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インバウンド向け動画コンテンツの作り方|企画から多言語配信までの実践ガイド

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訪日外国人向けの動画コンテンツはなぜ重要なのか、データを踏まえて解説したうえで、企画・撮影・編集の実践フローとYouTube・Instagram Reels・TikTokなど配信先の使い分け、低予算でも継続できる制作体制の作り方まで紹介します。スマホ撮影のコツや多言語字幕のつけ方も具体的に取り上げます。

2025年の年間訪日外国人数は4,268万3,600人となり、前年を580万人以上上回って過去最高を更新しました(出典:JNTO「訪日外客数(2025年12月推計値)」2026年1月)。
言葉の壁がある訪日外国人にとって、動画は文字よりも直感的に情報を伝えられる手段であり、SNSでの拡散力も高いため、認知獲得から来店・予約への導線づくりまで幅広く役立ちます。
一方で「何から作ればよいかわからない」「多言語対応が負担」と感じる担当者も少なくありません。本記事では、動画コンテンツの企画から撮影・編集、配信先の使い分けまでを実践的に解説します。

この記事でわかること

  • ・訪日外国人向けに動画コンテンツが必要とされる理由とデータの裏付け
  • ・企画・撮影・編集という動画制作の実践フローと具体的なコツ
  • ・YouTube・Instagram Reels・TikTokなど配信先の特性と使い分け方

1. なぜ今、インバウンド向け動画コンテンツが必要なのか

訪日外国人の情報収集における動画の役割

観光庁の調査によると、訪日外国人が出発前に役立った情報源は「日本在住の親族・知人」(22.8%)に次いで「SNS」(21.9%)、「動画サイト」(21.4%)が上位に並んでおり、動画は旅行前の意思決定に大きな影響を与える情報源のひとつとなっています(出典:観光庁「訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析2024年年次報告書」2025年)。
また、アウンコンサルティング株式会社が実施した調査では、アメリカからの旅行者はYouTubeの利用率が50%を超え圧倒的多数派である一方、韓国・台湾・香港・タイなどアジア圏ではFacebookとYouTubeを合わせた利用が半数以上を占めることが明らかになっています(出典:アウンコンサルティング株式会社「訪日前の情報収集方法についてのアンケート調査」2019年)。
このように国・地域によって主に見られている動画プラットフォームが異なる点は、後述する配信先の選定においても重要な前提となります。

テキスト・写真だけでは伝わらない魅力

言語の壁がある訪日外国人にとって、文章での説明は理解に時間がかかり、離脱の原因になりやすいという課題があります。写真は雰囲気を伝えられますが、料理の湯気や食感、接客時の会話のテンポ、施設内を実際に歩いたときの距離感など、動きと音を伴う情報までは伝えきれません。
動画であれば、スタッフの表情や声のトーン、実際の利用シーンをそのまま届けられるため、言葉が完全に理解できなくても「どんな体験ができるか」を直感的にイメージしてもらいやすくなります。
特に宿泊施設の館内設備や飲食店の調理シーン、体験型プログラムの様子などは、テキストや写真よりも動画のほうが検討段階での不安を減らし、来店・予約につながりやすいコンテンツです。

2. 動画コンテンツ制作の実践フロー

企画:誰に何を伝えるか(ターゲット国・目的の設定)

動画制作を始める前に、まず「どの国・地域の、どんな旅行者に見てほしいか」を明確にすることが欠かせません。ターゲットが曖昧なまま撮影を始めると、内容が総花的になり、誰の心にも刺さらない動画になりがちです。
あわせて、動画の目的が「認知拡大」なのか「来店・予約への誘導」なのかによって、盛り込むべき情報や動画の長さも変わってきます。認知拡大が目的であれば世界観や雰囲気を伝える短尺動画、来店誘導が目的であればアクセス方法や予約導線まで示す動画が適しています。
自社の顧客データや、既存記事・SNSの反応が良かった国籍・年代を参考にターゲットを絞り込み、1本の動画に詰め込みすぎず目的を1つに絞ることが、伝わりやすい企画の基本です。

