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シンガポールの会社設立・法人登記の流れ 〜駐在員事務所・現地法人・支店の違いなど〜

掲載日:2018年09月07日

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本稿では、シンガポールの法人設立・会社登記事情について解説します。

シンガポールに会社設立をする場合は、現地での会社登記が必須になります。また、会社登記も会社形態によって異なってきます。

日本企業がシンガポールに進出する場合、駐在員事務所・現地法人・支店の形態が考えられます。それぞれ、どのような手続きが必要なのかについて見ていきます。

1. シンガポールの会社形態とは?

6つの会社形態

シンガポールでは、6つの会社形態があります。

・駐在員事務所
・現地法人
・支店
・パートナーシップ
・個人事業
・ビジネストラスト

があります。日本企業がシンガポールに進出する際、一般的な会社形態となるのは、駐在員事務所・現地法人・支店の3形態になります。ここでは、日本企業が設立可能な会社形態の特徴について見ていきます。

駐在員事務所

シンガポールの駐在員事務所は、他国の場合と同様、販売や営業といった収益を生む活動はできません。駐在員事務所で可能なのは、現地の市場調査や情報収集、PR活動等に限られます。

手続きでは、現地法人と比べると比較的簡単に設立できるため、現地法人の前段階として設立する例が多くみられます。

現地法人

シンガポールの現地法人は、法人格を有し、営業や販売といった経済活動が可能になります。

現地法人では、公開会社と非公開会社の2種類があります。公開会社は、株主が50名以上おり、公募により資金調達が可能になります。上場を目指す場合には、この形態が最適です。

一方、非公開会社では、50名以下の株主で、株式譲渡に制限があります。進出する日本企業の多くが、この非公開会社の形態で進出しています。

また、非公開会社には、免除非公開会社と呼ばれる形態もあり、20名未満の個人の株主で、100%政府の保有会社であるという前提があります。そのため、日本企業をはじめ、外資系企業は、免除非公開会社を採用することは少ないです。

支店

シンガポールの支店では、法人格を有しているため、現地法人と同等の活動が可能になります。シンガポールの場合、銀行や保険といった金融業がこの形態を採用しています。

現地法人と異なり、業務上の規制や責任は、日本本社が負うことになります。また、現地法人では、軽減税率などの税金の優遇が認められますが、支店の場合は、そのような優遇措置はありません。

パートナーシップ

パートナーシップは、個人が集まり共同で営利活動を行う業態です。会計士や弁護士等の専門職の人が事務所として設立する場合が多くみられます。パートナーシップでは、人数制限があり、2人以上20人以下でなくてはなりません(例外あり)。

また、パートナーシップは無限責任で法人格が認められていませんが、Limited liability partnership(有限パートナーシップ)という形態も認められるようになりました。これにより、法人格を有するパーtナーシップの設立が可能になりました。

個人事業

個人事業の形態は、外国人による設立はできません。この形態を選択するには、シンガポール国籍、または永住権、アントレパス(就労許可)を取得している必要があります。

アントレパスは、就業許可証の一つですが、取得条件が非常に厳しいため、個人事業として設立する場合には、シンガポール国籍・永住権を保有していることが最低条件となります。

ビジネストラスト

ビジネストラストの形態は、不動産ファンドにみられる形態です。この形態では、信託財産を保有し、その財産を特定の事業に運用することができます。日本企業では、この形態で進出することは少ないです。

2. シンガポールの会社登記手続きとは?

シンガポールの会社登記手続きでは、日本企業の進出形態で多い、駐在員事務所・現地法人(非公開会社)・支店の設立手続き・必要な書類について見ていきます。

駐在員事務所

駐在員事務所設立には、以下の要件を満たしている必要があります。

・親会社が設立して3年以上経っている
・売上が25万米ドル以上
・駐在員が5人未満

書類は、親会社の設立証明書と直近の監査済み財務諸表(両者とも英語翻訳済)、所轄となる国際企業庁のWebサイトにある利用規約が必要になります。

設立申請には1~3週間かかり、認可後は、毎年200シンガポールドル(約12,000円)を支払うことで最大3年間更新が可能です。その後は現地法人または支店の設立が必要となります。

