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訪日外国人の地域集客に成功した事例|地方がインバウンドで成果を出す方法

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訪日外国人数が年間3,500万人を超える中、東京・大阪・京都への集中が続き、地方への誘客は国の重要課題となっています。観光庁の調査では、訪日客の約7割がゴールデンルート上の都市に集中しており、地方部の外国人宿泊比率は全体の約15%にとどまっています。
一方で、独自の取り組みにより訪日客の誘致に成功している地域も確実に増えてきました。体験型観光の設計、DMO主導のデータ活用、交通インフラの整備など、成果を出している地域には共通するポイントがあります。

本記事では、地方がインバウンド集客で実際に成果を上げた3つの事例を紹介し、再現可能な施策と成功の共通要因を解説します。

この記事でわかること

  • ・訪日外国人の訪問先偏在の実態と、地方誘客が進まない構造的な課題
  • ・体験型観光・DMOデータ活用・交通整備の3分野における地方の成功事例
  • ・地方のインバウンド集客を成功させるための共通ポイントと活用できる支援制度

1. インバウンド地方誘客の現状と課題

訪日外国人の訪問先偏在(都市集中)の実態

日本政府観光局(JNTO)の統計によると、訪日外国人の宿泊先は東京・大阪・京都・北海道・沖縄の上位5都道府県に約55%が集中しています。特に初訪日の旅行者はゴールデンルートと呼ばれる東京〜富士山〜京都〜大阪のルートを選ぶ傾向が強く、地方部への周遊にはなかなか結びつきません。宿泊旅行統計を都道府県別に見ると、外国人宿泊者数が年間10万人泊を下回る県は20以上あり、訪日客の恩恵を受けられていない地域が多数存在します。
こうした偏在は地方の観光産業にとって大きな機会損失であり、都市部のオーバーツーリズムを加速させる要因にもなっています。政府は2030年に訪日客6,000万人、地方の外国人宿泊比率30%への引き上げを目標に掲げており、地方誘客は国策レベルの重要テーマです。観光庁も地方誘客を推進する補助事業を拡充しており、自治体やDMOが活用できる支援メニューは増加傾向にあります。

地方誘客が進まない3つの壁

地方への訪日客誘致が思うように進まない背景には、大きく3つの構造的な壁があります。
1つ目は認知の壁です。海外の旅行者にとって日本の地方都市は知名度が低く、旅行先の選択肢に入ること自体が難しい状況です。観光庁の調査では、訪日前に地方の観光地名を認知していた旅行者は全体の約18%にとどまりました。
2つ目はアクセスの壁です。主要空港から地方への二次交通が限られ、鉄道やバスの乗り継ぎ情報が外国語で十分に提供されていないケースが少なくありません。特に公共交通機関の運行本数が少ない地域では、レンタカー以外の移動手段が事実上存在しないこともあります。
3つ目は受入環境の壁です。多言語対応の案内表示、キャッシュレス決済、Wi-Fi環境といった基本的なインフラが未整備の地域では、訪日客がストレスなく滞在することが困難です。これら3つの壁を同時に乗り越える取り組みが、地方誘客の成功には不可欠です。

2. 成功事例①:体験型観光で滞在時間を延ばした地域

農泊・伝統工芸体験など地域資源の活用

地域固有の資源を体験型コンテンツに転換し、訪日客の滞在時間と消費額を伸ばした事例が各地で生まれています。代表的なのが、農山漁村に宿泊しながら農作業や郷土料理づくりを体験する「農泊」の取り組みです。農林水産省の推進事業を活用した地域では、外国人農泊利用者数が3年間で約2.5倍に増加したケースもあります。
たとえば中山間地域のある集落では、棚田での田植え体験や地元食材を使った味噌づくりワークショップを英語対応で提供し、欧米豪からの個人旅行者を中心に年間約800人の外国人が訪れるまでに成長しました。
伝統工芸の分野でも、窯元での陶芸体験や藍染め工房での染色体験など、実際に手を動かすプログラムが高い人気を集めています。こうした体験型コンテンツは通過型の観光からの脱却を促し、1人あたりの平均滞在日数を日帰りから1〜2泊へ延ばす効果が確認されており、地域経済への波及も大きくなります。

