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FTAとEPAの違いとは?日本の主要EPAと関税削減の活用方法をわかりやすく解説

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海外との取引でコスト削減を考えるとき、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の活用は避けて通れないテーマです。とくに日本企業にとっては、RCEP・CPTPP・日EU EPAといった大型協定の発効により、関税削減の選択肢がかつてないほど広がっています。

しかし「FTAとEPAの違いがわからない」「自社の商品で関税を下げられるのか」「手続きが難しそう」といった声も少なくありません。本記事では、FTAとEPAの定義・違いから、日本の主要協定の全体像、そして原産地証明書を使った関税削減の具体的手順までをわかりやすく解説します。なお、海外取引に関する個別のご相談は「Digima〜出島〜」の無料相談をご利用ください。

この記事でわかること

  • ・FTA(自由貿易協定)とEPA(経済連携協定)の定義と両者の違い
  • ・日本が締結している主要なEPA/FTAの一覧と各協定の特徴
  • ・原産地証明書を取得してEPA特恵税率を活用する具体的な手順

1. FTAとEPAの定義

FTA(Free Trade Agreement/自由貿易協定)とは

FTAとは、特定の国や地域の間で物品の関税やサービス貿易の障壁を撤廃・削減することを目的とした協定です。WTO(世界貿易機関)では加盟国すべてに同じ条件を適用する「最恵国待遇」が原則ですが、FTAはその例外として、締約国同士だけに特別な優遇税率を認める仕組みです。世界全体では350を超えるFTAが発効しており、二国間だけでなくASEAN自由貿易地域(AFTA)のような地域単位の協定も含まれます。

EPA(Economic Partnership Agreement/経済連携協定)とは

EPAとは、FTAが対象とする関税撤廃・削減に加えて、投資の自由化、知的財産権の保護、人の移動、ビジネス環境の整備、競争政策の調和など、経済活動全般にわたる幅広いルールを取り決める包括的な協定です。日本政府はFTAよりもこの包括的なEPAの締結を重視しており、日本が結んでいる二国間の協定はほぼすべてがEPAの形式を採用しています。EPAを締結することで、単なる関税引き下げにとどまらず、相手国でのビジネス展開そのものが円滑になるという利点があります。

2. FTAとEPAの違いを比較

FTAとEPAは混同されがちですが、カバーする範囲に大きな違いがあります。以下の表で両者の主な相違点を整理します。

比較項目FTA(自由貿易協定)EPA(経済連携協定)
主な目的関税の撤廃・削減経済関係の包括的な強化
関税分野対象(中心的なテーマ)対象(EPAの一部として含む)
投資ルール原則として対象外投資の自由化・保護を規定
知的財産権原則として対象外特許・商標・著作権等の保護を規定
人の移動原則として対象外ビジネスパーソンの入国・滞在条件を規定
競争政策原則として対象外公正な競争環境の確保を規定
ビジネス環境整備原則として対象外規制の透明性・手続き簡素化を規定
日本の方針多国間協定で採用(RCEP等)二国間協定で積極的に推進

要するに、FTAは「貿易の自由化」に焦点を絞った協定であり、EPAは「経済関係の全体的な深化」を目指す協定です。EPAはFTAの上位互換と捉えることができ、日本では二国間の協定をEPAとして締結し、RCEP のような多国間の大型協定ではFTAの要素が中心となる傾向があります。

3. 日本が締結している主要なEPA/FTA一覧

日本は2025年時点で21のEPA/FTAを発効させており、貿易額ベースでのFTAカバー率は約80%に達しています。以下の表に主要な協定をまとめました。

協定名相手国・地域発効年種類
日シンガポールEPAシンガポール2002年二国間EPA
日メキシコEPAメキシコ2005年二国間EPA
日マレーシアEPAマレーシア2006年二国間EPA
日タイEPAタイ2007年二国間EPA
日インドネシアEPAインドネシア2008年二国間EPA
日フィリピンEPAフィリピン2008年二国間EPA
日ASEAN包括的EPAASEAN10カ国2008年地域EPA
日スイスEPAスイス2009年二国間EPA
日ベトナムEPAベトナム2009年二国間EPA
日インドEPAインド2011年二国間EPA
日オーストラリアEPAオーストラリア2015年二国間EPA
日モンゴルEPAモンゴル2016年二国間EPA
CPTPP(TPP11)11カ国2018年多国間FTA/EPA
日EU EPAEU27カ国2019年二国間EPA
日米貿易協定アメリカ2020年二国間FTA(限定的)
日英EPAイギリス2021年二国間EPA
RCEP15カ国2022年多国間FTA/EPA

上記のとおり、日本のEPA/FTAネットワークはアジア・太平洋地域を中心に欧州・中南米まで広がっています。特にRCEPの発効により、これまでFTA/EPAがなかった中国・韓国との間でも特恵関税が適用可能となった点は、日本企業にとって大きな変化です。自社の主要な取引先がどの協定の対象国に含まれるかを確認することが、関税削減の第一歩となります。

