【酒類事業者必見】海外においしいお酒を売り込め!「酒類業振興関係」補助金の活用方法と狙い目とは?
こんにちは。合同会社サウスポイントの宮下です。
2026年に向けた事業計画を練られている酒造メーカー様、そして流通事業者の皆様も多いことと存じます。
先般、国の「令和7年度補正予算」が成立しました。様々な業種に向けた支援策が発表されていますが、今回はその中でも日本産の「酒類(日本酒、焼酎、ウイスキー、ワイン等)」の2026年の海外販路開拓に特化した、非常に重要な予算情報について解説します。
国税庁が所管する「酒類業振興関係」の予算として、今回補正予算に計上された額は総額31.2億円と過去最大級。昨今の原材料高騰や国際情勢の変化、国内需要の縮小を踏まえ、国が「日本のお酒」の海外展開と高付加価値化を本気で後押しする姿勢が見て取れます。
酒類業の支援は、国が本気で海外需要を獲得し、外貨を稼ぐ企業を応援するという強い意図と、酒単体ではなく、地域の文化や歴史を活かし、日本産の食材や料理なども組み合わせることで、複合的な観点で海外需要開拓をするという姿勢が読み取れ、他業界にとっても興味深い内容になっているため、他業界にとっても参考になることが多い支援策です。
まだルールブックとなる公募要領が発表される前の段階ですが、公開された予算概要資料と、これまでの傾向を分析し、「次の補助金で何が狙えるのか」「どう準備すべきか」をいち早くお伝えします。
▼ 【酒類事業者必見】海外においしいお酒を売り込め!「酒類業振興関係」補助金の活用方法と狙い目とは?
1.令和7年度補正予算(酒類業振興)、3つの柱
成立した酒類業振興に関する令和7年度補正予算資料を読み解くと、国が支援したいポイントは大きく以下の3点に集約されます。
① 酒米不足・価格高騰への対応(酒蔵と農家の連携)
② 米国関税措置への対応を含む輸出促進
③ 酒類事業者向けの個別的な支援(ブランディング・高付加価値化・構造改革)
特に皆様にとって直接的な資金支援となるのが、3つ目の「酒類事業者向け補助金(約9.0億円)」です。
これまでの「酒類業振興支援事業費補助金」の流れを汲みつつ、今回は「酒米問題」や「米国市場の変化」という時流を強く反映した内容になると予想されます。
2.2026年の酒類業振興の補助金、ここがポイント!
では、具体的にどのような取り組みが補助の対象となり、評価されるのでしょうか。予算資料と過去の要領から読み解く「勝ち筋」は以下の通りです。
(1)「米国関税措置への対応」と「輸出先の多角化」
今回の予算の大きな特徴は、「米国関税措置への対応」が明記されている点です。
世界最大の市場である米国ですが、関税リスクや市場環境の変化に直面している事業者も少なくありません。そのため、
〇 米国市場での競争力を維持するための高付加価値化
〇 米国「以外」のアジア・オセアニア・欧州等への輸出先多角化
こうした取り組みを行う事業者に対して、「優先採択」などのインセンティブが働く可能性が高いのではないかと考えられます。「うちは米国向けがメインだ」という酒蔵様は、その対策費用を。「米国以外も攻めたい」という酒蔵様は、新規開拓の調査費用などを申請する絶好の機会です。
(2)「酒米農家」との連携強化
猛暑による酒米の不足や価格高騰は、業界全体の課題です。
今回の予算では、単にお酒を造るだけでなく、「農家と連携して原材料を安定確保する」取り組みや、「自県産米を活用した高付加価値商品の開発」が支援の重点項目に挙げられています。例えば、
〇 地元の契約農家と協力し、インバウンド観光客ターゲットとしたた「酒米・酒造り体験会」の開催
〇 特定の酒米を使用したプレミアムライン(高単価商品)の開発
などが対象となるでしょう。これは「SDGs」や「テロワール(地域性)」の文脈でも、海外バイヤーや観光客への強力なアピール材料になります。
(3)インバウンドと「コト消費」
引き続き重視されるのが「インバウンド(訪日外国人)」への対応です。酒という「モノ」を売るのではなく、酒文化・食文化を感じてもらう・味わってもらうという「コト」がポイントになってきます。
つまり単に売店を綺麗にする、生産量を増やすだけでなく、「体験」としての価値提供が求められます。例えば
〇 外国語対応のテイスティングルームの改修
〇 海外富裕層向けの「ペアリング体験」プログラムの開発
〇 ワイナリーやブルワリーを周遊するツーリズムの企画
これらに対し、設備投資や広報費、専門家への謝金などが補助されます。
3.補助金額と対象経費のイメージ
新しい要領はまだ出ていませんが、参考として直近(令和7年度第3期)の「酒類業振興支援事業費補助金」の条件を見てみましょう。次回もこれに近い、あるいは拡充された条件になることが予想されます。
