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AI時代の海外進出戦略|なぜ“現地拠点”がこれからの成功を左右するのか?

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AIの進化により、海外市場へのアクセスがかつてないほど容易になりました。市場調査、競合分析、翻訳対応、広告配信――これらの工程が、わざわざ現地に足を運ばずとも実行可能となり、「拠点を持たずに海外展開する」企業も増えつつあります。しかしその一方で、ある一定の段階に達した日本企業が直面するのは、「現地で信頼され、定着し、持続的に成長するには、拠点が必要だ」という現実です。

AIがもたらす合理化と効率化の恩恵を活かしながらも、本当にその地に根差した事業を実現するには、拠点という“実体”が不可欠です。特に、ローカルとの信頼関係、現地制度対応、人材マネジメント、ブランド認知といった要素は、物理的な存在や地理的近さによって初めて担保される部分も多くあります。

本記事では、現地拠点の必要性がなぜ今、AI時代において再評価されているのかを明らかにしつつ、その形態ごとの特徴や、本質的に成功するための拠点戦略の視点について、多角的に解説します。海外進出を「継続可能な成果」へと結びつけるために、拠点のあり方を見直す機会としてご活用ください。

AI時代における海外ビジネスの構造変化と“拠点”の再評価

情報の非対称性が縮まり、誰でも海外市場にアクセスできる時代へ

かつて海外ビジネスは、限られた大企業のみが挑める“特権的”な領域でした。情報収集には多くのコストと時間を要し、現地に強いネットワークがなければ正確な判断も困難でした。しかし、AIやデジタル技術の発展により、その構造は大きく変わりつつあります。検索エンジン、SNS分析、多言語翻訳、オンライン商談――これらの技術が整った今、規模の小さな企業でも、意欲と戦略さえあれば海外市場にチャレンジできるようになりました。

AIは、市場動向の可視化、競合分析、顧客ニーズの発掘といった“参入前段階”を強力に支援してくれます。この恩恵によって、従来以上に多くの企業が海外に目を向けるようになったことは間違いありません。しかし、そこにはひとつの落とし穴も存在します――“参入のしやすさ”が増す一方で、“定着して成果を上げる難しさ”は、むしろ顕在化しているのです。

しかし「現地対応力」や「現場での実行力」はむしろ差別化要因に

AIによって誰もが似たような情報にアクセスできるようになった今、競争優位性は「どんな情報を持っているか」ではなく、「それをどう現場で活かせるか」に移行しています。つまり、現地市場で実際に動ける体制があるか、現地の人々と信頼関係を築けているかといった“現場力”こそが、成功を左右する差別化要因となってきているのです。

たとえば、ローカルパートナーとの協業交渉や、顧客のクレーム対応、制度変更への即応など、実際の現地ビジネスでは「その場で誰がどう判断し、動けるか」が問われます。リモートでの管理には限界があり、現地で顔を合わせながら積み上げる信頼やスピード感のある対応こそが、顧客の継続利用や口コミ拡大を呼び込む土台になります。

AIが分析結果を提示してくれる一方で、それを文脈に応じて柔軟に判断し、現地特有のリアリティの中で実行するのは、やはり“人と現場”の力です。この現場対応力を支えるのが、まさに現地拠点の存在です。

拠点は単なる“旗印”から、“信頼と適応のインフラ”へと役割が変化

従来、現地拠点は「海外進出しているというシンボル」あるいは「輸出先との窓口」という機能にとどまっていた企業も少なくありませんでした。しかし、AI時代における拠点の価値は大きく変わりつつあります。それは、もはや“旗印”ではなく、現地での信頼を育み、環境変化に即応する“インフラ”としての役割です。

現地の制度や法令にスムーズに対応し、顧客や行政との対話を通じてブランド価値を高め、現地人材を受け入れて育てる――これらを支えるのは、拠点という物理的かつ組織的な存在にほかなりません。また、拠点があることで、現地のステークホルダー(顧客、取引先、従業員、行政)からの信頼感も増し、取引や連携のチャンスが広がります。

つまり、拠点は単なる“進出の証”ではなく、“現地に根ざすための装置”として、再評価されるべき段階に来ているのです。

現地拠点の形態とそれぞれのメリット・留意点

駐在員事務所/代表事務所:市場調査・情報収集の起点に

海外進出の初期段階で多くの企業が選択するのが、駐在員事務所や代表事務所といった、比較的ライトな拠点形態です。これらは営業活動や売上計上が制限されるものの、現地に常駐するスタッフが市場の動きを直接観察し、顧客やパートナーとの接点を持つことができます。現地政府との関係構築や情報収集にも有効で、「まずは地に足をつけて様子を見る」というスタンスに適しています。

注意点としては、事業拡大のスピードが制限されることです。直接契約や販売ができないため、一定の成果が見込まれた段階で、法人化など次のステップを見据える準備が必要です。とはいえ、リスクを抑えつつ現地に足場を築くという意味では、初期フェーズにおける有効な選択肢といえるでしょう。