現地法人

現地法人の登記申請手続きには、会計企業規制庁の「BizFile」を使用することができ、手続きには2段階あります。第1段階では、会社名の申請が必要となります。許可を受けた場合は、1支店につき、15シンガポールドル(約1,200円)を支払う必要があります。

有限責任株式会社の場合は、「Limited(Ltd)」、「Berhad(Bhd)」、非公開会社の場合は、「Private(Pte)」、「Sendirian(Sdn)」の表記を末尾につける必要があります。

その後法人設立手続きとなり、設立には、株主が1人以上、シンガポール居住者である自然人が1人以上必要です。登記料は300シンガポールドル(約24,000円)で、

・会社の事業内容
・取締役と株主の詳細(氏名と連絡先)
・資本金額
・会社の定款
・会社の事業内容
・取締役と株主の詳細(氏名と連絡先)
・資本金額
・会社の定款

がわかる書類が必要になります。

設立が許可された場合、取締役会議で会社設立、取締役の選任、銀行口座開設等の確認を行う必要があります。その後は、ビザの申請などの事務手続きを行います。

また、現地法人には申告義務があり、設立日から18ヵ月以内に株主総会を開くこと、財務諸表を会計企業規制庁に提出する等の義務があります。

支店

シンガポールの場合、シンガポールの法律に則って外資企業の拠点として扱われます。

登記申請には、シンガポール居住者である授権代表者を1人以上選ぶ必要があります。授権代表者は、支店設立の責任者であると言えます。登記手続きには、現地法人と同様、「BizFile」からオンライン申請することができます。登記料は300シンガポールドル(約24,000円)が必要になります。

手続きの段階としては、2段階あります。最初の段階では、支店名の申請、その次段階には、支店登記となります。支店登記手続きには以下の書類が必要になります。

・親会社の設立証明書
・親会社の定款
・会社の取締役の情報
・授権代表者の詳細と選任の覚書
・授権代表者の権限に関する覚書
・登記上の支店所在地の詳細
・親会社の直近の監査済み財務諸表(必要な場合)

これらの書類を提出して認可を受けられれば、支店を設立することができます。設立後も、登記番号の記載や財務諸表等の提出が求められます。

3. シンガポールの法人設立の注意事項

規制、優遇業種やライセンスの取得有無を確認

シンガポールでは、規制業種やライセンスを必要とする業種があります。規制業種としては、新聞等のメディア、電気やガス、金融等が対象になります。これらの業種では、ライセンスの取得や外資出資比率が定められている場合があります。

また、ライセンスを必要とする業種は、レストラン等の飲食業、不動産開発・仲介の不動産業、建設業など全10業種でライセンスの取得が求められます。それぞれ、業種の中でも事業が細分化されているため、確認が必要です。

関連:JETRO「外資に関する規制

また、シンガポールでは、投資を奨励している業種もあります。全20業種ありますが、情報通信系の業種、医療系の業種、成長産業やエネルギー系の業種等が挙げられます。これらの業種に当てはまる場合には、法人税やその他税金で優遇されます。

関連:JETRO「外資に関する奨励

4. 東南アジアでは比較的手続きは明快

以上、シンガポールの法人設立・会社登記について見てきました。シンガポールの会社登記手続きは、東南アジアの中でも比較的単純で明快であると言われています。しかし、独力で会社登記を行うと、時間的コストが多くかかってしまいます。

シンガポールで会社登記を行う場合、現地の登記手続きに詳しい会社登記代行企業に依頼することが一般的です。依頼することで、短時間かつスムーズに法人設立が可能になります。

5.優良な法人登記代行企業をご紹介

海外進出に必須の法人設立登記。進出する国によって、法令や制度が違います。

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(参照文献)
・JETRO(2017)「シンガポールにおける外国企業の会社設立・清算手続きの概要
・JETRO(2017)「外資に関する奨励
・JETRO(2017)「外資に関する規制
・JETRO(2018)「外国企業の会社設立手続き・必要書類」 ・AsiaX(2005)「シンガポールにはパートナーシップというビジネスがありますが、株式会社とどのような点が違うのですか。

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