SNS・口コミを生む体験設計の工夫

体験型観光で集客に成功している地域は、コンテンツそのものの質に加え、訪日客が自発的にSNSで発信したくなる仕掛けを意識的に組み込んでいます。ある温泉地では、着物を着て町並みを散策するプログラムにプロカメラマンによる撮影サービスを付加し、高品質な写真をその場でスマートフォンに転送する仕組みを導入しました。その結果、InstagramやXiaohongshuへの投稿数が月間約1,200件に達し、広告費をかけずに認知拡大を実現しています。
また、体験の前後に「ストーリー」を伝えることも重要です。伝統工芸体験では、職人が技術や地域の歴史を英語で語るイントロダクションを設けることで、旅行者の感動が深まり口コミの質が向上します。予約サイトのレビューでも、単なる観光地訪問と比較して体験型プログラムは平均評価が0.4ポイント高いというデータがあり、口コミの好循環は広告に頼らない集客基盤となります。

3. 成功事例②:DMO主導のデータ活用×プロモーション

ターゲット国を絞った戦略的プロモーション

限られた予算で最大の効果を得るために、DMO(観光地域づくり法人)がデータに基づいてターゲット国を絞り込み、戦略的なプロモーションを展開する事例が注目されています。ある地方のDMOでは、過去3年間の宿泊統計と航空路線データを分析し、直行便が就航しているアジアの特定2か国をメインターゲットに設定しました。対象国の旅行者が好む観光テーマや情報収集チャネルを調査し、現地の旅行博への出展とSNSインフルエンサーの招聘を組み合わせたキャンペーンを実施しました。
この取り組みにより、対象国からの宿泊者数は前年比で約40%増加しました。成功の要因は、全方位的な情報発信ではなく対象を絞り込んだことで、メッセージの訴求力と予算効率が同時に高まった点にあります。DMOが観光事業者・宿泊施設・交通機関と連携し、ターゲット国の旅行者に最適化された周遊ルートを一体的に提案できた点も大きな成果につながりました。

デジタルマーケティングと効果測定の仕組み

プロモーションの成果を定量的に把握し改善につなげる仕組みを構築したDMOも増えています。ある広域連携DMOでは、多言語の公式観光サイトにGoogleアナリティクスとヒートマップツールを導入し、訪問者の国籍別にページの閲覧傾向を分析しています。どのスポットのページが予約行動に結びつきやすいかを可視化し、コンテンツ配置やプロモーション素材の優先順位を最適化しました。
さらにモバイル位置情報データを活用して訪日客の移動パターンを把握し、滞在時間が短いエリアにはデジタル広告で誘導する施策を展開しています。SNS広告ではA/Bテストを実施し、クリエイティブごとの反応率を週次でレビューする体制を整えました。こうしたPDCAの運用により、デジタル広告のコンバージョン単価を初年度比で約35%削減することに成功しています。データに基づく意思決定と改善が、地方のインバウンドプロモーションを機能させる鍵です。

4. 成功事例③:多言語・交通整備で利便性を向上

二次交通の整備とフリーパス施策

地方の観光地にとって最大のボトルネックの一つが、主要空港や新幹線駅からのアクセスです。この課題に正面から取り組み成果を上げた地域があります。複数の自治体が連携し、空港から主要観光スポットを結ぶ外国人専用の周遊バスを運行した事例では、運行開始から1年で延べ約1万2,000人の訪日客が利用しました。バスの車内では多言語の音声ガイドを流し、各停留所では英語・中国語・韓国語の案内板を設置するなど、言語面のストレスを最小限に抑える工夫を施しました。
また、鉄道・バス・観光施設の入場券をセットにした外国人向けフリーパスの導入も効果的な施策です。ある地域では3日間乗り放題のパスを約5,000円で販売し、2年間で累計約3万枚を販売しました。フリーパスの販売データから旅行者の移動パターンが可視化され、新たな周遊ルートの設計やダイヤの改正についての根拠としても活用されています。

多言語サイン・Wi-Fi・決済環境の一体整備

交通アクセスの改善と同時に、滞在中のストレスを減らす受入環境の整備も不可欠です。先進的な取り組みを行っている地域では、多言語サイン・Wi-Fi・キャッシュレス決済の3要素を一体的に整備するアプローチを採用しています。ある観光地では、主要動線上に統一デザインの4か国語対応サインを約200か所に設置し、ピクトグラムを活用して視認性を高めました。同時に、観光エリア全域をカバーする無料Wi-Fiを整備し、接続時のポータルサイトで周辺の飲食店や体験プログラムの情報を配信する仕組みを構築しています。
決済環境についても、商店街や観光施設にクレジットカードとQRコード決済に対応する端末の導入を支援し、対応店舗率を2年間で約30%から85%に引き上げました。これらの取り組みにより、旅行者アンケートの「滞在中の不便さ」に関するネガティブ回答が半減し、リピート訪問意向率が約12ポイント向上する成果が得られています。