現地法人:雇用・販売・契約等、事業の本格展開に不可欠

本格的に現地市場で事業を行うには、やはり現地法人の設立が最もスタンダードかつ重要な選択となります。法人格を持つことで、販売活動、雇用契約、現地パートナーとの正式契約、銀行口座の開設、政府補助金の受給など、ビジネス上のあらゆる活動が可能になります。

現地法人を持つことで、現地政府や顧客からの信頼度も格段に上がります。特に、長期的な取引や公共機関との関係構築を目指す場合、法人格の有無は極めて重要です。ただし、設立や運営にはコストや法的リスクも伴うため、進出前に十分な準備と専門家の支援が不可欠です。

法人設立はゴールではなく、むしろ「現地での本格的な勝負のスタートライン」として捉えるべきです。

ジョイントベンチャー/EOR(雇用代行):柔軟性とスピード重視の進出形態

スピード感を重視し、リスクを抑えながら現地に足場を築きたい場合は、ジョイントベンチャー(JV)やEOR(Employer of Record)といった形態も選択肢となります。ジョイントベンチャーは、現地企業と共同で会社を立ち上げる方法で、現地ネットワークや制度への理解を活用できる点が大きな魅力です。

一方、EORは現地法人を設立せずとも、現地人材を合法的に雇用できる仕組みで、近年スタートアップや中小企業を中心に利用が広がっています。人件費の管理、税務対応、社会保険などをEORが代行してくれるため、自社は事業活動に集中しやすい環境が整います。

ただし、JVはパートナーとの関係悪化や意思決定の遅れがリスクとなり、EORも制度変更や継続性の面で注意が必要です。スピードと柔軟性を重視するなら有効な選択肢ですが、中長期的には自社の戦略と整合する形への移行を視野に入れておくべきでしょう。

バーチャル拠点/共有オフィス:最小限のリスクで“顔を出す”手段として有効

最近では、物理的な事務所を構えずに、バーチャル拠点やコワーキングスペースを活用する企業も増えています。これにより、現地住所を確保しつつ、最小限のコストで「拠点を持っている」ことを対外的にアピールできます。営業拠点や初期的な接点づくりとしては非常に有効な手段です。

また、共有オフィスを活用すれば、現地の他企業との偶発的な交流やネットワーキングの機会も期待できます。こうした環境は、特に現地のビジネス慣習を学びたいフェーズや、まだ市場が不透明な段階でのテスト展開に適しています。

ただし、信頼や実行力を本格的に求められるフェーズに移行する際には、仮設的な拠点形態では不十分になることもあります。戦略上の役割を明確にし、段階的な拠点強化も見据えた運用が求められます。

なぜ今、現地拠点が重要性を増しているのか

信頼とブランド認知の「現地化」が顧客獲得に直結する

AIが高度化し、グローバルな広告配信やオンライン商談が可能になった今でも、現地での「信頼」は目に見えない大きな競争優位になります。特にBtoBの分野では、「現地にオフィスがあるか」「責任者がいるか」といった物理的・人的な存在が、顧客の安心材料になることが多々あります。

現地に拠点があることで、ローカルメディアへの露出、商談会や展示会への出展、そして顔の見える営業活動が可能となり、ブランド認知のスピードと質が格段に向上します。単に「海外から来た製品」ではなく、「ここに根付いた企業」として認識されることが、顧客の購買意欲に直接つながっていくのです。

規制対応・税制・商慣習への柔軟な対応には物理的拠点が不可欠

国や地域によって、法律・税制・商習慣は大きく異なります。突然の規制変更、業界独自のルール、行政とのやり取り――これらに迅速かつ正確に対応するには、現地に拠点があり、現地スタッフやパートナーと密に連携できる体制が必要です。

たとえば、日本本社からでは対応が難しい言語や文化的な交渉のニュアンスも、現地に精通した人材がいることでスムーズに乗り越えることができます。また、信頼できる会計事務所や法務事務所と接点を持ちやすいのも拠点の利点です。物理的な存在があるからこそ、「すぐに会って話せる」「調整が効く」といった、アナログな価値が再認識されつつあります。

現地人材の採用・育成・定着には「場」が必要

海外で事業を拡大していくには、現地の優秀な人材をいかに確保し、定着させられるかが鍵となります。そのためには、単に業務を割り振るだけではなく、「働く場」としての拠点の存在が不可欠です。オフィスがあることで、企業としての信用が高まり、優秀な人材を惹きつけやすくなります。

また、オフィスという物理的空間があることで、社員間のコミュニケーションが促進され、チームとしての一体感も生まれやすくなります。教育・マネジメント・評価制度の運用も円滑になり、離職率の低下にもつながります。人材活用の面でも、拠点は“インフラ”として極めて重要な役割を果たします。