撮影:スマホでもできる撮影のコツ

動画制作というと専門機材が必要と思われがちですが、近年のスマートフォンのカメラ性能は高く、明るい場所での撮影であれば十分な画質を確保できます。撮影時は自然光が入る時間帯を選び、逆光を避けて被写体に光が当たる向きで撮ることが、映像の見栄えを大きく左右します。
手ぶれが気になる場合は、数千円台から購入できる簡易ジンバルや小型三脚を使うだけで安定感が格段に上がります。また配信先に合わせて縦型(Reels・TikTok向け)と横型(YouTube向け)を撮り分けておくと、後の編集や配信がスムーズです。
1つのシーンを長時間ワンカットで撮るより、短いカットを複数撮影しておく方が、編集段階でテンポの良い動画に組み立てやすくなります。

編集:多言語字幕・テロップの付け方

訪日外国人向け動画では、音声だけでなく字幕での情報伝達が重要です。無音・小音量で視聴されるケースが多いSNSでは、字幕がないと内容がまったく伝わらないこともあります。スマートフォン向けの無料・低価格の編集アプリには自動字幕生成機能を備えたものも多く、まずは自動生成した字幕を土台に、誤訳や不自然な表現がないか人の目で確認・修正する進め方が効率的です。
テロップは短く簡潔な文で、画面下部など見やすい位置に統一して配置すると、視聴者がストレスなく読み進められます。
自動翻訳のみに頼ると、料金や注意事項など正確性が求められる情報でニュアンスのズレが生じるリスクがあるため、重要な情報は必ず人によるチェックを挟むことをおすすめします。

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3. 配信先の選び方と使い分け

YouTube・Instagram Reels・TikTokの特性比較

YouTubeは検索性が高く、長尺で詳しい情報を伝えるのに向いており、前述のとおりアメリカからの旅行者を中心に情報収集の場として広く使われています。Instagram ReelsとTikTokはどちらも短尺の縦型動画が主流で、アルゴリズムによる新規ユーザーへのリーチが期待できる一方、投稿頻度を保つ運用負荷がある点は共通しています。
アジア圏の旅行者はFacebookとYouTubeの利用割合が高い傾向がある一方、地域や年代によって主に使われるプラットフォームが異なるため、自社のターゲット国でよく使われている媒体を優先的に選ぶことが基本です。
限られたリソースの中では、全プラットフォームに同時展開するよりも、ターゲットに合わせて優先順位をつけて配信先を絞る方が、無理なく継続しやすくなります。

自社サイト・OTA掲載動画としての活用

SNSでの拡散だけでなく、自社サイトやOTA(オンライン旅行代理店)の掲載ページに動画を組み込むことも、検討段階の旅行者の後押しに効果的です。宿泊施設であれば客室や館内設備の紹介動画、飲食店であれば人気メニューの調理シーンなどを掲載ページに埋め込むことで、写真だけでは伝わりにくい情報を補完できます。
OTAの中には動画コンテンツの掲載に対応しているプラットフォームもあり、予約直前の比較検討段階で他施設との差別化材料になります。
SNS用に制作した短尺動画は、自社サイトのトップページや商品ページに再利用できるため、1つの素材を複数の場所で使い回すことで制作コストを抑えながら露出を増やせます。

4. 効果を高めるための注意点

よくある失敗パターン

インバウンド向け動画制作でよく見られる失敗の1つが、宣伝色の強い長尺の説明動画を作ってしまい、最後まで視聴されずに離脱されてしまうケースです。特にSNSでは冒頭数秒で興味を引けないと、すぐにスクロールされてしまいます。
また、字幕をつけずに音声のみで内容を伝えようとする動画や、縦型で見られるはずのプラットフォームに横型動画をそのまま投稿してしまうケースも、視聴体験を損ない再生数が伸びない原因になります。
効果測定を行わず「作って終わり」にしてしまうことも典型的な失敗パターンです。再生回数や視聴維持率、問い合わせへの導線経由の反応などを定期的に振り返り、次の動画企画に反映させる姿勢が欠かせません。

