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なぜ海外ITプロジェクトは失敗するのか?海外進出の成否を分ける「グローバルPMO」という視点

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海外進出は、単なる「販路開拓」ではありません。それは、言語・文化・商習慣が異なる環境でゼロから事業を立ち上げる、巨大で複雑な「DXプロジェクト」です。

多くの企業が市場調査や法規制の壁に注目しますが、実はその裏で、プロジェクトの成否に直結するにもかかわらず見過ごされがちな「IT・システム」の問題が潜んでいます。

「現地法人を設立したものの、日本本社との情報連携がうまくいかず、経営判断に必要なデータが全く集まらない」
「鳴り物入りで導入した日本の基幹システムが、現地の商習慣に合わず、誰も使わなくなり形骸化してしまった」
このような話は、決して他人事ではありません。そして、これらの問題を解決する鍵こそが、「PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)」という視点です。

本記事では、ITコンサルティングと海外進出支援を専門とする弊社(office Root)の知見から、海外進出におけるITプロジェクトのよくある失敗と、それを防ぐための「グローバルPMO」の重要性について、具体的な事例を交えながら深く解説します。

▼ なぜ海外ITプロジェクトは失敗するのか?海外進出の成否を分ける「グローバルPMO」という視点

海外進出で陥りがちな「IT・DX」の4つの落とし穴

なぜ、多くの海外事業でIT関連のトラブルが続出するのでしょうか。それは、国内のプロジェクトとは異なる、海外特有の難しさがあるからです。

1. コミュニケーションの断絶と「データのサイロ化」

日本本社と現地法人との間には、言語の壁以上に「ビジネス文化の壁」が存在します。例えば、日本では「空気を読む」文化から詳細な報告がなくとも進む業務が、海外では明確な指示とレポーティングがなければ進みません。
結果として、現地法人が「こちらのほうが効率的だ」と独自の判断で現地のCRMツールなどを導入し(シャドーIT)、本社の知らないところで顧客データが蓄積されていく…。気づいた頃には、グローバルで統一されたデータ分析ができず、正確な経営判断が下せない「データのサイロ化」という深刻な事態に陥ります。

2. システム統合の失敗という「負の遺産」
「日本で成功しているこの基幹システムを、現地でも使わせれば間違いない」という本社の想いと、「現地の複雑な税制や請求書フォーマットに対応しておらず、全く使い物にならない」という現地の現実が衝突するケースは後を絶ちません。
無理に導入を進めれば、現場はExcelでの二重管理といった非効率な業務を強いられ、猛反発を招きます。結局、誰も使わない高価なシステムが「負の遺産」として残ってしまうのです。

3. 見積もられない「見えないITタスク」の罠
海外進出の計画段階では、華やかな事業計画に目が行きがちで、地味で専門的なITタスクは見過ごされがちです。
例えば、GDPR(EU一般データ保護規則)のような現地の法規制に対応するためのシステム改修、サイバーセキュリティ基準の違いへの対応、現地ITベンダーとの英語での契約交渉、データ移行の計画と実行、現地従業員へのITサポート体制の構築など。これらの「見えないタスク」がプロジェクト中盤で次々と発覚し、深刻な予算超過やスケジュール遅延の直接的な原因となります。

4. 責任の所在が曖昧な「ITガバナンス」の欠如
「現地で導入したサーバーがダウンした。責任はハードを選んだ本社か、日々の運用を任されていた現地法人か?」
「このIT投資の最終的な決裁権者は、日本の事業部長なのか、現地の代表者なのか?」
こうした役割分担(RACI)や意思決定のルールが曖昧なままプロジェクトを進めると、問題発生時に責任の押し付け合いが始まり、対応が後手に回ります。結果、小さなトラブルが大きな事業損失へと発展してしまうのです。

解決策は「グローバルPMO」の設置にある

これらの複雑な課題を解決し、海外進出というプロジェクトを成功に導くために不可欠なのが、「グローバルPMO」という機能です。
PMOとは、単なる一人のプロジェクトマネージャーではありません。プロジェクト全体を俯瞰し、標準化されたプロセスを用いて、リソース、課題、リスクを一元管理する専門組織・機能のことを指します。
弊社では、PMOの役割を大きく3つのタイプに分類しています。海外という複雑な環境では、これらの役割が有機的に連携することが特に重要です。

① PMOアドミニストレーター(縁の下の力持ち)
会議の調整、情報共有のハブ、データの収集・管理など、プロジェクトの事務局的な役割を担います。時差や言語の壁があるグローバルプロジェクトにおいて、この潤滑油としての役割は、現場の負担を劇的に軽減します。

② PMOエキスパート(戦略の分析官)
プロジェクトのルールやプロセスを標準化し、品質を維持・向上させます。収集されたデータを分析し、課題の根本原因を特定したり、リスクを予見したりすることで、プロジェクトマネージャーの的確な意思決定を支援します。

③ PMOマネージャー(経営と現場の架け橋)
全体のマネジメントを行い、経営層に対してプロジェクトの状況を報告します。複数のプロジェクト間の調整や、組織全体の戦略とプロジェクトの方向性を一致させる重要な役割を担います。

グローバルPMOがもたらす4つの具体的価値

1. コミュニケーションの「ハブ」となる

本社と現地の間に立ち、双方の文化や状況を翻訳しながら円滑な意思疎通を促進。定例会議の設計やレポーティングラインの標準化を行い、プロジェクトの「共通言語」を創り出します。これにより「言った・言わない」の不毛な対立を防ぎます。

2. ITアーキテクチャの「設計者」となる

本社が求めるガバナンスと、現地が必要とする柔軟性を両立させる最適なITシステム全体の設計図を描きます。どのシステムを共通化し、どこにローカルの裁量を持たせるかを見極め、「使われないシステム」という悲劇を未然に防ぎます。

3. リスクとタスクの「管理者」となる

プロジェクト開始時に、法規制対応やセキュリティ対策といった「見えないタスク」をすべて洗い出し、計画に組み込みます。進捗管理、課題管理、リスク管理を徹底し、プロジェクトが常に健全な状態で進むよう監視します。

4. ガバナンスの「番人」となる

明確な意思決定プロセスや役割分担のルールを策定し、プロジェクト関係者全員に浸透させます。これにより、迅速で的確な意思決定が可能になります。

まとめ:海外進出のパートナー選び、新たな視点を

これからの海外進出は、「どこで売るか」と同時に「いかにして事業をマネジメントするか」が成功の鍵を握ります。特に、事業の根幹を支えるIT・DXの推進は、専門的な知見を持つプロジェクトマネジメントのプロフェッショナルなしには成し遂げられません。

パートナーを選ぶ際には、販路の広さや市場調査の詳しさに加え、「この会社は、私たちの海外事業という複雑なDXプロジェクトを、最後まで責任を持ってマネジメント(PMO)してくれるだろうか?」という視点を持ってみてはいかがでしょうか。

私たちoffice Rootは、ITコンサルティングで培った豊富なPMO経験を強みとしています。貴社の海外進出という挑戦を、”成功”というゴールまで伴走させていただければ幸いです。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

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