AIやDX推進の土台となる「現地データ」「実行部隊」は拠点なくして成り立たない

AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)を海外ビジネスに応用するには、良質な現地データと、それをもとに動ける現場の存在が不可欠です。たとえば、現地顧客のフィードバックを収集・分析し、マーケティングに活用するには、日々の接点から生まれる一次情報が必要です。

さらに、AIが導き出した戦略や改善案を実行に移すには、それを実現できる「現地の人と場所」が求められます。つまり、AIは“脳”であり、拠点は“手足”として機能する存在なのです。この両輪が揃ってはじめて、真に現地に根ざしたデジタル活用が可能になります。

DXやAIの時代であるからこそ、「現地に動ける人と場所を持つこと」がデジタル戦略の前提条件となっているのです。

成功する現地拠点設立のための3つの視点

“拠点=目的”ではなく“手段”として設計する

海外に拠点を設けること自体を「ゴール」と捉えてしまうと、形だけの設立になりがちです。実際には、拠点はあくまでも戦略を遂行するための“手段”であり、目的達成のための装置であるという視点が欠かせません。「なぜ拠点が必要なのか」「どの機能を拠点に持たせるのか」「どの段階でどの形態が最適なのか」といった問いに丁寧に向き合うことが、成功する拠点設計の第一歩となります。

たとえば、現地でのブランド認知を高めたいのか、営業の起点としたいのか、制度対応のための窓口にしたいのか。それによって必要な人員や場所、拠点形態は大きく異なります。目的に応じて拠点の役割を明確にし、その役割に沿った機能を段階的に設計していくことが、投資の最適化にもつながります。

「スピード優先」か「信頼重視」か──自社に適した拠点形態を見極める

現地拠点の形態は、駐在員事務所、現地法人、ジョイントベンチャー、EOR、バーチャル拠点など多岐にわたりますが、それぞれに適したフェーズや目的があります。大切なのは、自社のリソースや進出スピード、現地での立ち位置に合わせて、最適な形態を選択することです。

たとえば、すでに現地でニーズが顕在化しており、早急に販売体制を構築したい場合はEORなどの柔軟な形態が有効です。一方で、現地の顧客や行政との信頼構築を重視するならば、多少の時間をかけてでも、法人化やパートナー企業との共同拠点の設立を検討すべきです。

スピードと信頼のバランスを見極め、自社がどちらを優先すべき局面にあるかを把握することが、拠点戦略の成否を左右します。

進出後も“拠点の再設計”を繰り返す柔軟性を持つ

海外展開は、一度拠点を設立すれば終わりではありません。むしろ進出後にこそ、マーケット環境の変化や自社戦略の見直しに応じて、拠点のあり方を何度も見直すことが必要になります。これは「現地法人を設立したから安心」といった考えでは立ち行かないことを意味しています。

たとえば、販売機能を重視して設立した拠点に対して、のちにR&D(研究開発)やサポートセンターとしての役割を持たせることもあるでしょう。逆に、市場が縮小傾向にある場合には、法人をEORなどの軽量な形態へと移行させ、コストの最適化を図ることも選択肢となります。

重要なのは、「固定化しない」ことです。事業の成長ステージや外部環境に応じて、拠点を柔軟に“再設計”するという発想を持つことで、海外拠点は常に戦略的な資産として機能し続けます。

まとめ

AIやデジタルツールの進化によって、海外市場への第一歩は格段に踏み出しやすくなりました。オンラインでの市場分析、SNSを活用したプロモーション、リモートでの商談──こうした手段が整った今、「拠点を持たずとも海外ビジネスはできる」と考える企業も少なくありません。しかし、実際に成果を上げ、現地で定着し、継続的な価値を生み出すには、やはり“現地拠点”という物理的・人的な基盤が必要不可欠であることが、改めて明らかになりつつあります。

現地拠点は、単にオフィスを構えることではなく、信頼、適応、実行を支えるインフラです。現地の商習慣や制度に即した対応、人材の採用・育成、そしてAIを活用したデジタル戦略の実行までも、拠点という現場があってこそ機能します。そしてその形態は、法人、事務所、EOR、シェアオフィスなど多様であり、自社のフェーズや目的に応じて最適な形を選ぶことが求められます。

AI時代の海外展開では、“拠点を持つ意味”そのものが進化しています。本記事を通じて、拠点を戦略的な「装置」として見直し、単なる設立にとどまらず、ビジネスの成果に結びつける設計と運用が求められることをご理解いただければ幸いです。

なお、「Digima~出島~」には、海外拠点設立の専門家が多数登録されています。「海外進出無料相談窓口」では、専門のコンシェルジュが御社の課題をヒアリングし、最適な専門家をご紹介いたします。是非お気軽にご相談ください。

本記事が、海外展開を検討される日本企業の皆様にとって、実務の一助となれば幸いです。

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