※実際の応募に際しては、国税庁のウェブサイトなどで最新情報を確認してください
補助金額(上限):
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海外展開支援枠: 1,000万円(補助率 1/2)
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新市場開拓支援枠: 500万円(補助率 1/2 または 2/3)
※グループ申請(複数社連携)の場合は上限額が引き上げられるケースもあり。
対象となる経費:(主な経費を抜粋)
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設備等費: 醸造機器、充填機、冷蔵設備、検査機器など(※単なる更新ではなく、 新商品開発や輸出対応に必要なもの)
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展示会出展費: 海外見本市のブース代、輸送費
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旅費・通訳費: 海外渡航費用、商談時の通訳
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広報・デザイン費: 海外向けラベル、Webサイト、動画制作
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専門家謝金・委託費: 輸出コンサルティング、市場調査
特に「海外展開支援枠」は上限1,000万円と規模が大きく、本格的な輸出プロジェクトの「軍資金」として非常に使い勝手が良いものです。
4.採択を勝ち取るための「準備」とは?
この補助金は人気が高く、単に「日本酒が世界で人気だ、機械が欲しい、広告費が必要だ」と書くだけでは採択されません。審査員が見ているのは、「その投資によって、どれだけ外貨を稼げるようになるか(=輸出拡大・インバウンド獲得)」という事業計画の確かさとその裏付けとなるデータです。
公募が開始されると、申請期間は1ヶ月~2ヶ月程度と短いのが通例です。例年の酒類業振興関連の補助金は、毎年1月下旬~2月初旬に第一次の公募が開始されます。 公募要領が出てから慌てないよう、今のうちに以下の準備を進めておくことを強くお勧めします。
このような考え方は、他の業界、他の補助金でも同様です。お酒の補助金に限った話ではありません。
① ターゲットの明確化:
「海外ならどこでも」ではなく、「米国市場の関税リスクを回避するため、ベトナムの富裕層向けに〇〇(商品名)を展開したい」といった具体的なターゲット設定が必要です。
② 連携体制の構築:
予算のキーワードの一つが「連携」です。酒米農家、地元の観光協会、あるいは輸出商社など、誰と組んで事業を進めるのか、パートナーをリストアップしておきましょう。
③「GビズID」の取得:
申請は電子申請(jGrants)となります。「GビズIDプライムアカウント」の取得には数週間かかることがありますので、まだお持ちでない場合は今すぐ申請してください。
5.まとめ - 逆風を追い風に変える酒類業振興事業
令和7年度補正予算は、酒類業界にとって「逆風(コスト高・関税・酒米不足)」を「追い風(高付加価値化・多角化)」に変えるための重要な資金源です。
国税庁の補助金は、業界特化型の酒類事業者の実情に寄り添った非常に貴重な制度です。 この補助金においても「賃上げ」と「付加価値額向上」は採択のキーワードとなり、全業界とも賃上げと付加価値額の向上が求められているということが伺えます。しかし、国税庁の種類業振興事業での目標設定は経済産業省の補助金のように厳しい目標ではありません。
ぜひこのチャンスを逃さず、世界中の人々に皆様の日本のおいしいお酒を届け、皆さんの事業の「加速装置」として活用しましょう。
参考:都道府県別の制度も要チェック!
海外展開の補助金を探すなら、都道府県別の制度・施策も要チェックです。
例えば、沖縄県では「琉球泡盛マーケティング支援事業」 という事業を行っており、この事業でも海外展開のための資金を得ることができます。
各都道府県でも類似の制度が設けられていることがありますので、興味のある方は都道府県別の施策をチェックしてみてください。
酒類業振興事業の支援ならサウスポイントまで
サウスポイントでは、酒類業振興事業の支援も承っています。事業計画の立案から申請、その後の手続き支援、現地でのマーケティングやイベント開催の支援など、幅広く酒類業の皆様をグローバルに支援しております。ぜひ一度ご相談ください。
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