5. 地方のインバウンド集客を成功させる共通ポイント

地域一体の推進体制と官民連携

事例を通じて見えてくるのは、成果を出している地域には例外なく官民一体の推進体制が存在するという点です。自治体だけ、あるいは民間事業者だけでは、インバウンド集客に必要な多面的な施策を実行しきることが難しいためです。DMOが司令塔となり、行政が規制緩和やインフラ整備を担い、民間がサービスやコンテンツを提供するという役割分担が明確な地域ほど施策の実行スピードが速い傾向があります。
また、住民の理解と協力も成功の重要な要素です。観光客の増加が住民生活に与える影響を事前に共有し、観光収入が地域に還元される仕組みを設けている地域では、住民の観光振興に対する支持率が高く、おもてなしの質にも好影響を与えています。推進体制の構築にあたっては、年1〜2回の全体会議だけでなく月次の実務者向け定例会を設け、進捗管理と課題共有を行うことが施策を計画倒れにしないためのポイントです。

補助金・支援制度の活用

地方のインバウンド集客には一定の初期投資が必要ですが、国や自治体の補助金・支援制度を活用することで財政的な負担を軽減できます。観光庁は「インバウンド受入環境整備高度化事業」として、多言語対応やWi-Fi整備、キャッシュレス対応などへの補助金を毎年度募集しています。補助率は対象経費の最大2分の1で、1件あたり数百万円から数千万円規模の支援を受けられるケースもあります。
また、農林水産省の農泊推進事業、総務省の地域おこし協力隊制度、各都道府県や市町村独自のインバウンド支援補助金など、複数の制度を組み合わせることで事業の実現可能性が高まります。申請にあたってはデータに基づく課題分析とKPIの設定が求められるため、DMOによるデータ活用の取り組みが補助金獲得にも有利に働きます。支援制度の情報は観光庁や各自治体のサイトで公開されていますので、計画段階から確認することをおすすめします。

6. よくある質問(FAQ)

Q1. 地方のインバウンド集客で最初に取り組むべきことは何ですか?

まずは自地域の訪日外国人の来訪データを分析し、ターゲット国と旅行者のニーズを明確にすることが第一歩です。データに基づいた戦略設計が、限られた予算で成果を出すための基盤になります。

Q2. DMOとは何ですか?地方の観光振興にどう関わりますか?

DMOは観光地域づくり法人の略称で、地域の観光戦略を統括する組織です。行政・民間・住民の橋渡し役となり、マーケティングやブランディングを一体的に推進する役割を担います。

Q3. 体験型観光のコンテンツはどのように開発すればよいですか?

地域固有の農業・伝統工芸・食文化などの資源を棚卸しし、外国人旅行者が参加しやすい形に再設計することが基本です。モニターツアーで反応を検証し、改善を繰り返す方法が効果的です。

Q4. インバウンド向けの補助金にはどのようなものがありますか?

観光庁の「インバウンド受入環境整備高度化事業」や各自治体独自の補助金があります。多言語対応、Wi-Fi整備、二次交通の実証実験などが対象となるケースが多く見られます。

Q5. 二次交通の整備とは具体的に何を指しますか?

空港や主要駅から観光地までの移動手段の確保を指します。周遊バス、レンタサイクル、デマンドタクシーのほか、外国人向けフリーパスの導入なども二次交通整備の一環です。

Q6. 小規模な自治体でもインバウンド集客は可能ですか?

可能です。むしろ小規模な地域ほど独自性のある体験を打ち出しやすく、特定のニッチ市場で強みを発揮できます。近隣自治体との広域連携で周遊ルートを形成する手法も有効です。

7. まとめ

訪日外国人の地方誘客は、体験型観光の設計、DMO主導のデータ活用プロモーション、多言語対応・交通インフラの一体整備という3つのアプローチで着実に成果が生まれています。成功地域に共通するのは、官民連携の推進体制とデータに基づく戦略的な意思決定です。地方には都市部にはない独自の魅力があります。補助金や支援制度も充実してきていますので、まずは自地域の現状分析とターゲット設定から取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。
訪日外国人向けマーケティングや地域のインバウンド集客支援に実績を持つ企業も多数そろっています。多言語プロモーション、体験型コンテンツの開発、DMOの立ち上げ支援など、地域の課題に合わせた専門家の知見を活用することで施策の精度が向上します。まずはお気軽にご相談ください。


※本記事の事例は、複数の公開情報をもとに再構成しています。

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