4. 注目すべき3つの大型協定(RCEP・CPTPP・日EU EPA)

RCEP(地域的な包括的経済連携)

RCEPは2022年1月に発効した、ASEAN10カ国に日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランドを加えた15カ国による経済連携協定です。参加国の合計GDPは世界全体の約30%を占め、人口は約23億人に達します。日本にとっては、中国・韓国との間で初めてとなる関税削減の枠組みとして注目されています。工業品では品目数ベースで約92%の関税が段階的に撤廃される予定であり、原産地規則も統一されているため、域内のサプライチェーンを活用した生産・輸出がしやすくなっています。

CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)

CPTPPはTPP11とも呼ばれ、2018年12月に発効した環太平洋地域11カ国による高水準の自由化協定です。参加国は日本・オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・シンガポール・ベトナム・マレーシア・ブルネイ・チリ・メキシコ・ペルーで、2023年にはイギリスも加入しました。関税撤廃率は品目数ベースで95%以上と非常に高く、電子商取引・国有企業・労働・環境といった先進的なルールも含む点が特徴です。RCEPよりも自由化の水準が高いため、同じ相手国に対してCPTPPとRCEPの両方が適用可能な場合は、品目ごとに有利な方を選択できます。

日EU EPA

日EU EPAは2019年2月に発効した、日本とEU27カ国との間の経済連携協定です。世界のGDPの約3割、世界貿易の約4割をカバーする世界最大級の自由貿易圏を形成しています。EU側では自動車部品や電子機器の関税が段階的に撤廃され、日本側ではEU産ワインの関税即時撤廃やチーズの低関税枠設定などが実施されました。知的財産の保護では地理的表示(GI)の相互保護が盛り込まれており、日本の農産品ブランドをEU域内で保護できる点も見逃せません。

5. EPAを活用した関税削減の手順

ステップ1:相手国とのEPA発効状況を確認する

まず、自社が輸出入を行う相手国との間で、日本がEPA/FTAを締結しているかどうかを確認します。外務省のウェブサイトや税関の「EPA/FTA関連情報」ページで、最新の発効状況を確認できます。同じ相手国に対して複数の協定が適用可能な場合もあるため(例:ベトナムとの間では日ベトナムEPA・日ASEAN EPA・CPTPP・RCEPの4つが利用可能)、すべての選択肢を把握しておくことが重要です。

ステップ2:HSコードで商品を特定する

HSコード(統計品目番号)とは、国際的に統一された商品分類コードです。最初の6桁は世界共通で、それ以降は各国が独自に細分化しています。自社の輸出品がどのHSコードに該当するかを正確に特定することが、EPA税率を確認するための前提条件となります。税関の相談窓口やJETROの貿易投資相談で、HSコードの特定について支援を受けることも可能です。

ステップ3:EPA税率と通常税率(MFN税率)を比較する

HSコードが特定できたら、そのコードに対するEPA特恵税率と、EPAを使わない場合のMFN税率(最恵国税率)を比較します。税関のウェブサイトやWorld Tariff(JETROから無料登録可能)、WTO等が開発したRULES OF ORIGIN FACILITATORなどのツールで調べることができます。EPA税率の方が低ければ、EPAを活用するメリットがあります。なお、EPAの関税撤廃スケジュールは年度によって税率が段階的に下がるため、最新の譲許表を確認してください。

ステップ4:原産地規則を確認する

EPA特恵税率の適用を受けるには、輸出品がEPAで定められた原産地規則を満たしている必要があります。原産地規則とは、その商品が「締約国の産品」とみなされるための条件で、主に「完全生産品」(締約国内で完全に生産された産品)と「実質的変更基準」(第三国の原材料を使用していても、締約国内で十分な加工・製造を行った産品)の2つの基準があります。実質的変更基準には、関税分類変更基準・付加価値基準・加工工程基準の3種類があり、品目ごとに適用される基準が異なります。

ステップ5:原産地証明書を取得して輸出する

原産地規則を満たしていることが確認できたら、原産地証明書を取得します。日本では主に2つの方式が利用できます。ひとつは日本商工会議所が発給する「第三者証明方式」で、商工会議所に申請書と必要書類を提出して証明書を発行してもらいます。もうひとつは「自己申告方式(自己証明方式)」で、輸出者・生産者・輸入者のいずれかが自ら原産地申告を作成する方式です。CPTPPや日EU EPA、RCEPでは自己申告方式が導入されており、手続きの迅速化が図られています。取得した原産地証明書を輸入国の税関に提出することで、EPA特恵税率の適用を受けることができます。