低予算でも継続できる制作体制の作り方

動画制作を単発で終わらせず継続していくには、無理のない制作体制を最初から設計しておくことが大切です。毎回ゼロから企画するのではなく、季節のメニュー紹介やスタッフ紹介、来店客とのやり取りなど定型化できるテーマをいくつか用意しておくと、ネタ切れを防ぎながら定期的に投稿を続けられます。
撮影・編集を1人が抱え込まず、撮影はスタッフ全員で日常的に行い、編集は担当を決めて月に数回まとめて対応するなど、業務の一部として組み込む体制も継続の助けになります。
無料または低価格の編集アプリを活用すれば、外注費用をかけずに社内で完結させることも可能です。まずは小さく始め、反応を見ながら少しずつ改善していく進め方が、低予算での継続には向いています。

5. よくある質問(FAQ)

Q1. 動画制作にはどのような機材が必要ですか?

最低限はスマートフォン1台あれば始められます。手ぶれを抑える簡易ジンバルや三脚、外付けマイクを揃えると品質が上がりますが、まずは手持ちの機材で撮影を始め、必要に応じて機材を追加していく進め方がおすすめです。

Q2. 字幕は何か国語つければよいですか?

決まった正解はありませんが、自社の主要ターゲット国の言語に加え、英語字幕は共通言語として優先度が高いです。まずは1〜2言語から始め、反応を見ながら対応言語を広げる方法が現実的です。

Q3. 動画の長さはどのくらいが適切ですか?

SNSで見てもらう動画は15〜60秒程度、YouTubeで詳しく紹介する動画は2〜5分程度が目安です。配信先のフォーマットに合わせて、同じ素材から長さの異なるバージョンを作ると効率的です。

Q4. 動画の効果はどうやって測定すればよいですか?

再生回数だけでなく、最後まで視聴された割合(視聴維持率)や保存・シェア数、動画経由の問い合わせ・予約数を合わせて確認しましょう。各プラットフォームの標準分析機能で無料で確認できます。

Q5. 制作は外注と内製、どちらがよいですか?

予算に余裕がある初回はプロに依頼して型を作ってもらい、その型を参考に日常的なカット撮影は内製に切り替える組み合わせ方が、コストと継続性のバランスを取りやすい方法です。

Q6. 動画のネタが尽きてしまった場合はどうすればよいですか?

季節ごとのメニューやイベント、スタッフ紹介、来店客との日常のやり取りなど、身近な題材を定期的に撮り溜めておくとネタ切れを防げます。既存の写真や過去動画の再編集も有効な手段です。

6. まとめ

訪日外国人の情報収集において動画は無視できない存在になっており、国・地域によって主に見られているプラットフォームが異なる点を踏まえた企画・配信先選びが重要です。企画でターゲットと目的を明確にし、スマホ撮影と多言語字幕という無理のない手段で制作し、YouTube・Instagram Reels・TikTok・自社サイトなど特性に応じて使い分けることで、限られた予算でも効果的な動画コンテンツを継続できます。
まずは小さく作って公開し、反応を確認しながら改善を重ねていく姿勢が、インバウンド向け動画コンテンツを長く続けるための鍵となります。

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。

インバウンド向け動画コンテンツの企画・制作や、多言語での配信戦略の立て方でお悩みの際は、動画マーケティングの実績を持つ支援企業への相談がおすすめです。「Digima〜出島〜」では、自社の課題に合った支援企業を無料で比較・相談できますので、ぜひ活用してみてください。

参考文献

・日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2025年12月推計値)」(2026年1月)
 https://www.jnto.go.jp/news/press/20260121_monthly.html
・観光庁「訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析2024年年次報告書」(2025年)
 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001884192.pdf
・アウンコンサルティング株式会社「訪日前の情報収集方法についてのアンケート調査」(2019年)
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000034654.html

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