諸国と比較して、日本のライブコマース市場は、まだまだ未成熟で発展途上段階であることは否めません。

例えば、ライブコマースと同じように、EC市場で新たな販売スタイルとして注目されている「D2C」があります。

D2C(DtoC)とは「Direct to Consumer」の略で、メーカーやブランドが、既存の小売業者などを通さずに、〝直接(Direct)消費者(Consumer)に〟販売する仕組みやビジネスモデルを意味します。

D2Cの発展によって、自社商品を販売するにあたって、他社を介さずに、いわば直接コンシューマー(消費者)の手元に届けるビジネスモデルが頻繁に見られるようになりました。

その背景には、ライブコマース同様に、インターネットとデジタルテクノロジーの発展があり、その結果、企業は自らのプロモーションおよびマーケティングのみならず、販売はもちろんのこと、自社および商品のブランディングまでをも、自らコントロールできるようになったのです。

ライブコマースもD2Cも、自社が深く関わる販売チャネルを通して、直接消費者に販売するというスタイルでは同じですが、日本においては、D2Cと比較した場合、ライブコマースはまだまだ発展途上であることは否めません。

その要因としては、日本におけるライブコマース用のプラットフォームの未成熟さと、専門的なインフルエンサーがまだまだ不足気味であることが挙げられます。

コロナ禍で需要が増す越境EC市場におけるライブコマースの重要性

それこそ、D2CはSNSとの親和性が高いことが特徴ですが、さらにライブコマースをミックスすることで、新たな販路の拡大も期待できます。

また、ライブコマースはもともとアジア圏での市場が拡大傾向にありましたが、今回のコロナ禍によって、欧米や日本でも様々な企業の参入が始まっています。こと外資系企業の海外進出においては、ライブコマースは重要な販売戦略のひとつとして認識されています。

コロナ禍によって、さらなる盛り上がりを見せている越境EC事業においても、ライブコマースによる販売戦略は非常に有効な施策のひとつであると言えるでしょう。

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今回は「ライブコマースの基礎知識」と銘打って、ライブコマースが注目される理由、ライブコマース先進国「中国」の最新状況と市場規模、ライブコマースのメリット&デメリット、日本のライブコマース市場の現状と今後の展望……などについて解説しました。

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この記事を書いた人

SukegawaTakashi

助川 貴

株式会社Resorz

「Digima〜出島〜」編集部・コンテンツディレクター。 雑誌編集・書籍編集・WEB編集を経て現職。 これまでに、アメリカ・イギリス・インド・中国・香港・台湾・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・マレーシア・シンガポール・インドネシア・フィリピン・エジプトなどの国・地域へ渡航。趣味は、音楽・スノーボード・サーフィン・ドローンほか。

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