6. FTA/EPAのメリットとデメリット

日本企業にとってのメリット

EPA/FTAを活用する最大のメリットは、関税コストの削減です。たとえば、通常10%の関税がかかる製品をEPA税率0%で輸出できれば、年間1億円の取引額なら1,000万円のコスト削減につながります。この価格競争力の向上は、海外市場でのシェア拡大に直結します。

関税以外にも、EPAでは投資環境の安定化が図られています。投資家保護条項や紛争解決手続きが整備されているため、相手国でのビジネスリスクを軽減できます。さらに、知的財産権の保護強化により、自社の技術やブランドを安心して海外展開できる点も大きな利点です。加えて、通関手続きの簡素化や基準認証の相互承認により、貿易にかかる時間とコストの削減も期待できます。

自由貿易のデメリットと対策

一方で、自由貿易には注意すべき側面もあります。関税が撤廃されることで、安価な輸入品が大量に流入し、国内の同業種の企業が価格競争で苦境に立たされる可能性があります。特に農業分野では、この懸念が強く議論されてきました。

また、各国で安全基準や品質基準が異なるため、規制の緩い国からの製品流入に対する安全確保が課題となることがあります。企業にとっては、原産地規則の理解や証明書取得の事務負担が発生する点もデメリットといえるでしょう。

ただし、EPAではこうしたデメリットに対応する仕組みが組み込まれています。関税撤廃を段階的に行うスケジュール(ステージング)の設定や、輸入急増時に一時的に関税を引き上げるセーフガード条項、そして「センシティブ品目」として関税撤廃の対象から除外する措置などがその例です。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. FTAとEPAの違いは何ですか?

FTAは関税の撤廃・削減に特化した協定で、EPAはそれに加えて投資・知的財産・人の移動・ビジネス環境整備など幅広い経済連携を含む包括的な協定です。日本が締結している二国間協定の多くはEPAの形式をとっています。

Q2. 日本はいくつのEPA/FTAを締結していますか?

2025年時点で21の協定が発効しています。二国間EPAに加え、RCEP・CPTPP・日EU EPAなどの大型協定を含み、貿易額ベースでのカバー率は約80%です。

Q3. EPAを使って関税を削減するにはどうすればいいですか?

相手国とのEPA発効を確認し、HSコードで商品を特定し、EPA税率と通常税率を比較し、原産地規則を満たすか確認したうえで、原産地証明書を取得して輸出するという流れです。詳しくは本記事の「EPAを活用した関税削減の手順」をご覧ください。

Q4. 自由貿易のデメリットは何ですか?

安価な輸入品の流入による国内産業への影響、安全基準の異なる製品の流入リスク、原産地証明手続きの事務負担などが挙げられます。ただしEPAでは段階的な関税撤廃やセーフガード条項など、影響を緩和する仕組みが設けられています。

Q5. RCEPとCPTPPの違いは何ですか?

RCEPはASEAN10カ国と日中韓豪NZの15カ国による協定で、CPTPPは環太平洋11カ国(+英国)による高水準の自由化協定です。CPTPPの方が関税撤廃率やルールの水準が高く設定されています。

Q6. 原産地証明書とは何ですか?

輸出品がEPA締約国で生産・加工されたことを証明する書類です。日本商工会議所による第三者証明方式と、企業が自ら作成する自己申告方式があり、これを輸入国の税関に提出することでEPA特恵税率が適用されます。

Q7. 日EU EPAで日本企業が得られるメリットは何ですか?

EU向け輸出では自動車部品・電子機器などの関税が段階的に撤廃されます。知的財産保護の強化や地理的表示(GI)の相互保護もあり、EU域内でのビジネス展開がしやすくなっています。

Q8. EPA/FTAを活用する際の注意点はありますか?

原産地規則の正確な理解、HSコードの特定、証明書の有効期限管理、複数のEPAが適用可能な場合の最適な協定の選択、そして年度ごとに変わる関税撤廃スケジュールの確認が重要です。

8. まとめ

FTAは関税の撤廃・削減に特化した協定であり、EPAはそれを包含しつつ投資・知的財産・人の移動など幅広い分野をカバーする包括的な協定です。日本は21の協定を発効させており、RCEP・CPTPP・日EU EPAの3大協定により、世界の主要貿易相手国との間で特恵関税が利用できる環境が整っています。

EPAを活用して関税を削減するには、相手国との協定発効状況の確認、HSコードの特定、EPA税率の比較、原産地規則の確認、原産地証明書の取得という5つのステップを踏む必要があります。手続きは一見複雑に見えますが、一度仕組みを理解すれば継続的なコスト削減につながるため、海外取引を行う日本企業にとってEPA/FTAの活用は経営戦略上の重要なテーマといえるでしょう。

9. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。

「EPAを活用して輸出コストを下げたい」「原産地証明書の取得手続きがわからない」「海外取引の関税について相談したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。貿易実務に詳しいサポート企業を無料でご紹介いたします。

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